海外女子メジャーの今季最終戦「AIG女子オープン」が、イングランドの名門ロイヤル・リザム&セントアンズGCで開幕した。「KPMG全米女子プロ選手権」と「アムンディ・エビアン選手権」を制し、今季メジャー2勝を挙げている韓国のユ・ヘランが、初日から見事なプレーを見せ5アンダーで桑木志帆と並ぶ2位発進。年間メジャー3勝という偉業に向け、絶好のスタートを切った形だ。
画像: 5アンダー2位スタートの韓国のユ・ヘラン(写真/R&A)

5アンダー2位スタートの韓国のユ・ヘラン(写真/R&A)

初日のヘランは、強風が吹き抜けるタフなコンディションのなか、安定感抜群のゴルフを展開した。このコースで選手たちを最も苦しめるのが、コース内に174個も配置された名物のポットバンカーだ。

大会前から選手たちは警戒していた。ディフェンディングチャンピオンで1オーバー37位の山下美夢有は「入れると絶対ボギーになる。入れないのが目標」と語り、世界ランキング1位で2オーバー53位と出遅れたネリー・コルダは「良いショットでも悪いバウンドで入る」とドライバー封印を想定。3オーバー75位の渋野日向子も「(バンカーとは)友達になれない」と表現するほど、一度つかまれば1罰打に等しい致命的なハザードとなっている。

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この難敵に対し、ヘランが徹底している攻略法はいたってシンプルだ。「とにかくバンカーと風だけを意識する。バンカーはないと思い込んでプレーしている」と明かす。初日はフェアウェイバンカーに3回つかまる場面もあったが、「このコースのバンカーからグリーンを狙うのは不可能」と割り切り、確実にレイアップを選択して見事にパーセーブを重ねた。無理な狙いを捨て、ハザードのペナルティを最小限に抑える冷静なマネジメントが功を奏したのである。

リンクスコースで、バンカーを制することは優勝へ直結する。2000年の全英オープンを制したタイガー・ウッズは伝説的記録を作った。タイガーはスコットランドのセントアンドリュースオールドコースで、4日間72ホールを通じて「一度もバンカーに入れない」という驚異的なプレーを貫き、19アンダーで圧勝を果たした。山下らもこの「バンカー0」の記録を意識しているように、174個の罠を完璧に回避することこそが勝利への絶対条件なのだ。

同一シーズンでのメジャー3勝という偉業がかかるヘランだが、本人は至って冷静だ。「勝利だけにフォーカスせず、あまりストレスを抱えずにゴルフを楽しみたい」と語り、気負いは全くない。強風と174個のバンカーが待ち構えるロイヤル・リザムで、ヘランが明日以降もこの徹底したリスク管理を貫き通せるか。

"メジャー女王"の真価が問われる残り3日間の戦いから目が離せない。


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