福岡県の玄海ゴルフクラブ(6875ヤード・パー71)で開幕した「日本シニアオープンゴルフ選手権」の第1ラウンド。この日は、熾烈なスコア争いと、シニアの象徴であるレジェンドたちの大偉業が同時多発的に生まれた、歴史に残る一日となった。 リーダーボードの頂点に立ったのは、「65(6アンダー)」のビッグスコアを叩き出した宮本勝昌、岩本高志、中山正芳の3名。さらに後方では、往年の名選手たちが観客の胸を打つ大記録を相次いで樹立した。

対照的な首位2人:「平常心」の宮本と「有言実行」の岩本

画像: 「平常心」の宮本勝昌(左)と「有言実行」の岩本高志(右)

「平常心」の宮本勝昌(左)と「有言実行」の岩本高志(右)

首位に並んだ宮本勝昌と岩本高志だが、2人がコースに挑んだメンタル戦略は見事なまでに対照的だった。

前週のシニアツアーで優勝を飾り、最高の状態で今大会を迎えた宮本。しかしラウンド後の彼は「ショットは良くなかった」と冷静に自己分析する。「大ケガにならないように、コースマネジメントとセルフコントロールはうまくできた」と語るように、不調な中でもスコアをまとめる熟練の技が光った。日本シニアオープンという大舞台に対し、「毎年優勝したい気持ちが強すぎて空回りしていたので、今年は『平常心』で臨んでいる」というマインドが、首位発進という最高の結果を生んだ。

一方の岩本は、午前に宮本が出した「65」というスコアを追いかける形で午後組からスタートした。ノーボギーの完璧なゴルフで首位に並んだ岩本は、「自分にプレッシャーをかけるつもりで『ずっと優勝したい』と言い続けてきた」と明かす。宮本の「平常心」とは真逆の、自らを鼓舞する「有言実行」の強い意志が、彼をトップタイへと押し上げたのだ。

71歳同日達成! 倉本昌弘&室田淳のダブル・エージシュート

首位争いの熱気とともに、この日の玄海ゴルフクラブを沸かせたのは、シニアオープン最大の醍醐味である「エージシュート(年齢以下のスコアでラウンドすること)」の達成だった。それも、日本ゴルフ界を牽引してきた2人のレジェンドによる「同日達成」という奇跡的な快挙である。

1955年9月9日生まれ、現在71歳の倉本昌弘は、4バーディ・2ボギーの「69(2アンダー)」で回り、17位タイという好位置につけた。彼にとって本大会では2度目となるエージシュート達成だ。

さらに、倉本と同じ1955年生まれ(7月26日生)で71歳の室田淳も、4バーディ・4ボギーの「71(イーブンパー)」で43位タイに入り、シニアオープンでの初エージシュートを達成した。

同じ時代を戦い抜いてきた71歳のレジェンド2人が、日本最高峰のナショナルオープンという極限のセッティング下で、同日に年齢以下のスコアをマークする。生涯現役を貫くプロゴルファーの誇りの証明と言えるだろう。

76歳・髙橋勝成が刻んだ最年長記録とシニアの魅力

偉業はこれだけではない。今大会に出場している髙橋勝成は、この日「76歳43日」を迎え、日本シニアオープンの「大会最年長出場記録」を見事に更新した。

優勝を争う50代の若きシニアたち(宮本、岩本、中山ら)と、年齢という限界に挑み続ける70代のレジェンドたち(倉本、室田、髙橋)が同じフィールドで腕を競い合う。若手の見本となるベテランの技と、ゴルフというスポーツの生涯現役の素晴らしさが融合する場所。それこそが、日本シニアオープンの最大の魅力である。

熱気と感動に包まれた初日。明日以降も、玄海ゴルフクラブから目が離せない。

写真/大会提供


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