敗因は冴えなかったグリーン上
なぜ、あと一歩で優勝に手が届かなかったのか。ラウンド後のインタビューで、マキロイは自身のプレーを極めて冷静に分析している。
「ボールストライキング(ショット)は、今週の中で今日が一番良かった。ゲームが向かっている方向には勇気づけられているよ」と語った通り、最終日のパーオン率は77.8%(18ホール中14ホール成功)を記録し、ショットの精度には確かな手応えを感じていた。
しかし、勝負を分けたのはグリーン上だった。初日は「24パット」と冴え渡っていたパッティングだが、最終日は「27パット」を要することとなった。「今週はほとんどの部分でパットは悪くなかったんだけど、週末、少なくとも今日はパットを多く外してしまった。あのパットのいくつかを取り戻したいね」と、チャンスを決めきれなかった悔しさを率直な言葉で表現した。
勝負を分けたサンデーバックナインの攻防
最終日のサンデーバックナイン。マキロイの頭の中には、逆転優勝へ向けた明確なシナリオが描かれていた。14番ホールを終えてスコアを14アンダーとした際、彼はこう計算していた。
「上がり2つのパー5を迎える前に、15番か16番でバーディが取れれば、(後続の)リーダーたちにプレッシャーをかけられると考えていた」
しかし、15番・16番でスコアを伸ばせず足踏み。それでも17番(パー5)で意地のバーディを奪って通算15アンダーとし、首位スパーンへ執念の追撃を見せた。だが、勝負を賭けた最終18番(パー5)ではティーショットを左のバンカーに入れてしまう。レイアップ後のサードショット。ウォーターハザード側の狭い場所に落とし、バーディチャンスにつけるも、一筋外れてパーとし、追撃もここまで。最後はスパーンの猛チャージの前に屈する形となったが、トッププロ同士の極限の戦いにおけるわずかな勝負の綾だった。
【動画】マキロイ、72ホール目の全ショット【DPワールドツアー公式インスタグラム】
伝説へのカウントダウン

怪我で棄権したパトリック・リードとの差を1試合で引っくり返せる位置まで来たローリー・マキロイ(写真は26年全英オープン、R&A提供)
敗れはしたものの、マキロイにとってこの2位タイは極めて大きな意味を持つ。年間王者を争う「レース・トゥ・ドバイ」のポイントランキングにおいて、首位のパトリック・リードが今大会途中で棄権(0pt)したのに対し、マキロイは2位タイの532ポイントを獲得。両者のポイント差は「307.76ポイント」まで一気に縮まり、わずか1試合で引っくり返せる現実的な射程圏内に捉えたのだ。
マキロイの視線はすでに、コリン・モンゴメリーの持つ伝説の大記録「年間王者8回」に並ぶことへ向けられている。
「インド、アブダビ、ドバイと、DPワールドツアーのシーズンはあと3試合ある。アブダビとドバイはキャリアの中で多くの成功を収めてきた場所だ。モンティ(モンゴメリー)の記録に並ぶことができれば、明らかに素晴らしいことだね。その機会にとても興奮しているよ」
ちなみに、マキロイが出場を明言している「DPワールドインディア選手権」は1カ月後。十分に回復する時間はあるが、仮にリードが出場できなかった場合、マキロイは単独3位以上で頂点を奪還できる計算だ。
パットの悔しさを胸に、マキロイの年間王者逆転と伝説達成に向けた執念のカウントダウンがいよいよ始まる。
