ベント部分を残してカーボンシャフトを接合するハイブリッド構造
GD 今日の作業はパターの「リシャフト」ですが、なんですか? この不思議な形状のシャフトは。先端が加工されていますね。
今井 これはUSTマミヤのパター専用シャフト「ALL IN(オールイン)」です。「ストレート」、「オーバーホーゼル」、そして今回使用するベントネック用の「レトロフィット」の3タイプがラインナップされていて、「レトロフィット」は純正シャフトのベント(曲がり)部分をそのまま活かして接合できるアイテムです。
外径9.4ミリの位置で元のシャフトをカットして、カーボンボディと結合することでハイブリッド構造のパターに仕上がります。
GD スチールとカーボンのハイブリッド構造にすることで、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
今井 最大の利点は、「超低トルク化によるフェース向きの安定」と「カーボンならではのマイルドな打感」です。高剛性カーボンによってシャフト自体のトルク(ねじれ)を極限まで抑え込んでいるため、オフセンターヒット時でもフェースが開閉しにくく、狙ったラインへ正確にボールを送り出せます。
また、カット前重量が約90gと軽量設計になっているため、スチール単体時よりもスムーズなストロークを感じる人もいると思います。
GD 軽量複合シャフトというとオデッセイの「ストロークラボ」が有名ですが、考え方は近いのですか?
今井 「ストロークラボ」は、シャフトを約75gまで軽量化して余剰重量をヘッドとグリップエンドに振り分ける「カウンターバランス」によって、ストロークのテンポと軌道の安定を高めるのが一番の狙いです。
対して「オールイン」は、重量配分による効果も活かしつつ、高剛性カーボンによるインパクト時のフェースのねじれ抑制と打感のフィーリング向上に主眼を置いている点が異なります。
ストロークテンポを整えるのが「ストロークラボ」なら、インパクトのブレを物理的に抑え込んでコントロール性を極めるのが「オールイン」と言えるでしょう。

スチールの部分をどれぐらい残すか? 今回は同じコンポジット構造のオデッセイ「ストロークラボ」を参考にしました
GD 外径9.4ミリのカット位置はベントの終わりから最初のステップまでと幅がありましたが、切る場所で性能は変わるのでしょうか?
今井 多少変わると思います。スチール部分を長く残せば硬質な手応えが残り、カーボン部分を伸ばせば超低トルク特性とマイルドな打感が強く出ます。
ただ、実際のフィーリングは正直組み上げてみないとわかりません。そのため今回は「ストロークラボ」のセッティングを参考にしつつ、先端から150ミリの位置で接合することにしました。

元のシャフトを外径9.4ミリの部分でカットし、USTマミヤ「オールイン」を結合。スチールとカーボンのコンポジットシャフトのパターにします
GD どんなパターになるのか楽しみですね。
今井 今回持ち込まれたのはオデッセイの「テロンΣ」ですが、伺うと同じパターを3本所有されており、長さやグリップなどを変えながら「究極のテロンΣ」を探し求めている自称「テロンマニア」なんだそうです。
GD パターを研究のテーマにして自分に合うものに仕上げる。面白そうなので、ぜひ真似したいと思います。
今井 今回は長さを34.5インチに設定し、グリップにはイオミックの「Iクラシック(ミッド)」を装着し、総重量は529グラムになりました。純正スチール(34インチ)よりも全体の重量が約20グラム軽くなったことで、スムーズにヘッドが動く、直進性の高い1本に仕上がったと思います。

グリップはイオミック「Iクラシック」のミッドサイズを装着。エッジの利いた握り心地は「ブレないパター」にマッチしています
GD 2013年発売の「テロンΣ」に、最新のカーボンテクノロジーを搭載したという感じですが、このシャフトちょっと太くないですか?
今井 手元部分にかけて太くなっていく構造です。その影響もあると思いますが、オートマチック感が増したと思います。
実際に打ってみると非常にスムーズな転がりで、スチールシャフト特有の硬い振動や雑味が手に伝わらなくなりました。ボールがフェースに一瞬吸い付くようなニュアンスが出るのは、「オールイン」の振動減衰性の効果でしょう。
少し芯を外してヒットしてもフェースがねじれないので、距離感と方向性のバラつきが抑えられていると思います。
GD 愛着のあるパターを最新テクノロジーでアップデートする。まさにリシャフトの真骨頂ですね。結合部分もきれいに仕上がるようになっているので、取ってつけたような雑な感じはまったくありません。最初からこうだったと言われたら、そう見える仕上がりです。
今井 今回はスチール部を150ミリ残して高剛性カーボンと繋ぎ合わせましたが、結果的には非常にバランスが良いパターに組み上がったと思います。
「昔のヘッドの打感や顔が好きだけど、最近のハイテクパターに比べるとミスへの寛容性が物足りない」と感じているゴルファーは多いはずです。シャフトを替えることで、最新のブレない低トルクパターへ昇華させることができます。

接合部分に段差は生じますが、非常にきれいな仕上がりで、取ってつけたようなカスタム感はありません
GD 今回は依頼者がシャフトを持ち込まれましたが、ツアークオリティのクラブ工房(ゴルファーズラウンジby tantanto.)では、そのような依頼にも対応してもらえるのですか。
今井 はい。持ち込まれるアイテムの状態にもよりますが、できる限り対応させていただきますので、お気軽にご相談いただければと思います。
【ツアークオリティのクラブ工房からのお知らせ】
東京・赤坂の「ツアークオリティのクラブ工房(ゴルファーズラウンジ by tantanto.)」では、ウェイト調整などの軽微な作業から他店で断られた特殊加工、本格的なリシャフトまで幅広く対応しています。「工房は敷居が高い…」と感じている方も、ぜひお気軽にお越しください!
【ウェッジ1本から大歓迎!「リシャフト&調整」キャンペーン実施中】
・料金:6,000円〜(1本・税込)
※組み直し作業、長さ・ライ角・ロフト・バランスなどの各種調整込み。
※グリップ代別途(再利用可能な場合は無料対応)。
選定シャフトにより料金が異なる場合があります。
【フィッティング料金】
・料金:5,000円(40分・税込)
※キャンペーンご利用者限定の特別料金。
※フィッティング後にシャフトを発注するため、作業は別日となります。
【工房へのアクセス・ご利用方法】
・所在地:東京都港区赤坂2-13-18 コリンズ33 B1F(バーディ赤坂24内)
※「作業立ち合い」をご希望の方は事前予約をお願いいたします。
※全国からの郵送(送料別)でのご依頼も承っております。
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