女子ゴルフの今季国内ツアー第20戦「大東建託・いい部屋ネットレディス」(7月23〜26日、福岡県糸島市・ザ・クイーンズヒルGC=6485ヤード、パー72)は、プロ2年目で19歳の新星・加藤麗奈の劇的なツアー初優勝で幕を閉じた。最終日は単独首位から出て5バーディ、1ボギーの「68」で回り、初優勝選手として最多アンダーパー記録となる通算22アンダーで逃げ切った。連日の酷暑の中、予選通過スコアがツアー最少記録(5アンダー)となった歴史的バーディ合戦の4日間を振り返る。
画像: 4日間にわたる激戦を制したのは、19歳の加藤麗奈

4日間にわたる激戦を制したのは、19歳の加藤麗奈

【初日】ルーキー倉林紅がベストスコア「64」をマークし好スタート

画像: 初日は倉林紅が単独首位に立った

初日は倉林紅が単独首位に立った

初日に真夏の福岡で最高のスタートを切ったのは、3週前の「資生堂・JAL レディスオープン」で初優勝を果たしたルーキー・倉林紅だった。9バーディ、1ボギーの「64」をマーク。ツアーでの自己ベストスコアを更新する会心のラウンドに「今日は本当にパターがよく入ってくれました。寄せようと思ったパットまで入ってくれたので、すごくいい流れで1日プレーできました」と振り返った。

画像: ホステスプロ・都玲華が2位と好調のスタートを切った

ホステスプロ・都玲華が2位と好調のスタートを切った

1打差の7アンダー2位には、ホステスプロの都玲華がつけた。256ヤードに設定された5番パー4ではドライバーで1オンに成功し、ピン左5メートルからイーグルパットを沈めるなど1イーグル、7バーディ、2ボギーの「65」を記録。「朝も社長さんや役員の方が見送ってくださるので、めっちゃいい球を打とうと思い、すごくいいスタートでした」と手応えを口にした。

画像: 3位タイには、都と同じくホステスプロの吉田鈴の名が。アイス型のハンディファンを持ち万全の暑さ対策で挑んでいた

3位タイには、都と同じくホステスプロの吉田鈴の名が。アイス型のハンディファンを持ち万全の暑さ対策で挑んでいた

さらに1打差の6アンダー3位タイには復活を期す成田美寿々、所属プロの吉田鈴、中村心、吉本ここねら9名が並んだ。成田は7バーディ、1ボギーの内容に「ピンチが少なくて、パッティングがストレスなく打てた1日。すごく楽しかった」と声を弾ませた。左手などのけがと向き合いながらのプレーが続いているが「まだ100%は振れませんが、8割くらいなら」と前を向いた。

所属先の大会で気合の入る吉田は「頑張りたい試合でいいスコアを出せた」と責任感を口にした。

【2日目】加藤麗奈が首位浮上!予選通過スコアはツアー最少を記録

画像: 加藤は永峰咲希やペ・ソンウをサポートしてきた李進伍(リ・ジノ)キャディとタッグを組んだ

加藤は永峰咲希やペ・ソンウをサポートしてきた李進伍(リ・ジノ)キャディとタッグを組んだ

2日目は加藤麗奈が主役を奪った。5番でイーグルを奪うと、6番から9番まで怒涛の4連続バーディ。後半も3つのバーディを積み上げて「64」で回り、通算13アンダーで自身初の単独首位に浮上。「ここまでできるとは思わなかったので、びっくりしている。自分は伸ばし合いが苦手だが、ついていけたことが嬉しい」と驚きを隠さなかった。

画像: パターの調子が戻った皆吉愛寿香。初日12位タイから2位タイに浮上した

パターの調子が戻った皆吉愛寿香。初日12位タイから2位タイに浮上した

2打差の通算11アンダー2位タイにはメルセデス・ランキング上位を走る菅楓華、吉田、そして皆吉愛寿香の3人が並んだ。皆吉は9バーディを奪う攻めのゴルフで「66」。「試合前の練習でパッティングのフェースの当たり方を修正し、芯で捉えられるようになったことがスコアに直結した」と好スコアの要因を挙げた。

予選カットラインは通算5アンダーで、これは記録が残る1990年以降の予選通過スコア最少記録だった。

【3日目】加藤が首位キープ!初優勝を狙う皆吉、仲宗根と最終組へ

画像: 首位を守った加藤

首位を守った加藤

3日目も伸ばし合いとなった。首位の加藤は「67」で回って通算18アンダーとし、2位に2打差をつけて初優勝に王手。「明日は平常心を保って、結果を気にしすぎずにプレーするのが大事。たくさんバーディを取って優勝できればいいなと思います」と残る18ホールを見据えた。

画像: 安定感のあるプレーで初優勝を狙った仲宗根澄香

安定感のあるプレーで初優勝を狙った仲宗根澄香

「67」で回った皆吉、「65」を出した仲宗根澄香が2打差の通算16アンダー2位につけ、逆転優勝を狙える位置を死守した。最終日最終組はツアー初優勝を狙う加藤、皆吉、仲宗根の3人となった。34歳の仲宗根は前々週の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」でも最終日まで優勝争いを演じながら3位タイに終わっており「今回は自分に負けないでプレーしたい」と悲願達成へ静かに闘志を燃やした。

【最終日】猛追を振り切り、加藤麗奈が通算22アンダーで逃げ切りV

画像: 逃げる加藤を猛追した皆吉・仲宗根

逃げる加藤を猛追した皆吉・仲宗根

最終日は最終組3人の直接対決の様相を呈した。前半猛チャージをかけたのは皆吉。2番、4番でバーディを奪うと、5番(256ヤード・パー4)でイーグルを奪取。さらに6番、7番でも連続バーディを奪い、この時点で単独トップへ。加藤に追いつかれたあとの14番でも再び単独首位に立ったが、15番のダブルボギーで失速した。

画像: 優勝が決まると、思わず涙を滲ませた加藤

優勝が決まると、思わず涙を滲ませた加藤

加藤は前半を「31」で折り返し、後半は13番でボギーをたたいたものの、追う皆吉、仲宗根が伸ばし切れず、1打差を守って通算22アンダーでVゴールへ飛び込んだ。19歳143日の優勝は史上14番目の年少記録だった。優勝インタビューでは「最後のパットは結構シビアな距離だったけど、入れば優勝とわかっていたので、入って嬉しかったです」と喜びを言葉にした。

仲宗根、皆吉はあと1歩のところで初優勝を逃がし、通算21アンダー2位タイ。仲宗根は「悔しい気持ちが一番大きい。でも、7月に2度優勝争いができたので、もう少しで手が届くと思える。残りのシーズンで絶対につかみ取れるようにしたいです」と目線を上げた。皆吉も「優勝はできなかったけど、最後まで優勝争いをできたことが成長した部分かなと思う」と自己評価した。

画像: 古家翔香は5番でイーグルを決めるなど、1イーグル7バーディと驚愕の好スコアで回った

古家翔香は5番でイーグルを決めるなど、1イーグル7バーディと驚愕の好スコアで回った

また、最終日に「63」という爆発的なトーナメントコースレコードタイ記録を出した古家翔香が通算20アンダーで4位に食い込んだ。ベストアマチュアには通算13アンダー29位タイの荒木七海が輝いた。

次戦は「北海道meijiカップ」で、8月7日に北海道・札幌国際CC島松Cで開幕する。

撮影/岡沢裕行


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