「曲がらない男」勝亦悠斗がFWキープ率1位の精度で岩田寛を追う

曲がらない男・勝亦悠斗が5打差2位で岩田寛を追う
首位の岩田寛を5打差で追う単独2位(通算10アンダー)につけた勝亦悠斗(32歳)も、スタート直後から手酷い洗礼を浴びた。
出だしの1番(パー4・529ヤード)は、この日の難易度5番目のタフなホール。勝亦のセカンドショットはバンカーに捕まり、無情にも「目玉」となってしまう絶望的な大ピンチに直面した。結果、痛恨のダブルボギー発進。ラウンド後のインタビューでは「ドタバタした」とその生々しい状況を苦笑い交じりに振り返っている。
しかし、ここからのメンタルコントロールが勝亦を上位に踏みとどまらせた。
「なんとか立て直して前半を回ることができた。後半は結構ずっとピンチでしたけれど、なんとかイーブンで帰ってこられて良かった」
同組の岩田が異次元のゴルフを展開する中、「1日くらいこういう日もあるよなと思ってラウンドしていた」と完全に割り切り、イーブンパーの「70」で耐え抜いたのだ。
トラブルを回避し続けた勝亦のショット精度は数字にも表れており、第3ラウンド終了時点でのフェアウェイキープ率は「80.952%(42ホール中34ホール成功)」で堂々の全体1位。昨季の「フェアウェイキープ率日本一」に恥じない安定感が、5打差の単独2位を踏みとどまらせた。
10番ダボから驚異の巻き返し! 早稲田大出身の大型新人・中野麟太朗

開幕戦以来となる優勝争いに加わっている中野麟太朗。大器が花開くか、注目だ
一方、通算8アンダーの3位タイにつける中野麟太朗(22歳)もまた、コースマネジメントの難しさに直面していた一人だ。
「昨日から引き続き大変な1日でした」と語る通り、中野も出だしの1番でボギーが先行。さらに、この日の難易度18番目(最もやさしい)であり、確実にスコアを伸ばしたいチャンスホールの5番(パー5・649ヤード)でもボギーを叩く苦しい展開を強いられた。「チャンスのところからボギーになってしまった」と悔やみ、さらに後半10番(パー4)でも痛恨のダブルボギーを叩く絶体絶命の危機に直面した。
しかし、185cm・95kgの恵まれた体格を持つ早稲田大出身の22歳(初日にプロ自己ベストの「64」をマーク)は、ここから本領を発揮。12番、14番、15番とバーディラッシュで取り返し、見事にアンダーパーの「69」でまとめてみせた。「上位争いの中でなんとか踏みとどまることができた」と語る通り、大器のスケール感と強靭な精神力が光った。
中野は現在のコース状況についてこう警鐘を鳴らす。
「これだけ強い風が吹くと、しっかりとしたマネジメントや、所々でリスクを冒したショットを成功させないとスコアは出ない」
単に攻めるだけではスコアを崩す、首位争いの重圧とコースの罠が張り巡らされている。

22歳大型新人・中野麟太朗(左)と曲がらない男・勝亦悠斗(右)
いよいよ迎える最終日。追いかける立場の勝亦は「今日もったいないゴルフでしたけれど、位置は悪くない。追いかける立場のほうが気が楽なので明日頑張りたい」と前を向く。中野も「自分の持ち味を出していきたい」と初日のようなビッグスコア(64)を狙う構えだ。
難しいコンディションの中、首位の背中を追う彼らがどこでリスクを取り、どう攻め込むのか。優勝を懸けたヒリヒリするコースマネジメントの応酬に注目したい。
写真/有原裕晶

