対照的な首位2人:「平常心」の宮本と「有言実行」の岩本

「平常心」の宮本勝昌(左)と「有言実行」の岩本高志(右)
首位に並んだ宮本勝昌と岩本高志だが、2人がコースに挑んだメンタル戦略は見事なまでに対照的だった。
前週のシニアツアーで優勝を飾り、最高の状態で今大会を迎えた宮本。しかしラウンド後の彼は「ショットは良くなかった」と冷静に自己分析する。「大ケガにならないように、コースマネジメントとセルフコントロールはうまくできた」と語るように、不調な中でもスコアをまとめる熟練の技が光った。日本シニアオープンという大舞台に対し、「毎年優勝したい気持ちが強すぎて空回りしていたので、今年は『平常心』で臨んでいる」というマインドが、首位発進という最高の結果を生んだ。
一方の岩本は、午前に宮本が出した「65」というスコアを追いかける形で午後組からスタートした。ノーボギーの完璧なゴルフで首位に並んだ岩本は、「自分にプレッシャーをかけるつもりで『ずっと優勝したい』と言い続けてきた」と明かす。宮本の「平常心」とは真逆の、自らを鼓舞する「有言実行」の強い意志が、彼をトップタイへと押し上げたのだ。
71歳同日達成! 倉本昌弘&室田淳のダブル・エージシュート
首位争いの熱気とともに、この日の玄海ゴルフクラブを沸かせたのは、シニアオープン最大の醍醐味である「エージシュート(年齢以下のスコアでラウンドすること)」の達成だった。それも、日本ゴルフ界を牽引してきた2人のレジェンドによる「同日達成」という奇跡的な快挙である。
1955年9月9日生まれ、現在71歳の倉本昌弘は、4バーディ・2ボギーの「69(2アンダー)」で回り、17位タイという好位置につけた。彼にとって本大会では2度目となるエージシュート達成だ。
さらに、倉本と同じ1955年生まれ(7月26日生)で71歳の室田淳も、4バーディ・4ボギーの「71(イーブンパー)」で43位タイに入り、シニアオープンでの初エージシュートを達成した。
同じ時代を戦い抜いてきた71歳のレジェンド2人が、日本最高峰のナショナルオープンという極限のセッティング下で、同日に年齢以下のスコアをマークする。生涯現役を貫くプロゴルファーの誇りの証明と言えるだろう。
76歳・髙橋勝成が刻んだ最年長記録とシニアの魅力
偉業はこれだけではない。今大会に出場している髙橋勝成は、この日「76歳43日」を迎え、日本シニアオープンの「大会最年長出場記録」を見事に更新した。
優勝を争う50代の若きシニアたち(宮本、岩本、中山ら)と、年齢という限界に挑み続ける70代のレジェンドたち(倉本、室田、髙橋)が同じフィールドで腕を競い合う。若手の見本となるベテランの技と、ゴルフというスポーツの生涯現役の素晴らしさが融合する場所。それこそが、日本シニアオープンの最大の魅力である。
熱気と感動に包まれた初日。明日以降も、玄海ゴルフクラブから目が離せない。
写真/大会提供
