芝の上から打つFWに求められる「絶対条件」
試打を担当するのは、数多くのクラブを試した経験を持つ加藤颯プロ。試打に入る前に、加藤プロがFWを選ぶ際に重視しているポイントを聞いた。

加藤颯(かとう そう)。自他ともに認めるクラブ好きプロ。ツアー出場を目指しながら、レッスン活動も精力的に行う。オールデイゴルフ所属
「もちろん飛距離が出ることは大前提として大事です。私の場合は、3Wはティーショットのレイアップと、フェアウェイからの両面で使いますが、個人的には球が強すぎると扱いにくさを感じます。芝の上からでも高さが出てスピンも適正に入ってくれることが大事です。ただ球が強く前に飛ぶようなものはキャリー不足になって、コントロールも利かない感じがして怖い。あとはラフから使うこともあるので、抜けの良さも重視しますね。
5Wになると、ある程度グリーンで止めたいので、さらにしっかり球の高さが出て、スピンも入るものを選びたい。3Wも5Wもしっかり“キャリー”で飛距離を出せる。これは大事にしています」

新RS フェアウェイウッド。3W、5W、7Wをラインナップ(撮影/三木崇徳)
飛距離だけでなく、キャリーと適正スピンによる「コントロール性」と「止まる球」を求める加藤プロ。果たして新「RS」はそのハードルを越えられるだろうか。
【FW試打】「下目ヒットに強い3W」と「グリーンを狙える5W・7W」
まずは、いま多くのゴルファーがFWの基準にしている5Wから試打を開始した。

RS フェアウェイウッド・5W(18度)(撮影/三木崇徳)
「ぼてっとした大きめのシルエットが多い中、非常にスッキリした形状でコントロールできそうです。最近はシャローフェース(フェース高さが低い)が多いですが、そこまでシャローではなく強い球も出そうです。多くの人が違和感なく構えられるでしょう」
そう言って振り抜いた1球目から、快音が響き渡った。

「FWの打感、打音、心地良いです」(加藤プロ)
「打った感触と音がマッチしていて非常に心地良い。弾き感があるのでいかにも飛びそうだけど、一方で高さも出てスピンも適正に入る。コントロールが利く感じです。私がポイントにしている落下角も十分。5Wでグリーンオンを狙っていけますね。正直めちゃめちゃいい! 自分が使いたいぐらいです」と、初っ端から大絶賛だ。
次に、パワーヒッターや上級者御用達の3Wを試打。

RS フェアウェイウッド・3W(15度)(撮影/三木崇徳)
「5Wに比べると、形状が後方にストレッチして、その分大きさを感じます。結果的にヘッドもシャローに見えるので、球が上がりやすそうな感じ。3W特有の難しい雰囲気はないですね」
実際に打ってみると、飛びのポテンシャルが露わになった。

フェースの下目ヒットにめっぽう強い
「打感、打音は5W同様、本当に気持ちいい。弾き感も同様なので、長くなりロフトが立ったぶん、より高初速のボールになってぶっ飛ぶ印象です。ティーショットで使えば、曲がるリスクを回避しながら距離が出せます。それから強く感じたのは、フェースの下目でヒットした時にあまりボール初速が落ちないこと。3Wは長いのでそれだけ打点がばらつきますが、飛距離がそこまで落ちないのは大きなメリット。“コンスタントに飛ばせる3W”です」
「RS」FWには、最近男子ツアーでもポピュラーになっている7Wもラインナップされている。こちらも打ってもらった。

「RS」フェアウェイウッド・7W(21度)(撮影/三木崇徳)
「正直あまり打ったことはありませんが、構えると5Wより後方がキュッと詰まってコンパクトなヘッド。いかにもコントロールしやすそうです。
打ってみると、5Wまで感じていたような弾き感は少し抑えられて、フェースに乗る感じが強くなりますが、球は飛んでいる。かつ高さがすごく出ます。前にも上にも飛んでいく感じ。当然落下角も大きく、50度に迫る勢いです。これならグリーンにビタ止まりするでしょうし……7Wってこんなにいいんですね(笑)。この『RS』の7Wはバッグに入れておきたくなる1本です」

