
アジアンツアー「Yeangder TPC」の会場に訪れたチョー・ミン・タンCEO(アジアンツアー提供)
欧米ツアーとの連携強化と、インターナショナルシリーズ離脱の影響
今回の決定の背景には、アジアンツアーを取り巻く急激な環境変化がある。今年、アジアンツアーはDPワールドツアー(欧州ツアー)およびPGAツアーとの複数年パートナーシップを締結し、欧米ツアーへの新たな道筋(パスウェイ)や共催大会の復活を発表した。
しかしその一方で、近年アジアンツアーを牽引し、LIVゴルフへの登竜門として機能していた「インターナショナルシリーズ」がツアーから離脱するという大きな代償を払うことになった。
タン氏はレターの中で、「シーズンの途中で予期せぬ大きな混乱(インターナショナルシリーズの離脱)があり、今年の試合数の減少は避けられないものだった」と苦しい胸の内を明かしている。
Qスクール組の出場機会が激減。「既存メンバーの保護」を最優先
試合数が減少したことで最も割を食ったのが、昨年末のQスクールを突破してきた下位カテゴリーの選手や、下部ツアー(ADT)からの昇格組だ。彼らの中には、今年1年間でわずか5〜6試合しか出場機会を得られない選手も出ているという。
この深刻な事態を受け、アジアンツアーは理事会およびトーナメントプレーヤーズ委員会と協議。その結果、「現在のカテゴリー1から16までの既存メンバーを、2027年シーズンを通じて保護する」という特例措置を決定した。
具体的には、2026年の最終賞金ランキング(オーダー・オブ・メリット)がトップ65位圏外で終わったカテゴリー1〜16の選手であっても、シード権を剥奪されることなく、2027年シーズンは「カテゴリー16」としてメンバー資格を保持できることになる。
「この結果、今年後半にQスクールを実施することは現実的ではなくなりました。Qスクールが選手のパスウェイにおいていかに重要な部分であるかを考えると、これは決して軽々しく下された決定ではありません」とタン氏は説明する。
「しかし、私たちの最優先事項は現在のメンバーをケアし、彼らがキャリアを築くための最良の機会を提供することであり、これが正しい決断だと信じています」
2027年は「再建の年」。2028年の完全回復を目指す
なお、下部ツアー(ADT)やその他の地域ツアーからの昇格による、カテゴリー17以降への新規参入(入れ替え)は例年通り行われる予定だ。
アジアンツアーは現在、インターナショナルシリーズ離脱後のスケジュールを立て直すべく、既存のフルフィールドイベント(フルシード選手出場大会)の強化に注力している。タン氏は「2027年シーズンは私たちにとって『再建の年』になる」と位置づけ、「2028年には完全な回復を遂げると確信している」と述べている。2027年の暫定スケジュールは、11月上旬に発表される見込みだ。
世界的なゴルフ再編の波に大きく揺さぶられているアジアンツアー。欧米ツアーとの連携という光の裏で、試合数減とQスクール中止という影の現実に向き合いながら、ツアー存続と再建への厳しい道を歩み始めている。
