勝亦悠斗が見せた覚悟と18番のバーディ

曲がらない男・勝亦悠斗が岩田寛をあと一歩まで追い詰めた
岩田の13アンダーに次ぐ通算12アンダーの単独2位に入った勝亦悠斗は、最後まで優勝を諦めない勝負師としての意地を見せた。
後半に入った時点で岩田との差は一時6打差まで開いた。「正直、何か起きない限りはと思っていた」と振り返るが、岩田が苦戦している状況を察知し「自分にもチャンスがあるかな」と虎視眈々と逆転を狙い続けた。
その覚悟が結実したのが最終18番(パー4)だ。リーダーボードの状況を把握した上で迎えた6メートルのバーディパット。「入れるしかなかった」という極限の場面で、「3パットしてもいいやという気持ちで打ちました」と恐れを捨てて強気にねじ込み、一時は首位タイに並んでみせた(続く岩田のバーディパットがカップに沈み、1打差で惜敗)。
結果的に2位となり、目標としていた来季のシード権獲得を確実なものとした。しかし試合後、「このままで2位で終わればシードも獲得出来ると思っていたんですが、優勝ができなくて、今は悔しい思いが勝っています。勝ちきれなくて反省しています」と口にしたその表情に満足感はない。確かな成長と同時に、勝負の世界の厳しさを噛み締めていた。
中野麟太朗を襲った「残り3ホールの試練」

みごとな粘りを見せたが、“ガス欠”で置いていかれた中野麟太朗
一方、通算5アンダーの4位タイでフィニッシュした中野麟太朗もまた、タフなセッティングの中で壮絶な試練を味わっていた。
「今日は4日間で一番風が強い中で、ピンポジションもグリーンもタフ。全てが難しい中でどれだけ耐えて伸ばせるかやってみた」と語るように、中野は終盤まで見事な粘りを見せる。難関の14番(パー5)、15番(パー4)で連続バーディを奪い、一時は上位争いを大いに沸かせた。
しかし、極限の集中力を要する強風下のコンディションが、徐々に彼の体力を削っていく。直後の16番でボギーを叩くと、続く17番(パー3)では痛恨のダブルボギー。「残り3ホールでガス欠になってしまいました」と生々しい疲労と課題を吐露し、最終日を「73」で終えることとなった。
次戦へのリベンジを誓う若手たち
45歳のベテラン・岩田寛という高く厚い壁にあと一歩のところで跳ね返された若き才能たち。しかし、極限のプレッシャーと過酷なコンディションの中で得た手応えと悔しさは、彼らをさらなる高みへと導くはずだ。
中野は「次の日本オープンを勝てるようにやっていきたい」と、すでに前を向いている。手負いの若手たちが見せる次戦でのリベンジと飛躍に、大いに期待したい。
写真/有原裕晶
