ショート、ミドル、ロング、それぞれに明確な役割を持たせる

コリン・モリカワのセッティング(2026年2月撮影)
現在のモリカワのアイアンの構成を見てみよう。4番アイアンの代わりにアイアン型ユーティリティの「P-DHY」を入れ、5番と6番にキャビティバックの「P7CB」、そして7番からPWまではマッスルバックの「P730」という構成だ。彼は以前の取材で、コンボセッティングについて次のように語っている。

コンボアイアンの優位性について話すコリン・モリカワ
「複数のモデルを入れると違和感があるのではないかと言われますが、私はコンボアイアンに関してはアドバンテージしか感じていません。アイアンはとにかく距離のギャップを適切に埋めることが大事です。それをやりやすくしてくれるのがコンボアイアンなのです」
言葉通り、彼は番手によって明確に役割を分けている。まず、7番からPWにかけてのマッスルバック「P730」についてだ。

7I~PWのショートアイアンは「P730」
「7番からPWは、いわゆる『スコアリングクラブ』です。できればウェッジのように狙い打ちをしたいと考えています。私はフェースが小さく見えるクラブが好きです。そのほうがより集中力が増して、ボールを芯でとらえやすいからです。フェースが大きいと、ぼんやりした感じになって芯に当たりづらいことがままあります」
ショートアイアンには、高い集中力を生み出す小顔と、ピンをデッドに狙うための操作性を求めている。
一方、5番、6番のミドルアイアン「P7CB」には、結果に対する許容性を重視している。

5I ,6Iのミドルアイアンは「P7CB」
「このゾーンになると、ウェッジやスコアリングクラブほどの精度はなくなります。もちろんピンに寄ってほしいのですが、方向性に関してはそこまでシビアに考えていません。それよりもこのゾーンでは、タテ距離のズレをいかに抑えるかが重要です。仮にマッスルバックだと打ち損じて12ヤードほどショートしてしまうところが、キャビティだと5ヤードのミスに抑えられます。そのぐらい違いがあり、大いに助けられています」
そして、200ヤードを超えるような距離を打つ4番「P-DHY」には、より寛容性の高さを求めている。

4Iはアイアン型UTの「PDHY」
「距離が長くなるので、狙いはグリーンのセンター、右サイド、左サイドという感じでさらに大まかになります。大きなターゲットを狙っていくので、その範囲内に入ってくれればよし、という感じです。オフセンターヒット時に距離の落ち込みが少ないものをチョイスしています」
ショートアイアンではピンを狙う精度を、ミドルアイアンではタテ距離の安定を、そしてロングアイアンでは大きなターゲットに運ぶ寛容性を。これがトッププロのアイアンに対する考え方である。
単一モデルでもコンボ的な役割を担える「Pシリーズ」
このエッセンスは、アマチュアゴルファーも大いに取り入れることができる。ロングアイアンには寛容性の高いモデルを配置し、下の番手には構えやすく操作性の高いモデルを選ぶ。番手ごとに求める役割を整理し、それに合わせたクラブを選択することで、コースでのミスは軽減され、結果的にスコアメイクが格段にやさしくなる。
ちなみに、テーラーメイドの「Pシリーズ」アイアンは、複数モデルをコンボした際に違和感が生じないように形状に統一感を持たせている一方で、同じモデルで揃えた場合でも番手ごとに重心位置などが最適化され、理想的なフライトを実現できる。コンボで使いたい、あるいは同じモデルで揃えたい、双方のニーズにしっかりと応える設計が施されているのだ。
さて、ご自身のアイアンセッティングはどうだろう。それぞれにきちんと役割を持たせ、それを果たせているだろうか。モリカワの実例を参考に見直してみると、スコアアップの糸口が見えてくるかもしれない。
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