全国から問い合わせが殺到するという、知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」。クラブナビゲーターの吉田朋広氏が注目するギアを徹底検証・解説する本企画。今回は、スイスのカーボンシャフトメーカーTPTから登場した初のパターシャフト「PULSE(パルス)」を試打検証していきます。

高級カーボン「TPT」が放つ初のパターシャフト「PULSE」

スイスのカーボンシャフトメーカーTPTから初のパターシャフト「PULSE(パルス)」が発売されました。

TPTはスイスのカーボンファイバー専門企業「North Thin Ply Technology Sarl」社が手掛けるシャフトで、2018年から日本でも展開されています。

宇宙工学の人工衛星やモータースポーツ最高峰のF1に使われる最先端カーボン繊維を完全オートメーションで成形し、継ぎ目のない「スパインレス」を特徴とする高級シャフトブランドです。今回の「PULSE」も同様の製法で作られたスパインレス設計となっています。

画像: 「PULSE」(パルス)

「PULSE」(パルス)

ラインナップは「PULSE 50」「PULSE 60」「PULSE 70」の3モデル。メーカーによれば3モデルの違いはフィーリングのみで性能は同じとのことですが、実際に打ち比べてみるとどのように感じられるのでしょうか?

今回はこの「PULSE」3モデルを詳しく検証してみたいと思います。

シャフトスペック(メーカーカタログ値)
【PULSE 50】
重量:140.5グラム
トルク:0.9
シャフト振動数:352CPM
【PULSE 60】
重量:140.5グラム
トルク:0.9
シャフト振動数:390.5CPM
【PULSE 70】
重量:140.5グラム
トルク:0.9
シャフト振動数:403CPM
バランスポイント:55%
TIP径:0.370

ゆっくりとしたテークバックとストロークの方なら「PULSE 50」

メーカーからは最もソフトに感じられるモデルとアナウンスされている「PULSE 50」ですが、実際に打ってみると非常にスムーズな振り心地のシャフトだとわかります。

単体で打つ限りシャフトの大きなしなりを感じることはありませんが、インパクト時のボールのタッチはとてもソフトに感じられます。様々なテンポでパッティングしてみましたが、スパインレス製法とロートルク設計らしくヘッドが捻れる感じがなく、直進性能の高いボールの転がりが印象的です。

ロートルクながらソフトな打感を備えているので、比較的ゆっくりとしたテークバックとストロークの方に合うでしょう。ボールの転がりが良いのでパットがショートしやすい方は、インパクトのイメージを変えずに距離感が出しやすくなると思います。

硬質なタッチとフィーリングを好む方に最適な「PULSE 60」

続いて「PULSE 60」を打ってみます。「PULSE 50」の後に打つとアナウンス通りやや硬めの感覚があり、打感の僅かな違いがしっかりと手に伝わってきます。

シャフトのしなりに関しては振動数(CPM)の数値ほどの差は感じにくく、40CPM近く違うという印象は受けません。特にテークバック時のしなりの差は僅かですので、3メートルほどの短いパッティングでは違いを感じにくいと思います。これが6メートル以上の距離になってくると、しなりやインパクト時のタッチの違いがより明確に感じられるでしょう。

大きな差ではないかもしれませんが、「PULSE 50」よりもインパクトでやや硬質なタッチや打感を求める方に合うと思います。

しっかりとしたインパクトで距離を合わせるなら「PULSE 70」

最も硬いフレックスとされる「PULSE 70」ですが、どのように感じられるでしょうか? 早速打ってみましょう。

確かにテークバック時からしなりの少ない一体感のあるフィーリングですが、その差は「PULSE 50」と比較してわかる程度の僅かなもので、「PULSE 60」との明確なしなりの違いは感じにくい繊細な表現となっています。スパインレス製法とロートルク設計がもたらす、スッキリとソリッドな打感を持つモデルです。

インパクト時のタッチに「カチッ」とした硬質感があるため、ストロークの振り幅で合わせるタイプではなく、しっかりとしたインパクトで距離感やタッチを作る方に向いている印象を受けます。

パッティングは耳からの情報も非常に重要ですので、このカチッとした音で距離感を合わせやすいという方も多いと思います。金属フェースのパターヘッドと組み合わせることで、よりその効果を体感しやすいのではないでしょうか。

「PULSE」パターシャフト総評

TPT初のパターシャフト「PULSE」3モデルを打ち比べてみました。今回は同じパターヘッドに装着して試打しましたが、3モデルの違いは非常に小さく繊細なものでした。

ラウンド中最も多く使うパターはデリケートなタッチを要求され、わずかなスペックの違いが結果に大きく影響します。

「TPT PULSE」は異なるフィーリングを持つ3モデルを用意することで、パッティングに求める繊細なタッチをプレーヤー自身の感覚に合わせて選べるため、より理想的なパッティングを実現してくれると思います。

画像: スパインレス製法のロートルク設計の「TPT PULSE」

スパインレス製法のロートルク設計の「TPT PULSE」

圧倒的にスチールシャフトが多いパター市場ですが、カーボンシャフトがもたらす可能性を高い次元で実現してくれるのが、このスパインレス製法・ロートルク設計の「TPT PULSE」です。

他のカーボンパターシャフトとは一味違うフィーリングを持っていますので、装着するヘッドや使用ボールを考慮しながら3モデルを打ち比べ、ご自身が求めるパフォーマンスのモデルを選んでいただきたいと思います。

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