
カナダ開催の「CPKC女子オープン」で米女子ツアー4勝目を挙げた山下美夢有(PHOTO/Getty Images)
さて、この「ルーキーイヤーから2年連続での2勝」という記録ですが、実は日本選手では過去に誰も達成していない日本女子ゴルフ史上に残る偉業です。
そもそも、米女子ツアーで4勝以上を挙げている選手は過去に4名しかいません。岡本綾子さん(17勝)、宮里藍さん(9勝)、小林浩美さん(4勝)。現役選手では畑岡奈紗選手(7勝)だけが4勝というハードルをクリアしています。
このうち、ルーキーイヤーからの2年間で勝利を挙げたのは以下のふたり。
【岡本綾子】1951年生まれ
1982年 出場14試合 トップ10:7回 優勝1回
1983年 出場25試合 トップ10:10回 優勝1回
【畑岡奈紗】1999年生まれ
2017年 出場19試合 トップ10:0回 優勝0回
2018年 出場24試合 トップ10:11回 優勝2回
往年のレジェンドと現役のレジェンドのすごみあふれる成績ですが、山下選手のこの2年間の活躍はそれに匹敵し、勝利数において凌駕しています。
【山下美夢有】2001年生まれ
2025年 出場25試合 トップ10:12回 優勝2回
2026年 出場17試合 トップ10:8回 優勝2回
トップ10回数、優勝回数ともに、いかに山下選手が傑出しているかがわかると思います。山下選手の2026年シーズンはまだ進行中であり、残りの試合で勝利数を積み重ねる可能性も大いにありそうです。
こうなってくると、過去に岡本綾子さんしか達成していない米女子ツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーや、宮里藍さんが達成した世界ランク1位といった大記録の達成も期待したくなってしまいます。
ただ、「世界の壁」は薄くありません。世界ランク(ロレックスランキング)でいえばトップのネリー・コルダは14.22。今回の勝利でランク5位に浮上した山下選手のポイントは6.78と2倍以上の差があります。2位のジーノ・ティティクル、3位のユ・ヘラン、4位のキム・ヒョージュとトップ5は強豪がひしめきます。
プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに目を向けると、トップはこれまたネリー・コルダで3706ポイント。山下選手は3位につけており、ポイントは2271。米女子ツアーでは通常大会の優勝で500ポイントが与えられるため、ここからランク1位になるためには最低でも3勝がマスト。もちろんその間にコルダを中心とした他の選手もポイントを積み上げることが予想されるため、壁は高く、厚いです。改めて岡本綾子さん、宮里藍さんの“すごさ”がわかりますね。
しかし、山下選手が身長150センチの小さな体で世界の最高峰まで視界にとらえているのもまた紛れもない事実。我々はいま、新たなレジェンドプレーヤーの誕生をリアルタイムで見ることができているのかもしれません。
