女子ゴルフの今季国内ツアー第17戦「資生堂・JALレディスオープン」(2~5日、神奈川県・戸塚CC東C=6487ヤード、パー72)は21歳のルーキー倉林紅の初優勝で幕を閉じた。最終日を7バーディ、2ボギーの「67」で回り、通算12アンダーでトップが並んだ史上最多7人によるプレーオフを制しての栄冠だった。倉林をはじめ神谷桃歌、前多愛、宮澤美咲、菅楓華、期待のアマチュア長澤愛羅、9年ぶりの通算2勝目を目指した永井花奈らが激しく頂点を競った4日間(初日中止、3日間短縮競技)を振り返る。

雨天中止で即席サイン会が開催された

初日は朝から降り続いた雨の影響によるコースコンディション不良で4度にわたってスタート時間を遅らせたが、天候の回復が見込めないため中止となった。大会は54ホールの短縮競技となり、3日(金)に第1ラウンドを行うことが決まった。賞金額は規定により75パーセントとなり、成績に応じて付与されるメルセデス・ポイントには変更がなかった。

大会連覇を狙う永峰咲希はこの決定を「スタート時間が遅れる覚悟はしていたので、リラックスして待ち時間を過ごしていました。結果的に一番フェアな形で明日を迎えられる。3日間でも2連覇を狙う姿勢は変わりません」と冷静に受け止めた。

木戸愛は昨年大会で永峰とのプレーオフで敗れ2012年以来の2勝目を逃がしている。

「やっぱり思い出しますね。今年は昨年2位に終わったリベンジをしたいです」。

会場に近い横須賀市出身で「今週は自宅通勤。地元のパワーを力にしてベストを尽くしたい」と燃える思いを言葉にした。

即席サイン会で選手たちはファンとの交流の時間を過ごした

会場では選手が即席のサイン会を行った。永峰、木戸、小祝さくら、青木香奈子ら12人が参加し、ファンサービスに努めた。

鈴木愛が貫録の「65」で単独首位スタート

金曜日は中止になった第1ラウンドが行われ、元賞金女王の鈴木愛がビッグスコアを出した。7バーディ、ノーボギーの7アンダー「65」で回り、単独首位発進。

「先週の疲れもあり、全然練習ができていなくて、少し不安もありましたが、すごくショットがよかったので、ピンチらしいピンチもなかったです」と笑顔で振り返った。

単独首位発進の鈴木愛

1打差の6アンダーには青木瀬令奈、荒木優奈、服部真夕が並んだ。中でも服部はレギュラーツアーでは久々の上位発進で「すごく難しい10メートル以上のロングパットが2回入ってくれて、流れに乗れた感じです。何とか結果を残したいと思って今週は臨んでいます」と目線を上げた。

画像: 今大会がレギュラー初戦の服部真夕は首位と1打差の好位置につけた

今大会がレギュラー初戦の服部真夕は首位と1打差の好位置につけた

木戸は5アンダー67で回り、5位での滑り出し。

「今日はいいプレーができたので、明日につなげたい」と前を向いた。

ディフェンディングチャンピオンの永峰はイーブンパー78位と出遅れた。

首位タイに永井花奈、アマチュアの長澤愛羅、大須賀望の3人が並ぶ

第2ラウンドは、永井が1イーグル、7バーディ、2ボギーの「65」で回る。前半インは5連続バーディを含む7バーディを量産し、驚異の「29」を記録した。

一気に大須賀望、アマチュアの長澤と並んで首位に浮上し「ティーショットとアイアンの調子がすごくよくて、危なげなくラウンドできた。7番のイーグルはイメージ通りの球が打てて、入ってくれたのでうれしかった。今季は優勝を目標に頑張っているので、明日もビッグスコアを出したい」と最終日を見据えた。

9年ぶりの優勝に近づいた永井花奈

大須賀はボギーなしの5バーディを奪い、レギュラーツアーでは初の首位。身長146センチとツアーで一番小柄ながら240ヤードを超えるショットを放つ。

「いい位置で最終日を迎えるのは初めてなので、絶対に緊張すると思いますが、その緊張も楽しんで頑張りたいです」と初々しいコメントを残した。

画像: 大須賀望は推薦で得たチャンスを生かし、見事に優勝争いへ加わった

大須賀望は推薦で得たチャンスを生かし、見事に優勝争いへ加わった

長澤は2週前の日本女子アマを制した期待の星。7バーディ、2ボギーの「67」をマークして史上9人目のアマチュア優勝へビッグチャンスを築き「今回はキャディをツアープロの叔父(長澤奨)が務めていて、ラウンド中はずっとゴルフの話をしていました。パッティングのラインが本当にすごく読めるなと思います。明日もいいプレー目指して頑張ります」と気迫を表に出した。

画像: 日本女子アマ女王の長澤愛羅は勢いそのままに、最終日へ向かった

日本女子アマ女王の長澤愛羅は勢いそのままに、最終日へ向かった

ルーキーの倉林紅がロングパットを決めきり初優勝

最終日はまれに見る大激戦となった。通算4アンダー24位から出た神谷桃歌が5連続を含む8バーディ、ボギーなしの「64」をマークし、通算12アンダーまで伸ばすと、倉林、前多、宮沢、菅、永井、長澤も通算12アンダーでホールアウト。決着は過去最多だった6人を上回る史上最多7人によるプレーオフにもつれ込んだ。

プレーオフは18番パー4を使って行われ、1ホール目でボギーの菅が脱落。6人となった2ホール目で唯一バーディを奪った倉林が優勝を果たした。倉林は正規の18番のバーディでプレーオフに進出。1ホール目は第2打を手前バンカーに打ち込んだが、これを1メートルに寄せてピンチを脱出。2ホール目で2.5メートルのウィニングパットを決めた。

優勝が決まり倉林と長澤は健闘をたたえ合った

倉林は昨年プロテストに合格し、QT1位で今季前半戦の出場権をつかんだ。目標だったルーキー優勝一番乗りは、宮城県出身者としての初優勝でもあった。

「初めてプロとしてプレーオフに臨んだんですけど、最後まで自分を信じて優勝できてすごくうれしいです。これからもっと上を目指して、世界でも戦っていけるような、女子ゴルフ界を盛り上げる一員になれるように頑張ります」と達成感に浸った。

見事に熱戦を制した倉林

長澤は日本選手として史上6人目のアマチュア優勝を逃がして大粒の涙。

「最後は決めたかった。緊張はしていたけど、なるようにしかならないと攻めていこうと思いました。でも、全部がいい経験になりました」と現実を冷静に受けとめた。

ローアマチュアを獲得した長澤

正規の17番でバーディを奪って単独首位に浮上しながら18番でティーショットを右に曲げてボギーとし、プレーオフを戦うことになった永井は「正直もったいないことをしてしまった。54ホールで勝ち切りたかった。細かいところを修正して来週からまた頑張りたいです」と自分に言い聞かせるように話した。

パットが惜しくも決まらず、優勝を逃した永井

女子ゴルフの今季国内ツアー第18戦は「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」で9日に北海道・真駒内CC空沼Cで開幕する。

撮影/岡沢裕行


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