悪天候の初日、米澤蓮と前年覇者の比嘉一貴が好発進
初日は悪天候により競技進行が大幅に遅れ、日没サスペンデッドで24組71人がホールアウトできなかった。その中でボギーなしの9アンダー63という圧倒的なロケットダッシュを見せ、暫定首位に立ったのが昨年の第1回大会で比嘉とのプレーオフに敗れて2位に終わった米澤蓮だった。この日は比嘉、藤本佳則の東北福祉大先輩たちと同組で回り、各ホールで流れる、ジャンボさんの肉声をAI生成した「名言ボイス」(4番パー3での『ホールインワンはするものだ』など)に「ホールインワンって、するものなんだ」と苦笑いしつつも「僕はジャンボさんにお会いできた経験はないが、攻め続けた強いマインドを感じる。今年も30アンダー以上出しても勝てなければしようがない。そんなつもりでいく」と攻め抜く姿勢を表に出した。
前年覇者の比嘉も2イーグル、4バーディの8アンダー64で回り、連覇へ好発進した。距離の短いパー5を完ぺきに攻略し、後半3番ではイーグルを奪取。「できすぎです。藤本先輩も非常に良いプレーをされていて、みんなで伸ばし合いができた。組に恵まれました」と笑顔で感謝した。

米澤蓮(左)比嘉一貴(右)/(撮影/姉崎正)
1ホール24イーグルの新記録!波乱の第1ラウンドを平本が牽引
2日目は朝6時33分から未消化分の第1ラウンドを再開し、午前9時15分に終了。ここで後半18番から残り10ホールを消化した平本が、10バーディ、ボギーなしの10アンダー62をマークして単独首位に躍り出た。1打差の9アンダー2位には米澤、大嶋宝、佐藤大平、長野泰雅の4人、2打差の8アンダー6位タイに比嘉ら6人が並んだ。
この第1ラウンドではツアー史上前代未聞の記録が誕生した。3番(460ヤード、パー5)において、出場144人中24人がイーグルを奪取(イーグル奪取率16.7%)。これは従来の最多17個を大幅に更新する新記録となった。第1ラウンド全体の総イーグル数も過去最多と思われる45個に達し、史上まれにみるイーグル・バーディ合戦が繰り広げられた。
だが、引き続き行われた第2ラウンドは再び雷雲接近のため午前9時53分から中断。午後1時に再開されたものの、進行は大きく遅れ、2日連続のサスペンデッドとなった。
状況が混とんとする中、暫定首位に立ったのは平本。1イーグル、8バーディ、1ボギーの63で回り、通算19アンダーまで伸ばし「リーダーボードはあまり見てはいなかった。ショットの調子がすごくよかったので、1打1打丁寧にやりました」とコメントした。
河本力が64で回り、通算15アンダーで暫定2位につけた。初日からの36ホールでボギーなしという安定ぶりで「ボギーを打っていないです。やっていることがいい方向に向かっている」と充実感をにじませた。

平本世中(左)河本力(右)/(撮影/姉崎正)
3ラウンド通算の最多アンダーパーを記録更新した平本
3日目はまず第2ラウンドの残りが行われ、順位が確定した。前日既にプレーを終えていた平本が通算19アンダーで首位。通算17アンダー2位には藤本、中野が並んだ。予選カットラインは史上最多を記録した昨年大会タイの通算8アンダーで61位タイまでの68人が決勝ラウンドに進んだ。
第2ラウンド終了後に行われた第3ラウンドは首位から出た平本が2イーグル、5バーディ、2ボギーの65で回り、3ラウンド通算の史上最多アンダーパー記録を更新する通算26アンダーまで伸ばした。14、15番は連続ボギーとしたが「ダボもあるよねというところでナイスボギー。120点のゴルフができています」と自己評価した。
連覇を目指す比嘉が通算24アンダー2位、河本力、木下稜介が通算23アンダー3位タイにつけた。

藤本佳則(左)中野麟太朗(右)/(撮影/姉崎正)
デッドヒートを制し、平本が涙の完全V
最終日は平本が安定したプレーを継続した。5番でイーグルを奪った比嘉に追いつかれたものの、6番で5メートルを沈めて抜け出すと、7、8番もバーディ。10番で再び比嘉に並ばれたが、11番のバーディで単独トップに立ち、最終18番で6メートルのバーディパットを沈めて優勝を決めた。優勝の瞬間は涙をこらえ切れなかった。
平本は4日間首位を譲らない完全優勝で、優勝スコアの通算32アンダーは最多アンダーパータイ記録。「優勝は思っていたよりうれしいです。(ジャンボさんは)圧倒的に強いイメージ。誰しも優勝目指してやっているので、ひとつでも多く重ねた結果、ジャンボさんに近づければいいなと思います」と感慨に浸った。
連覇を逃した比嘉は「勝てなかったので、いい流れではないですけど、これ以上は悪くしたくない。(今後)どんどん調子を上げていけるように準備をしたい」と目線を上げた。
3位で4日間を終えた木下は「後半バーディスタートでワンチャンあるかなと思っていたところで2ボギーやってしまった。その甘さが優勝に届かなかった」と反省点を挙げた。

通算32アンダーでプロ初優勝を飾った平本世中(撮影/姉崎正)
男子ゴルフの国内ツアー第11戦は「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」で27日に福岡県・芥屋GCで開幕する。