計測機器:EYE MINI 計測方法:各クラブ7球以上打ち、そのうちベスト3球の平均値(以下同)
【UT試打】「5番アイアンの美学にこだわらないならスイッチすべき」

新「RS」ユーティリティ。3UT、4UT、5UT、6UTをラインナップ(撮影/三木崇徳)
続いて「RS」UTの試打へ。ラインナップは3UTから6UTまでの4番手だ。まずは最も長い3UTから。
「最近のUTにしては、ややコンパクトなヘッド。これならラフでも抜けがよさそうですし、シビアなライからでも問題なく打てそうです。
打ってみると『RS』UTはFWと比べると浅めの重心深度なこともあり、左へのミスが出にくい印象。コントロール性能が高く、狙ったラインにボールを出しやすい。ロフト帯としては5Wと同等ですが、球の高さが抑えられて、強い球が出ます。このUT、正直飛びますよ」
続いて多くの人がバッグインする4UT。

左から3UT、4UT 、5UT、6UT。構えやすさを追求したヘッド(撮影/三木崇徳)
「ホント顔がいい。3UTよりもフェース面が見えるので、全体の形状のバランスもいいですね。まさにUTの中心選手です。
飛距離、出ますね。コンパクトなヘッドですが、フェースの作りがいいのか、高初速エリアが広く、ミスヒットしても初速が落ちにくい。それでいて感覚も入れやすいので、打球をコントロールしたい人にもいい。完成度が高いです」
ここから下の番手は、アイアンとの置き換えが焦点になってくる。まずは5UT。

「今やUTの中心は4UT、5UT。この出来が本当にいいです」(加藤プロ)
「ここになると結構フェースプログレッション(FP)が大きくなりますね(刃が出てくる)。これをどう感じるかですが、私はまったく気になりません。むしろロフトが大きくなるとグース感が強くなるモデルもありますが、そっちの方が構えにくく感じます。
この番手だと、私の場合は200ヤードで止まる球が打てるかがポイントですが、高い球で確実に止められそうです。5番アイアンの代わりに入れるクラブですが、この楽さは比じゃない。多くの人にとっては、間違いなく5番アイアンよりいい結果をもたらしてくれるはずです。スウィングを頑張って難しいクラブを打ちこなすより、クラブを変えたほうが圧倒的に効率的にスコアを縮められる。形も飛びも高さも良くて、ミスにも強い。その代表的なものがこの『RS』の5UTと言っていい。5番アイアンの美学にこだわらないのであれば、スイッチすべきだと思います」
最後はロフト28度の6UTだ。

FP(刃の出具合)をうまくコントロールすることで、下の番手でも構えやすくなっている(撮影/三木崇徳)
「5UTよりさらに刃が出てきますが、気になりません。これが今回の『RS』UTのいいところ。それもあってすごくボールを拾いやすい。楽に高弾道の球が打てて、私の場合、190ヤードからビタっと止められる球になります。ここまでくると飛ぶというよりも“上がる・止まる”というほうが強くなります。自ずとスウィングも7~8割ぐらいの感じで楽に打つようになる。結果的にミスになりにくいということも言えます。

「6番アイアンに比べると、はるかに楽にリラックスして打てるのも6UTのいいところ」(加藤プロ)
多くの人は6番アイアンをバッグに入れていると思いますが、一方でレッスンをしていると、6番アイアンをしっかり打てている人ってかなり少数。それなら6番アイアンを抜いて、いっそ6UTという選択もありですね」

