埼玉栄の同級生対決! 楽しむ心で制した沖田と、悔しさに燃える清水

夏のビッグタイトルである日本ジュニア選手権競技への意気込み(以下同)は「勇気を持ってドライバーで攻めたい。5位以内に入ってシードを取りたい」(沖田)、ドライバーの平均飛距離は280〜290Y
見事、通算8アンダーで優勝を飾ったのは、埼玉栄高校2年の沖田雫(おきた・しずく)さんだ。
第2ラウンドを「68」として2位につけ、首位の佐藤ミラー(さとう・みらー)さんを2打差で追う展開となった最終日。プレッシャーを感じず「同じようなスコアで上がれれば」と自然体で挑んだ沖田は、8番(パー5)で勝負に出る。「ティーショットが真っすぐ行かないとチャンスにならない。刻む人もいるけれど、勇気を持ってドライバーで打ちました」と放った一打から見事なイーグルを奪い、一気に勢いに乗った。
最終日最終組で同組となった同級生・清水と回る安心感もあり、最後まで自分らしい伸びやかなゴルフを貫いての逆転Vとなった。

「右に行ってしまうロングアイアンを修正して勝ちたい」(清水)、ドライバーの平均飛距離は300Y
一方、1打差の通算7アンダーで2位となったのは、沖田と同級生の清水悠雅(しみず・ゆうが)さんだ。
沖田と同様に「仲間といい声掛けができた」と同組でのラウンドを振り返りつつも、ホールアウト後は「めちゃめちゃ悔しいですね」と素直な闘争心をのぞかせた。
勝負どころでパットを決めきれなかったことを悔やみ、「みんなは決めるところをちゃんと決めていた。もともと得意じゃないロングアイアンも修正して、日本ジュニアで勝ちたい」と次の大舞台でのリベンジを誓った。
3位の佐藤ミラー。戦略的なマネジメントと圧巻の精度で上位をキープ

「大会が続くので体のケアをしながら、日本ジュニアに調子を合わせていきたい」(佐藤)、ドライバーの平均飛距離は300Yちょい
通算6アンダーで3位に入ったのは、佐野日大高校3年の佐藤ミラー(さとう・みらー)さんだ。
ドライバーの平均飛距離は300ヤードを超える大砲だが、今大会の鍵となったのは、あえてティーショットを刻む冷静なマネジメントだった。
「ドライバーは飛距離が出るほうですが、今回はパー5以外、250ヤードくらい飛ぶ2番アイアンで打っていました。ショットの精度に自信があるので、ドライバーで攻めなくても安全にピンに絡めることができました」
首位スタートだっただけに悔しさをにじませたが、「同組の人はみんな友達だったので、楽しく回れてよかった。雫がナイスプレーだったのでしょうがないっすね」と語り、一歳年長らしく同組の年下たちの健闘をたたえた。
海外で活躍する日本勢が刺激に! 3人が思い描く「世界」への挑戦

15~17歳の部(男子)の入賞者。左から、佐藤ミラーさん・沖田雫さん・清水悠雅さん。【本戦・3ラウンド】:裾野C→桃園C、18H・6870Y・Par72
今大会の上位3人に共通するのは、世界最高峰の舞台で活躍する日本人選手たちから受けている強い刺激だ。
優勝した沖田は、小学5年生の時に見た松山英樹のマスターズ制覇に勇気をもらい「同じ日本人があそこまでいけるなら、自分もいけるんじゃないか」と自信を口にする。
2位の清水も「昨年あたりから海外に挑む日本人が増えているし、今は目標を海外にしていかないとダメだと思う。自分も負けていられないし、そのレベルにいきたい」と力強く語る。
そして3位の佐藤はアメリカの大学進学を視野に入れ、「同年代のチャーリー・ウッズ(タイガー・ウッズの息子)と同じ舞台で戦いたい」と、英語の勉強にも励みたいと意気込みを語った。
彼らが見せた圧倒的な強さと堂々たるプレー。その秘訣は、海外に進出する日本人選手が増え、ジュニア世代の「目標」そのものが国境を越えるほど高くなっているからなのかもしれない。
今大会前には「誰が勝ってもおかしくない」と互いに語り合ったという3人。同じ高い志と世界への視座を共有しているからこそ、互いを高め合う素晴らしいライバル関係が彼らの中に育まれているのだろう。目前に迫る日本ジュニア、そしていずれ世界へ羽ばたく若き才能たちの今後の活躍が楽しみだ。
