曇り空の下、気温27.3℃というコンディションで行われた「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」第2ラウンド。ディフェンディングチャンピオンの神谷そらが「70」でスコアをまとめ、通算8アンダーで単独首位の座を力強くキープした。スコアカードの上では安定しているように見えるが、この日のラウンドは決して順風満帆ではなかった。前半は3番(パー5)、さらに15ヤード距離が伸びた6番(パー3)でボギーが先行する、もどかしく苦しい立ち上がりだったのだ。

「スパイク跡」の不運とキャディとの対話

前半の不調について、ラウンド後のインタビューで神谷は素直な心境を明かした。

「パッティングのミスが多かったんですけど、スタートが遅かったので、スパイク跡だったり、アンラッキーもあって、苦しい時間が続いていました」

この日のグリーンの速さ(スティンプメーター)は初日の9 1/3から9 2/3へと加速。前日の雨を含んでやや柔らかくなった午後のグリーンにはスパイク跡が残りやすく、神谷にとってはコントロール不可能な不運が重なる時間帯となった。

同組の初日首位・入谷響(2R「81」で通算+2へ後退)や河本結(2R「77」で通算Eへ後退)が難化するコースとプレッシャーに飲まれてスコアを崩していく中、神谷は見事なメンタルシフトを見せる。

「キャディの齋藤優希さんと『これ(アンラッキー)を受け入れよう』と話してから、少しずつ良くなったかなと思います」

苛立ちを抑えつけるのではなく、不運な現状をそのまま受け入れる。キャディとの対話を通じて心境を切り替えたことが、彼女のゴルフを本来の軌道へと引き戻した。

ストロークへの集中と199ヤード・16番パー3で見せた圧倒的ショット力

「フィーリングとしてはよかったので、自分のストロークに集中しようと決めました」

不運に意識を奪われるのをやめ、自分がコントロールできるストロークのみに集中する。その効果は後半に入るとすぐに結果として表れた。

前半の鬱憤を晴らすかのように、12番、13番で連続バーディを奪うと、15番(パー5)でも確実にバーディを追加。見事なバウンスバックで、一気にスコアをアンダーパー領域へと引き上げてみせた。

ショットの復調も完璧だった。とりわけ圧巻だったのが、初日の192ヤードから199ヤードへと距離が伸ばされた難関の16番(パー3)だ。200ヤード近い長距離パー3において、平均252.35ヤード(ツアー4位)を誇る神谷が放ったショットはピンそばをキャッチ。本人も「今日一番よかったショット」と自賛する一打で、持ち前の圧倒的なスケール感を証明してみせた。

雨予報の最終日へ、揺るがない決意と豪華追撃陣

画像: “無心のプレー”で単独首位をキープした神谷そら

“無心のプレー”で単独首位をキープした神谷そら

「前半終わった段階では(大会連覇は)全く考えていなくて。前半は前半、後半は後半として、目標に向かってやった結果、トップで終わることができました」

結果を意識しない“無心のプレー”が、結果的に単独首位死守へとつながった。

すぐ後ろの1打差2位タイ(通算7アンダー)には、今季メルセデス・ランキング2位の佐久間朱莉や「67」を叩き出した山城奈々が肉薄。さらに2打差4位タイ(通算6アンダー)には、本日ベストスコアタイ「65」をマークしたベテラン藤田さいきや、昨年ステップ・アップ・ツアーで同日優勝を果たした大親友の吉澤柚月、笠りつ子らがひしめき合っている。

明日の最終日は雨予報となっているが、神谷の決意にブレはない。

「やるべきことは変わらないと思うので、しっかり自分のプレーに集中して、1ホール1ホール全力でやりたいなと思います」

不運を受け入れ、己のプレーに集中し切る強さを見せた神谷そら。豪華な追撃陣を従え、大会連覇という偉業達成に向けた準備は完全に整っている。

写真/大澤進二


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