
今回はティーオフ直前に、練習グリーンで確認しておきたいポイントを学びます!
【3人目のクラチャン・辻垣内柾好さん】
2025年に取手桜が丘ゴルフクラブのクラチャンに輝く。職人技から生まれる高弾性と高性能がウリのカーボンシャフト製造メーカー「シンカグラファイト」を運営。吉澤柚月などの女子プロたちが同社のシャフトを実戦投入している。得意クラブは「パター」。
前回のお話はこちら⇩
えっ、そんなに緩く!?距離感を生む魔法の「ゆるゆるグリップ」

パターの距離感を掴むためには、“ゆるゆるグリップ”が必須!
ツッチーさんがパッティングで注意していることはずばり「距離感」。極端に言えばそれだけを考えているとのことで、みやびさんも「意外!」といった表情を見せていました。では、その距離感はどのように合わせているのでしょうか?
「基本的には練習グリーンで、短めの距離から打ち始めて、なんとなく速いのか、遅いのかを感じます」(辻垣内・以下同)
グリーンの速さはコースによって異なるのはもちろん、その日の気温や天候(雨や乾燥など)にも左右されるため、ラウンド前に練習グリーンでスピード感を把握しておくことが不可欠です。
ただ、アベレージゴルファーにとっては、その「速い・遅い」をどう判断すればいいのか分からないケースも多いもの。手先の力加減(インパクトの強弱)で打ってしまうと、球が伸びた理由が「グリーンの速さ」によるものなのか「自分が強く打った」からなのか判別できず、基準がブレてしまうからです。みやびさんもまさにその一人でした。
そこでツッチーさんが提示したのが、自分の中にブレない『距離感の基準(ものさし)』を作るための「グリッププレッシャー」の意識でした。
「グリッププレッシャーを強くかけないことを意識しています。強く握りすぎず、極力ゆるゆるに握って、パター自体の重さだけで振るイメージです」
“ゆるゆるの罠”に要注意!体とクラブの「一体感」が鍵

パターヘッドの重さを感じながらストロークしよう
ツッチーさんはパッティングに限らず、道具の重さに任せる感覚がとても大切だと語ります。
「手先で強さを整えようとせず、道具に任せたストロークができれば、その日のグリーンの速さに対して『この振り幅ならこれくらい転がる』という明確な基準が作れます。これなら、距離感を振り幅の大きさだけでシンプルにコントロールできるようになるんです」
インパクトの強弱で距離感を打ち分ける方法もありますが、毎日のように練習できるプロならまだしも、月に数回しかプレーできないアマチュアにとっては至難の業。いつも同じ力加減で、純粋に振り幅だけを変えて打ち分ける方法であれば、グリーンが速くなっても重くなっても「基準となる振り幅」を調整するだけで対応できます。これなら、その日のグリーン速度に惑わされず、大たたきを防ぐことができるのです。
どちらかといえばグリップをぎゅっと握ってしまっていたみやびさん。早速ゆるゆるグリップに挑戦するものの、インパクトの瞬間にどうしても力が入ってしまいます。
その理由についてツッチーさんは「振り幅が小さすぎるから」と指摘。これまでの癖で振り幅を小さくし、手先の強弱で距離感を作っていたみやびさん。大きく振る感覚が掴めていない彼女に対し、ツッチーさんは腕とクラブの一体感を持たせる重要性をアドバイスします。
「多くの方はグリップを緩めようとすると、体の軸まで緩んでブレてしまう傾向があります。みやびさんもそうですね。グリップ(手元)は緩めますが、体・腕・クラブには一体感を持たせることが大切です。体を使った動きでこれらを一体化させれば、振り子のような安定したストロークが可能になり、結果として『振り幅だけの距離感作り』がスムーズに行えるようになります」
パットは入らなくて当たり前!? 最後は「ノリと勢い」がモノを言う

ノリと勢いも大切です!
最後に、みやびさんが「ノリと勢いだけだとダメですよね?」と恐る恐る聞いてみたら、意外とツッチーさんもその考え方に賛同!
「パッティングは入らないことが普通なのに、入らないことでどんどんネガティブになってしまう。それでストロークが悪くなっていくのは、プロや上級者も同じことなんです。だからみやびさんの言うようなノリは大事。ポジティブに自分を思い込ませることって、本当に重要なことなんです」
みやびさんはツッチーさんのパッティングがあまりにも入るので、どんなパターを使っているのかにも興味津々。ツッチーさんの使用パターはテーラーメイドのスパイダー。もともとフェースを開閉させて打つタイプだったため、マレット型の中でもイン・トゥ・インの軌道で振りやすい現在のモデルがお気に入りとのこと。ツッチーさんのおかげでギアにもどんどん興味が湧いてきた様子です。
~【今回の舞台:取手桜が丘ゴルフクラブ】~
今回、辻垣内さんによるフィッティングとラウンドの舞台となったのは、茨城県取手市にある「取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)」。1991年に開場した片山康氏設計による林間コース(18H・6836Y・Par72)です。
コース最大の特長は、全体の高低差が3m以内という非常にフラットな地形。女性や初心者、シニアゴルファーでも体力の負担が少なく、乗用カートのフェアウェイ乗り入れ(※有料)も可能なため、快適にラウンドできる設計になっています。今回のような正確なキャリーの計測やスウィングチェックには最適な環境です。

アプローチ練習場やバンカー練習場もある
また、15打席(120ヤード・ドライバー使用可)のドライビングレンジに加え、実践的なアプローチやバンカー練習場も完備されており、スタート前にじっくりと調整を行える充実した練習環境も魅力の一つ。JR常磐線・藤代駅から車で約5分とアクセスも良好で、駅からの無料送迎バス(路線バス)も運行しているため、電車派のゴルファーも気軽に足を運べるコースです。
撮影/岡沢裕行