飛ぶ、上がる、そしてミスに強い。それが「RS」シリーズのFW・UTに対する加藤プロの共通した評価だった。特に「飛距離」と「やさしさ(ミスへの寛容さ)」の両立という点において、非常に完成度が高い。プロや上級者の間で噂になるのもうなずける結果となった。
圧倒的な飛距離と寛容性を生むプロギアの設計思想
加藤プロが絶賛した「高初速」と「ミスへの強さ」は、プロギアの緻密な設計によって裏付けられている。
最大の要因は、フェース下部まで及ぶ限界薄肉フェースと、徹底したセンター重心設計だ。高強度マレージング鋼を採用し、高精度なCNCミルド加工を施すことで、フェース下部をギリギリまで薄肉化することに成功。

高強度マレージング鋼を採用し、高精度のCNCミルド加工を施したプロギア自慢のフェース。もちろん規制値ギリギリを狙った設計だ(撮影/青木慶太)
またFWに関しては、ソール前方に配置された「スラッシュグルーブ」が、インパクト時のフェースのたわみを最適化。打ち出し角を高く維持したまま、初速を爆発的に引き上げる。これにより、アマチュアに多い「フェース下部でのヒット」でもボール初速が落ちず、しっかりと飛距離を稼ぐことができる。加藤プロが3Wで「下目で打っても飛距離が落ちない」と評価したのはまさにこの効果である。

ソールの「スラッシュグルーブ」の効果で、下目ヒットでもボール初速が落ちにくい(撮影/三木崇徳)
FWもUTも、形状はすっきりと構えやすいアスリートライクな顔つきでありながら、中身はやさしく高初速・高弾道を楽に打てる構造になっているのだ。
【番外編】新搭載のネック調整機能で“距離の階段”を最適化!
最新作の「RS」FWと「RS」UTにはスリーブ調整機能が搭載されており、ロフト角やライ角の調整が可能だ。
そこで番外編として、3Wのロフトを15度から16度に寝かせて最近流行りの「HL(ハイローンチ)」仕様に、逆に5Wは18度から1度立てて17度の「ストロング」仕様に設定し、どちらがいわゆる4W(バフィ)的な役割として使いやすいか、加藤プロに検証してもらった。

3W(15度)を1度寝かせて16度に、5W(18度)を1度立たせて17度にして比較試打(撮影/三木崇徳)
まずは3Wを16度のHL設定にして試打。
「明らかに、15度のときよりも球がつかまります。そして地面からボールを拾ってくれる感じが出てくるので、自分で上げに行こうとせずにしっかりとキャリーで距離を稼げます。ロフトに応じて少しスピンも増えるので、キャリーで飛ばせる印象が強くなります。ロフトアップ、アリですね。というか個人的にはこちらをお勧めしたい。キャリーが出ることは大事なので。結果的に、15度でも16度でも、大きな飛距離差は出ないですし、それならやさしさを感じる16度設定がいいと思います」
次に5Wを1度立てた17度設定で打ってもらった。
「当然ですが18度(ノーマル)よりも球の強さが出ます。ただその分、ボールの浮き具合は少し抑えられる。5Wではあと少しの距離が足りない、という人が設定する分にはいいと思います。ただ、そうなったときに“飛距離”優先になると、どうしても強く打とうとしてしまう。そこはロフトに任せて振り感を変えない意識は持っておくべきでしょう」

加藤プロの結論としては、3Wを寝かせて16度のHL仕様にする使い方がアマチュアには特にお勧めだという。

「3Wを1度寝かせるセッティング、絶妙にいいです」(加藤プロ)
「3W、5W、7W(または4U)という構成もアリですが、FWやUTの本数が増やせないのであれば、3WのロフトをHL仕様(16度)にして、その下に7W(21度)という組み合わせもかなりオススメです」と加藤プロは語る。

新「RS」のFW&UT。その飛びと安定性は一度試してみる価値ありだ(撮影/三木崇徳)
FWやUTにおいて、自分に合った「距離の階段」を作ることはスコアメイクのための重要事項。新「RS」シリーズは、基本性能の高さに加えてスリーブ調整機能を生かすことで、より正確に飛距離のギャップを刻めるようになる。この調整機能を使い倒すことが、「RS」FW・UTを実戦の武器にするための賢いセッティング術と言えるだろう。
協力/オールデイゴルフ笹塚
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