
15~17歳の部(女子)を制したのは、赤穂未来さん(左)。最終日に「65」をマークし、4位まで追い上げたのは、プロサッカー選手を両親に持つ三浦由楽さん(右)。【本戦・3ラウンド】:裾野C→桃園C、18H・6331Y・Par72
プレッシャーを力に変える。カテゴリーを跨いで連覇した赤穂未来

「東名CCは相性がいいコース。いつも練習している兵庫カンツリー倶楽部もアップダウンが激しいので、鍛えられている。『勝てる』という思いを持って挑んでいました」(赤穂)
優勝を飾ったのは、赤穂未来(あこう・みらい)さん。昨年の同大会12~14歳の部覇者である彼女は、今年15~17歳の部にカテゴリーを上げて挑戦し、見事年代を跨いでの連覇を成し遂げた。
第2ラウンドを首位と3打差の5位で終え、「最終組に入れなくて結構悔しかった。『今日こそはパターを頑張ろう』と父と話していた」という赤穂さんは、その言葉通り悔しさを力に変えた。
前半で4バーディノーボギーと猛追。残り2ホールの時点で、首位の高木杏衣(たかぎ・あい)さんとの差を残り1打に縮めていた。このプレッシャーがかかる場面では、「後半に入ってからショットが寄らなくてバーディチャンスが少なかった。それでも最後はバーディだけを取りに、攻めに行った」と語る精神力で自らの手で勝利を引き寄せた。
中学3年生だった昨年は「日本女子オープン」に出場。「スタンレーレディスホンダ」には昨年の本大会優勝資格で出場し15位タイに入った。「今年もスタンレーレディスに出たかったので、絶対優勝したいと思っていた」と語る通り、プロの大舞台を見据える強い意志が勝利の原動力となった。
そして彼女が見据えていたのは約1週間後に迫る大舞台「日本ジュニアゴルフ選手権競技」。
「バーディをたくさん取らないとトップ10には行けない試合。試合が続くと基礎練習ができないけれど、勝負強さ、決め切る強さを持って頑張りたいです」(赤穂)
プレッシャーをも味方につけ、大舞台になればなるほど輝きを増す強気なプレーで、さらなる快進撃を見せてくれるに違いない。
17位から最終日に「65」の猛チャージ! アスリートの血を引く三浦由楽

多忙な毎日のちょっとした息抜きはカラオケだという三浦さん。「最近ハマっているのはEXILE・ATSUSHIさんの『You're my "HERO"』」。理由は「サッカー選手の中村敬斗さんがハマっているから」と乙女な一面を発見
一方、圧巻のプレーで4位に食い込んだのが三浦由楽(みうら・ゆら)さんだ。第2ラウンドを痛恨の「75」として首位とは9打差の17位からスタートした最終日。驚異の「65」をマークし怒涛の追い上げを見せた。
「昨日は3パットを4回してしまい、ロングパットのタッチが合っていなかった。今日はジャストタッチで打てるように意識した」と課題を即座に修正。「桃園Cはパー3から始まる苦手なコース。さらに昨年は17番で左のOBに曲げてしまい、10打打ってしまったトラウマがありました。でも今回で克服できたし、(最終日は)ほぼパーオンしてバーディパットをちゃんと決められた。1球1球集中してノーボギーで回れてホッとしています」と会心のラウンドを振り返った。
父はサッカー元日本代表でヴィッセル神戸の監督などを歴任した三浦淳宏氏、母は元日本代表の大竹夕魅さんというトップアスリートの血筋。昨年は国内女子ツアーに2度出場した。劣勢から爆発的なスコアを叩き出すポテンシャルと、自ら立て直す修正力を証明したラウンドとなった。
同世代の活躍にも「自分は自分」。地に足をつけて歩むヒロインたち
男子の上位陣が「ともに世界へ」と志を共有していたのに対し、女子のトップ選手たちは「自分は自分」という地に足のついたスタンスが印象的だった。
同時期に開催されていた「全米女子アマチュアゴルフ選手権」には、同世代の岩永杏奈(いわなが・あんな)さんや廣吉優梨菜(ひろよし・ゆいな)さんが出場するなど、海外で活躍する日本選手も増えている。その点について問うと、三浦さんは「本当にすごい。でも自分はまだ優勝経験もないので、他の人を意識せず少しずつ自分で頑張るしかない」と現在地を冷静に語った。 赤穂さんも「自分も海外で戦いたいので、刺激ではあります。でも周りのことはあまり意識していない。自分が出られる試合のなかで、上位を目指して頑張るだけ」と自身の現状と真摯に向き合っていた。
同世代の活躍に焦ることなく、目の前の一打に集中するブレない強さ。それこそが彼女たちをトップレベルへと押し上げる最大の武器なのだろう。

