「第110回日本アマチュアゴルフ選手権 Presented by カープレミア」の第3ラウンドは、雨による約2時間半のスタート遅れを強いられるタフなコンディションとなった。首位と1打差の2位から出た韓国の18歳、キム・ミンスが圧巻のゴルフを見せた。1番からスタートしたミンスは、6番(170ヤード・パー3)、7番(425ヤード・パー4)の2連続バーディを含む3バーディ・ノーボギーで前半を折り返すと、後半はすべてパーセーブ。この日「69」をマークして通算14アンダーまでスコアを伸ばし、初日からトップを走っていた亥飼陽(いがい・ひなた)を逆転して単独首位に躍り出た。亥飼は3打差の2位、この日4アンダーでラウンドしたACNツアー優勝経験のある武田紘汰が4打差の3位につけている。
画像: 【左】キム・ミンス【右】亥飼陽(撮影/岡沢裕行)

【左】キム・ミンス【右】亥飼陽(撮影/岡沢裕行)

タフな状況を耐え抜いて掴んだボギーフリー。「嘘のないコース」を実力で圧倒

画像: 1打差を逆転し単独首位に立った(撮影/岡沢裕行)

1打差を逆転し単独首位に立った(撮影/岡沢裕行)

3バーディノーボギーという結果に「厳しい1日だった」と振り返るミンス。この日は降雨による約2時間半の遅延に加え、雨上がり特有の蒸し暑さと重いラフに多くの選手が体力を削られた。ミンス自身も「ティーショットがラフに入ることが多く、精神的にも体力的にもタフだった。(バーディパットのチャンスも)1メートルほどを外した。体力があればもう少し伸びた」と語った。

しかし、日本のゴルフ場については以下のようにコメントしている。

「芝の管理が本当に素晴らしい。コンディションが良ければ、思った通りに打ててすぐにバーディが獲れる。嘘のないコースです」と、そのクオリティを絶賛した。

日本人選手から学んだ「感覚」と「フリースタイル」のゴルフ

画像: 亥飼陽(左)と藤井太己(右)と同組でプレー(撮影/岡沢裕行)

亥飼陽(左)と藤井太己(右)と同組でプレー(撮影/岡沢裕行)

自分のプレーだけではなく、同組で回った亥飼をはじめとする日本人選手への印象も興味深かった。

「今朝は緊張しないと思っていたけれど、いい選手と回ると緊張感が出ますね。(そのプレッシャーによって)ボールが曲がったり、体力面でも影響が出ていたと思います。でも、トップにいるのでいい気持ちです。韓国の選手は、教科書通りというか、鏡を見ながらスウィングをきっちり作り込むタイプが多いですが、(亥飼を含めた日本人選手は)、自分の『感覚』を大切にしてスウィングを作っている印象。インサイドから入れたり、手元の動きが選手によって異なり個々のゴルフスタイルがあり勉強になります」と、日本のトップアマたちのプレースタイルに新鮮な刺激を受けたようだ。

「最終日は安全なショットを心掛けつつ、2位・3位の人の様子を見ながらプレーしたいと思います」と冷静に優勝を狙う姿勢だ。

追われる立場から追う立場へ。亥飼陽「心境の変化は特にない」

画像: 最終日の目標も変わらず「1アンダー」(撮影/岡沢裕行)

最終日の目標も変わらず「1アンダー」(撮影/岡沢裕行)

一方、2日間守り続けた首位の座を明け渡し、首位ミンスと3打差の2位に後退した亥飼陽。

「優勝への気持ちはそんなに強く(思っていたわけでは)ないけれど、後半にはアドレナリンが出て距離感が狂ってしまった」と振り返る。そして、追われる立場から追う立場に変わったことへの心境の変化についても、「(ミンスは)飛ばし屋で見ないようにしていたので、影響はなかったです。(追う立場になった気持ちの変化も)特にないですね。昨日までも追われている感覚はまったくなかった。本当に自分は明日も1アンダーを目指してやるだけ。それが達成できて、自分が笑えればそれでいいです」と、周囲に惑わされることのないすがすがしさで最終日のリベンジを誓った。(文/川野真美)


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