首位・宮本勝昌の苦闘:「2時間半ナイスショットゼロ」からの猛スパート

14~17番で4連続バーディを奪い、首位をしっかりキープした宮本勝昌
第2ラウンドを「67」でまとめ、初日からの首位をがっちりとキープした宮本勝昌。圧倒的な強さを誇るシニアのトッププロだが、会見で口を開いた彼の表情は意外なほど険しかった。
「うまく行かない時間帯が2時間半ぐらいあったかな。6番から13番ぐらいまで、ずっとナイスショットがゼロでした。やっぱり苦しいですよね」
朝の練習場では絶好調だった感覚が、本番で突如として狂い始める恐怖。宮本は「切り替えられなかった。ずっと探し(試行錯誤)ながらやっていました」と、大乱調に陥った生々しい苦悩を吐露した。
しかし、ここからが「横綱」の凄みである。全く思い通りにいかない2時間半もの苦しい時間帯を、宮本はなんと1ボギーのみで耐え凌ぐと、14番から17番にかけて圧巻の4連続バーディを強烈に叩き込んで見せた。
「めちゃくちゃ慌ててますけど、慌ててないようなフリをするのがシニア(笑)。慌ててないように見えるでしょ? めっちゃくちゃ慌ててますから」
自虐を交えて笑いを誘った宮本だが、極度のプレッシャーと恐怖の中で崩れず、チャンスで一気にスパートをかける「マネジメント力」こそが、経験に裏打ちされたトッププロのメンタルコントロールの極致である。
難コース・玄海GCの罠と追う2位・すし石垣の余裕

庭のような玄海GCでスコアを伸ばすすし石垣
第2ラウンドの平均ストロークは「72.208」と全体でオーバーパー(+1.208)を記録し、グリーンスピード(スティンプメーター)も初日の10 3/4フィートから「11フィート」へとさらに高速化。タフさを増した難コースで上位陣がしのぎを削る中、首位の宮本を2打差で追うすし石垣の会見は、終始笑い声に包まれた軽快なものだった。
ティーショットが曲がる課題を抱えながらも、「今日もいい日でした。毎日いい日です」と笑い飛ばす余裕を見せる。
実はすし石垣にとって、この玄海ゴルフクラブは庭のような存在だ。「このコースはメンバーさんに本当にお世話になっていて、30回ぐらい回っているんじゃないですかね」という圧倒的なコースの熟知度がある。ラウンド中も「あのおっちゃんだったら、これ(パットを)入れてくるだろうな」とメンバーの顔を思い浮かべながら、リラックスしてプレーを楽しんでいたという。
極め付きは、最終18番での15メートル近いスライスラインのバーディパットだ。
「思いのほか見えなくて……目をつぶって打ったら入りました(笑)。全然見えなかった。びっくりした」
さらに、福岡名物の「資さんうどん」で肉うどんをすすり、デザートのおはぎをお土産に持ち帰るなど、地元グルメでしっかりと英気を養うユニークな裏話も披露し、会場を和ませた。
横綱 vs ゴルフ侍、予測不能な週末の戦い

すし石垣(左)はゴルフ侍の気持ちで横綱の宮本勝昌(右)に挑む
圧倒的な実績と経験で重圧に耐えながら首位を守る「横綱」宮本勝昌。その背中を追うすし石垣は、宮本との直接対決に向けてこう挑戦状を叩きつけた。
「(テレビ番組の)“ゴルフ侍”の気持ちで行こうかなと(笑)。宮本さんに挑戦する……まあ、どんだけできるか。自分がナイスプレーをして、少しでも縮まったりできればいいかなと思います」
大乱調の恐怖と戦いながらも、圧巻の集中力で首位の座を譲らない宮本。コースを知り尽くし、「目つぶりパット」や「資さんうどんパワー」で猛追する挑戦者・すし石垣。
苦闘する横綱か、それとも飄々と挑むゴルフ侍か。それとも追撃陣の逆転劇か。激突する週末の玄海ゴルフクラブで、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。シニアオープンの頂上決戦から目が離せない。
写真/大会提供
