7月2日に開幕した国内男子ツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」。現在、平均パット数1.7208で部門別ランキング4位につける勝俣陵は、初日を5バーディ・3ボギーの「70」でプレーし、まずまずのスタートを切った。特筆すべきはそのパッティングだ。インスタートの前半を16パットで終えると、後半はチップインなしで驚異の11パットを記録。トータル27パットとグリーン上で躍動した。開幕前日のプロアマトーナメントで、そんな勝俣を直撃。パッティング好調の裏にある基礎練習と、パター選びのこだわりについて話を聞いた。

基礎の徹底:2.5メートルの真っすぐな上りラインを打ち続ける

勝俣のパッティング向上の裏には、昨年から師事しているパッティングコーチ・橋本真和氏の存在があるという。特に行っているのが、「上りの真っすぐなラインを真っすぐに打つ」という基礎的な反復練習だ。

練習場のパッティンググリーンで2.5メートルほどの完全に真っすぐなラインを見つけ、出球の方向にティーを刺す。アライメント用の鏡面プレートを用いて肩のラインなどをすべて揃え、とにかく真っすぐ打つ練習を基礎として徹底している。実戦において特別な技術を付け足すことはあまりせず、曲がるラインを打つ際にフェース面の向きを確認する程度にとどめている。

ラインに応じた打ち分け:曲がるラインは「初速」で負けない

振り幅とリズムの感覚について尋ねると、勝俣ならではの明確な基準があった。同じ1メートルの距離を転がす場合でも、振り幅を大きくしてゆっくりとしたテンポで打つこともできれば、振り幅を小さくしてテンポをはやめて打つこともできる。

勝俣自身は、もともと振り幅が大きく緩やかなストロークが基本だという。しかし、大きく曲がるラインに対してゆっくり打つとボールの初速が弱くなり、打った瞬間にライン(傾斜)に負けてしまう。そのため、よく曲がるラインでは初速で負けないように、振り幅を小さくして「パチン」と強めに打つように打ち分けていると語った。

また、自身が苦手とする「上ってすぐの段があるライン」などでも、初速のイメージを強く持って(振り幅を小さく強めに)打つことで改善が見られたという。下りの速いグリーンなどでも、ストロークが緩まないように小さく打つ練習を重ねている。

画像: 勝俣陵(写真は26年日本プロゴルフ選手権、撮影/岡沢裕行)

勝俣陵(写真は26年日本プロゴルフ選手権、撮影/岡沢裕行)

グリーンコンディションに合わせたパター選びと「怪我の功名」

好調なパッティングを支えるもう一つの要素が、グリーンコンディションに合わせたパターの調整だ。冬に青木瀬令奈の合宿へ参加した際、試合や会場ごとに異なるグリーンの硬さ、芝の長さ、締まり具合に対応することの重要性を再認識したという。

例えば、芝が長くボールが沈み気味の状態の時に、インパクトロフトがゼロ(あるいはマイナス)になってしまうようなパターで打つと、ボールが芝に押し付けられて不規則に跳ねたり、転がりが悪くなったりしてしまう。そういった状況では、打った直後にボールを少し浮かせて芝の抵抗から出してあげる(スムーズな順回転を与える)ために、通常よりロフト角が多いモデルを選ぶなど、インパクト時のロフト角を適宜意識してパターを選んでいるという。打った際の初速の感覚が異なれば、エースパターであっても使用を控えるほどのこだわりを見せる。

今大会のセッティングについては、思わぬアクシデントがきっかけとなっている。今年、日本ゴルフツアー選手権で優勝争いをした際に使用していたエースパターのネックが、輸送中に曲がってしまったのだ。修復を試みたものの感触が戻らず、代わりに練習用で使っていた少し難しめのブレードタイプ(スラントネック)のパターを試合で投入したところ、非常に良い感触を得たという。

現在ではその練習用パターのネック形状を採用し、エースパターと同じヘッドを組み合わせたものを使用している。「怪我の功名」とも言えるアクシデントが、新たな発見をもたらす結果となった。

画像: 今大会はオデッセイのスラントネックで挑む勝俣陵

今大会はオデッセイのスラントネックで挑む勝俣陵

地道な基礎練習と探求心に裏打ちされ、さらなる進化を遂げた勝俣のグリーン上のプレーから、今大会も目が離せない。


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