国内男子ツアーの新規大会「ドラッグストア・コスモスカップ」の開催決定記者会見が7日、都内のホテルで行われた。大会を主催する「ドラッグストア・コスモス」は、発祥の地である九州を起点に全国1708店舗を展開し、東日本へも出店を拡大している株式会社コスモス薬品。開催期日は10月1日(木)から4日(日)までの4日間(第40週)。賞金総額1億5000万円(優勝賞金3000万円)という国内メジャー級の破格のスケール(優勝ポイントは525Pts)で、男子ゴルフ界に新たな激闘の舞台が創り出される。
※店舗数は2026年5月31日時点
画像: 発表会に登壇した5人。左から堀川未来夢、グランフィールズCC井上和巳支配人代行、株式会社コスモス薬品の横山英昭代表取締役社長、倉本昌弘JGTO副会長、阿久津未来也

発表会に登壇した5人。左から堀川未来夢、グランフィールズCC井上和巳支配人代行、株式会社コスモス薬品の横山英昭代表取締役社長、倉本昌弘JGTO副会長、阿久津未来也

選手とスポンサーの会話から、わずか2カ月足らずで新規大会が決定

「堀川プロ、中日クラウンズ優勝おめでとう。お祝いは何がいいかな?」
「社長、それなら男子の試合を1試合、お願いできませんか?」

男子ツアーのピンチを救う奇跡の誕生劇は、そんな何気ないやり取りから始まった。日頃からツアー向けにドリンクなどを提供し、プロアマ大会を通じて選手たちと親交を深めていたコスモス薬品。発端となったのは、今年5月中旬の会話だった。

株式会社コスモス薬品の横山英昭代表取締役社長が、5月の「中日クラウンズ」で優勝した堀川未来夢に“お祝い”を持ちかけたところ、堀川から飛び出したのは異例の直訴だった。

横山社長は会見で「男子プロゴルフ界は試合数が少なくなり大変苦しい状況にある。なんとかコスモス薬品で1試合やってもらえないかと相談されたのがきっかけです」と明かし、男子ゴルフ界を盛り上げたいという熱い想いから、その場で新規大会の開催を即断したという。

堀川自身も、当初は来年度以降の話だと思っていた。「まさかその場で『空いている週はあるの?』『10月か、じゃあ10月にしよう。コースはどうする?』となり、今年の10月に開催できることになって本当に驚きました」と、その異例のスピード感に舌を巻く。

コース選定については、打診を受けた倉本昌弘JGTO副会長がリストアップを担当。そこで白羽の矢が立ったのが、2022年に堀川が「日本プロゴルフ選手権」で優勝を飾った思い出の舞台、「グランフィールズCC(静岡県)」だった。

最初に打診があったのは6月上旬。同クラブの井上和巳支配人代行は、「実質もう4カ月を切っている状態で、本当に大丈夫かなというのが正直な気持ちでした」と当時の戸惑いを振り返る。しかし、男女のトーナメントを開催してきた実績と、理事長の即断、そしてコースキーパーの「ほぼ手を入れることなく、この3カ月で十分トーナメントに耐えられるコースができる」という力強い後押しもあり、受け入れを決断した。

こうしてスポンサーと開催コースがとんとん拍子で決まり、最初の会話からわずか2カ月足らずという驚異のスピードで、7月7日の“七夕発表”へと至った。

今大会の日程となった10月1日(木)〜4日(日)の空き週にもドラマがある。例年、10月第1週は「東海クラシック」が開催されているが、今年は名古屋で開催されるアジア大会と時期が重複するため、同大会が日程を移動。これにより、奇跡的にスケジュールが空いていたのだ。倉本副会長も「東海クラシックが動くことで日程を調整していた中、ちょうどこの週が空き週となっていた」とタイミングの妙を語る。

堀川への「優勝祝い」の言葉が、わずか数カ月で1.5億円のビッグトーナメントへと大化けした。選手会長の阿久津未来也も「今の男子ツアーにとっては非常に大きな金額。選手たちも大きな期待を持って、全力のプレーで応えてくれると思います」と深く感謝した。

初代チャンピオンを決める戦いの舞台は、名門・グランフィールズCC

画像: 2022年「男子プロゴルフ選手権」で勝利した堀川未来夢、日本大学の選手が応援に駆け付けていた(撮影/岡沢裕行)

2022年「男子プロゴルフ選手権」で勝利した堀川未来夢、日本大学の選手が応援に駆け付けていた(撮影/岡沢裕行)

注目の初代王者を決める戦いの舞台は、静岡県三島市に位置する「グランフィールズカントリークラブ」だ。

雄大な富士山や駿河湾を一望できる絶好のロケーションを誇り、コース内には純日本風の回遊庭園を思わせる景観が広がる。渓流や滝、池を美しく配した日本庭園風のレイアウトが特徴だ。しかし、その優美な外観とは裏腹に、名匠・浅見勝一氏の設計、そして岡本綾子氏の監修による18ホールは、数々のトーナメントでプロたちを苦しめてきた屈指のチャンピオンコースでもある。

画像: 同コースで行われた2018年「サイバーエージェントレディス」で優勝した新垣比菜(撮影/岡沢裕行)

同コースで行われた2018年「サイバーエージェントレディス」で優勝した新垣比菜(撮影/岡沢裕行)

過去には女子ツアーの「サイバーエージェントレディス」や、今大会のきっかけを作った堀川が頂点に立った2022年の国内男子メジャー「日本プロゴルフ選手権」などが開催され、数々の名勝負を生み出してきた。

秋の「第40週」というサバイバル──賞金王・シード権争いの命運を握る重要な一戦

画像: 現在賞金ランキング1位の米澤蓮と2位の細野勇策、差は約900万円(撮影/岡沢裕行)

現在賞金ランキング1位の米澤蓮と2位の細野勇策、差は約900万円(撮影/岡沢裕行)

今回発表された「10月1日〜4日」という開催日程は、ツアースケジュール全体を見渡しても、賞金王争いやシード権争いが本格化する最もプレッシャーのかかる局面だ。

10月の厳しい気候と、グランフィールズ特有のタフなロケーションが重なり合うことで、選手たちの心技体を極限まで削り取る、一打も落とせない緊迫したゲームが展開されることは想像に難くない。

主催のコスモス薬品は、「今後、日本全国で地元の皆様に安心を与える、愛されるドラッグストアになるとともに、多くのゴルフファンに愛され、また生涯スポーツであるゴルフの愛好者が増えてほしい」との願いをこの新しい大会名に込めている。

国内トップレベルのプロたちが集結し、プライドをかけてぶつかり合う新しい4日間のサバイバル。難攻不落のグランフィールズをねじ伏せ、歴史の最初の一ページにその名を刻む初代王者は誰になるのか。復活を期す百戦錬磨のベテランか、それとも失うものは何もないアグレッシブな若手か。10月の静岡で開催される本大会に注目だ。


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