【優勝・後藤あい】270ヤードの飛ばし屋は“理系脳”! データ活用と「ドライバーは曲がる」割り切りで掴んだ大会新

目標とするプロは宮里藍。最近JLPGAツアーにも参戦し好成績を残している。昨年のJLPGA公認ドラコン大会では穴井詩や神谷そらなどの“飛ばし屋”を抑えて277.8ヤードを叩き出して優勝した
日本ジュニアで見つけた注目選手たちの中から、高校女子の部のトップ3(3位タイ含む4名)を紹介しよう。
優勝した後藤あい(松蔭高3年)。男子の長﨑大星と同じく“完全優勝”で、通算21アンダー・3日間ノーボギーの大会新記録での勝利だった。
幼少期に水泳、ソフトボール、サッカーなどを経験、球技が大好きで、運動神経はいかにも良さそうだ。感覚的な表現だけに頼るのが苦手で、弾道測定器などを使いコーチに「何が悪いのか」を明確な数値で示してもらうことで納得しながら上達してきた。コーチも「思い切り振りちぎる」彼女の長所を一切否定せずに伸ばしたという。ドライバーは「真っすぐいくもの」だと思うことをやめ、「曲がるもの」とポジティブに割り切ることで自分を苦しめていたプレッシャーから解放された。プロからも「飛ぶのだから曲がっても仕方ない」と言ってもらい、アプローチやパター、高麗芝への対応、コースマネジメントなどを直接教えてもらい、弱点だったショートゲームが劇的に向上した。

男子顔負けのインパクトで豪快に飛ばす
憧れのプロはローリー・マキロイ。圧倒的な飛距離と完璧なショートゲームを兼ね備えているし、スウィングが似ていると言われることも好きな理由だ。得意クラブはもちろんドライバー。自分のスタイルを支える主役クラブであり、平均260~270ヤードを誇る最大の武器。股関節よりも胸椎周りの柔軟性が高く、ここを柔らかく速く回せることが飛ぶ理由だという。今年からノーマルドライバーに加え、クアンタムのミニドライバーもセットし“二刀流”で狭い難コースを確実に攻略するようになった。
アイドルや音楽には一切興味がないと聞くとストイックに感じるが、普段、友だちといるときはテンション高めにもなる。試合で頑張ったご褒美に、友だちと行くしゃぶしゃぶ食べ放題や、遠征先でジンギスカンなどの地元の名物を食べることが最高のリフレッシュ法で楽しみだと高校生らしい素顔ものぞく。今年の目標だった日本ジュニアでの優勝は見事ゲットした。9月の「アジア競技大会」も雰囲気を楽しみながらよい経験にしたいと考えている。夢はプロテストに合格し、ツアーで成長していくこと。クレバーな頭脳を持つ大器は、どこまでも“先へ”行きそうだ。
【2位・近重怜奈】競泳で培った体幹と「下半身強化トレ」で急成長! 15歳の神童が感じるゴルフの奥深さ
埼玉栄高1年の近重怜奈(写真右、オレンジのウェア)
2位は、近重怜奈(埼玉栄高1年)。家族で行ったグアムでの初ラウンドの1番ホールでいきなりバーディを奪うという奇跡を体験し、「ゴルフ、めちゃ面白いじゃん!」と一瞬で魅了された。
始めて2年で70台をマークした神童。9歳までは水泳をしていた。もともとはアーティスティックスイミング(シンクロ)をやりたかったが体の硬さで断念。しかし、競泳選手として見出され、関東大会で優勝し全国大会への出場も決まっていたほどだった。この水泳で鍛え上げた肩甲骨周りの驚異的な柔らかさと強靭な体幹が、ブレのないしなやかなスウィングに生かされている。
また、バタ足が苦手で、「下半身が幼稚園児並みに弱かった」ことをスウィングでも自覚したため、昨年冬から下半身をメインにした本格的な筋力トレーニングを開始。これが劇的なショットの安定と飛距離アップにつながった。
好きなプロは吉田優利。フランスでのエビアンジュニアカップ出場時に話をして、その後、吉田が主催したジュニアイベントでも優しく会話をしてくれた。岩井千怜も好きで、中2の冬に出場したプロの試合で緊張していたら「プロでもミスはあるんだから」と優しく温かい言葉をかけてくれた。

