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テーラーメイド“ボール”開発担当者に直撃!「TP5 / TP5x」の5層構造の真実と製造の裏側に迫る #ボール #テーラーメイド
youtu.be【Question 1】
「TP5」シリーズへのスイッチを促す最大の決定打とは?

ジョシュ・ダイパート(Josh Dipert)
プロダクト ディベロップメント シニアディレクター(ボール)
(撮影/田邉安啓)

マイク・フォックス(Mike Fox)
シニアプロダクトディレクター
(撮影/田邉安啓)
テーラーメイドのゴルフボール事業は、日本を含む世界市場で急成長を続けている。その最大の原動力について、マイク・フォックス氏は語る。
「最大の要因は、世界最高峰のプレーヤーたちから受ける絶大な影響力です。ローリー・マキロイやネリー・コルダ、中島啓太選手をはじめとするトップアスリートが性能を証明することで、上級者からアベレージまで『あのボールを試さなければ』と注目し始めるのです」

「TP5」ボールでマスターズ連覇を成し遂げたローリー・マキロイ
「ティーショットでの飛距離性能と、グリーン周りでの驚異的なスピンパフォーマンスの両立。これこそが『TP5/TP5x』が提供する真の価値です」
ジョシュ・ダイパート氏も頷く。
「私たちは徹底的な『パフォーマンス重視』の企業です。会議室の壁には『世界最高のパフォーマンス ゴルフブランドを目指す』と掲げられており、性能こそが私たちの真の指針なのです」

中島啓太も「TP5」でPGAツアーを戦う
【Question 2】
R&D開発プロセス——各分野のスペシャリストの連携は?
ボール開発のプロセスは緻密かつ長期的だ。テーラーメイドでは常に「4年先の技術ロードマップ」に基づいて先行研究が行われており、店頭に並ぶボールは最低でも4年の歳月をかけて作られている。その設計を支えるのが以下の3領域だ。

ボールのエンジン部分になるコアについて説明するダイパート氏(撮影/田邉安啓)
素材科学:化学者や材料エンジニアが、コアやカバーに用いられるポリマーやゴムの配合を研究。
空力設計:ディンプル形状や配置など、空気抵抗を極限まで減らし理想の弾道を生み出す。
機械工学:ボールがドライバーやウェッジの溝と衝突した瞬間の物理現象・相互作用を解析。
「これら3分野の知見を統合し、新ディンプル形状、新素材、新構造を融合させて相乗効果を生む組み合わせを探し出すプロセスこそが鍵となります」(ダイパート氏)
試作品は「ザ・キングダム」での屋外レーダーテストや施設内実験、ツアープロによるテストを経て真の性能が検証されていく。
【Question 3】
「5層構造」だけがもたらす圧倒的メリットとは?
多くのツアーボールにおいて、ゴルファーは常に性能のトレードオフ(妥協)を強いられてきた。「ウェッジで高スピンがかかるボールはドライバーでもスピン量が増えて飛距離を損なう」「ドライバーで低スピンなボールはアプローチでスピンが解ける」のが従来の常識だった。このジレンマを打ち破ったのが、TP5シリーズのアイデンティティでもある「5層構造」だ。

5層構造は2010年の「PENTA TP」から始まり、2026年の新「TP5」シリーズ(写真)までブレずに続いている(撮影/三木崇徳)
「5層構造は、一切の妥協がない『最も完成されたツアーボール』を可能にしました。ドライバーでは低スピンで飛距離が出せて、同時にグリーン周りでは大きなスピン量を確保できます」(フォックス氏)
ダイパート氏は5層構造の技術的アドバンテージをこう解説する。
「5つの層によって選択肢が増え、各層の素材・厚み・配置まで変更できるため開発の自由度が広がります。これにより『しっかりした打感で初速が速く低スピン』といった高度な設計が可能になります」
最新の「TP5」はコア大型化により初速性能が大幅向上し、「TP5x」に迫るスピードを獲得。一方の「TP5x」は極薄ウレタンカバーとやや厚めのマントル層により、さらなる高初速を実現している。
【Question 4】
「5層構造は精度高く作るのは難しいのでは?」という指摘にどう反論する?
一般的に「多層構造になればなるほど製造精度を保つのは難しいのでは?」という疑問が持たれがちだ。しかし、ダイパート氏はこの指摘に明確に反論する。

コアやマントル(中間層)、そしてカバーの、厚みや素材の配合を変え、5層構造のメリットをフルに引き出しているTP5(左)とTP5x(右)。全数検査をし、5層構造ならではの精度の高さにも開発陣は自信を見せる(撮影/田邉安啓)
「5層構造こそがブレを減らし、より高い精度を生み出す方法なのです。私たちの手法では各層の素材は完全に独立しており、投入前にすべての素材品質をテストします。成形時は少し大きめに作ってから精密に削り出していくため、各層の厚みは毎回完璧に揃い、かつ100%全数検査を行っています」
【Question 5】
ビジュアルテクノロジー「Pix」に込められた科学的効果とは?

最先端のビジュアルテクノロジーを搭載した最新「Pix」
近年大きなトレンドとなっているのが、ボール表面にデザインやラインが施された「ビジュアルテクノロジー」だ。テーラーメイドはこのカテゴリーのパイオニアである。
「ビジュアルテクノロジーは『視認性』『アライメント』『個性の表現』の3要素の融合から生まれました。トミー・フリートウッドとともにブラッシュアップした『Pix2.0』は、パッティング時の転がりの確認やターゲットラインの合わせやすさを飛躍的に向上させました」(フォックス氏)

ビジュアルテクノロジーを定着させた2020年発売の「Pix 2.0」
この技術は確固たる科学的検証に基づいている。
「『ツアーレスポンス ストライプ』の開発では倉庫内にパッティンググリーンを建設し、レーザーを用いて多くのテスターのカップへの狙いのズレを測定しました。最も効果的にカップへ合わせられるデザインを追求した結果生まれた製品なのです」(ダイパート氏)

日本市場で爆発的にヒットし、品薄状態にもなった「ツアーレスポンス ストライプ」(撮影/増田保雄)
「最高のパフォーマンスと洗練されたスタイルを融合したプロダクトこそが真に成功するゴルフギアであり、ゴルファーのスコアアップに貢献することこそが私たちの使命です」(フォックス氏)
米国本社R&D、そしてザ・キングダムで行われている開発と検証。それらはすべてゴルファーのパフォーマンス向上のために捧げられているのだ。
(次回後編へ続く:1ミクロンの空力革命と、「ザ・キングダム」で行われるロボット検証の全貌に迫る)
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