トップの位置が深く大きくなりすぎるクセがあったためコンパクトに抑えるよう修正。ショットがまとまるようになった
ウッド系には絶大な信頼を持っており、コースレイアウト、2オンを狙うかどうかなど状況に合わせて、3W、5W、7W、9W、6Uなどを緻密に組み替える。
ゴルフの予測不可能なゲーム性に最大の魅力を感じており、「水泳は自分が頑張れば頑張った分だけタイムが縮まるけれど、ゴルフは『完璧にいけた』と思っても、風や芝などの影響で結果に直結するとは限らない。だからこそすごく深くて、ゲームとして水泳よりずっと面白い」。また、いろいろな国、年代の人たちと仲良くなれることもとても楽しいと感じるという。
夢はプロゴルファーになり、オリンピックや世界のメジャーで優勝すること。単に勝つだけではなく、ギャラリーから「見ていて楽しい、面白い」と言ってもらえるような魅力的なプレーヤーになること。
質問にハキハキ答える超ポジティブキャラ。「めちゃめちゃ緊張するタイプ」と言いながら、大舞台でこそ常に何かを吸収しようとする貪欲さもある。まだ高校1年。ここからまた歩みを加速していく。
【3位タイ・福田美来】肉体改造と「飛ばし特化トレ」でショットが劇的進化! 先輩・古江彩佳を追う元気印

パーソナルジムに通い始め、肉体改造と体幹トレーニングを実施し飛距離アップに成功
3位タイに入った福田美来(滝川第二高2年)。パーソナルジムに通い始め、肉体改造と体幹トレーニングを実施。特に、クラブの切り返しからインパクトまでの動きのスピードを一気に引き上げる“飛ばし特化型トレーニング”を積み上げたことで、ドライバーの飛距離がアップし、ショットの精度が劇的に向上した。
高校の偉大な先輩、古江彩佳はもっとも理想とするプロ。すごく飛距離があるわけではないけれど、2打目を確実にピンに絡めていくプレースタイルが自分と似ていると感じている。得意クラブは9番アイアン。普段からもっとも多く練習を重ねるクラブ。基礎スウィングを固め、確認するためにいつも使う、思い入れの深い愛用クラブだ。
ゴルフは、練習すればするほど、その努力がきちんと結果(スコア)としてついてくるし、それで最高に達成感を得られるところに最大の魅力がある。今年の一番の目標、緑の甲子園での団体戦優勝は見事達成。友達や家族からは、「元気キャラ」と言われるという。このまま真っすぐ、伸びしろは大きい。
【3位タイ・廣吉優梨菜】「ピンをデッドに狙う」正確無比なアイアンショット! 賢さと愛されキャラで狙う頂点
切れのあるプレーはもちろん、明るいキャラクターにも注目したい
同じく3位タイに入った廣吉優梨菜(福岡第一高2年)。父が提示する課題をひとつずつコツコツとクリアし続けたことが成長の土台。中2からはコーチに師事。単なるショット技術だけではなく、「正しい状況判断」や「傾斜を使ってピンに寄せるアプローチ技術」など、スコアをまとめる賢さを磨いた。
目標とするプロは吉田優利。得意クラブはアイアン。自分の最大の武器が「ピンをデッドに狙っていける正確なアイアンショット」だと考えているからだ。15歳のとき、日本女子オープンで3位(ローアマチュア)となった。ここから、「いつかは日本女子オープンで優勝する」ことが大きな夢となった。
このときの表彰式では「(優勝争いしている)実感が全然ないまま、途中からは堀琴音プロをずっと応援していました(笑)」と話し、ギャラリーを大爆笑させた。こういった天然・愛されキャラも、トップスターになる資質だ。
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