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テーラーメイド“パター”開発担当者に直撃!「Spider Tour TORCHED / Spider ZT」の進化を支える「重心設計」と「薄肉鋳造技術」 #パター #テーラーメイド #Spider
www.youtube.comツアーを席巻するスパイダーが選ばれ続ける理由
世界のトップツアーで圧倒的な使用率を誇る「スパイダー」パター。なぜこれほどまでに多くのゴルファーに選ばれ続けているのか。率直な疑問をぶつけてみた。

パトリック・バクスター(Patrick Baxter)
プロダクトマネージャー(パター)
(撮影/田邉安啓)
「テーラーメイドにおいて、スパイダーは誇り高きプロダクトです。人気の『スパイダー ツアー』シリーズは、独自の構造設計によりコンパクトながらも高い慣性モーメント(MOI)を実現できました。そのうえで圧倒的な構えやすさも備えている。これが市場で広く受け入れられた最大の要因だと考えています。また、パターカテゴリーにおいて、私たちは『トップダウン・アプローチ』を採用しています。ツアーのトッププレーヤーへ焦点を絞り、それを具体的な性能に落とし込む。それを繰り返すことで、数多くの絶対的な優位性を得ることに成功したのです」(バクスター氏)

スパイダーの最新シリーズ「スパイダー ツアーX トーチド」(撮影/三木崇徳)
スパイダーを支える「3つのDNA」
スパイダーには、ブランド誕生当初から変わらない核となる部分がある。プロダクトの「DNA」とも呼べる設計思想について尋ねると、パッティングで最も重要となる要素が浮かび上がってきた。

「トゥルーパス アライメント」(左)に加え、最新モデルではシングルライン(右)もお目見え(撮影/三木崇徳)
「スパイダーのテクノロジーを支える柱は、『ミスヒットへの寛容性(安定性)』、『転がりの良さ』、『狙いやすさ(アライメント)』の3つです。重量配分の最適化により、高いMOIによる安定感を提供します。また、『ピュアロール』インサートも不可欠な要素です。打ち出し角をわずか0.5度に抑え、約40rpmの順回転を生み出し、ボールの強い直進性につなげています。そしてもう一つの設計思想が『アライメント』です。白く太いサイトラインの『トゥルーパス』をはじめ、シングルラインなど多彩に揃えています。『寛容性』、『転がり』、『狙いやすさ』、これこそが変わらないスパイダーのDNAなのです」
「ピュアロール」の揺るぎない優位性と新カラー「トーチド」
数多くのネオマレットパターが存在する中で、スパイダーが持つ独自の優位性とは何か。ツアープロの要求に応えるための明確な差別化要因と、最新モデルの特長について聞いた。

スパイダーのアイデンティティのひとつ「ピュアロール」インサート(撮影/三木崇徳)
「スパイダーの『ピュアロール』インサートこそが、特にPGAツアーにおいて決定的な差別化要素となっています。ツアープロたちは常に『あと一歩パットを入れるためのわずかなアドバンテージ』を求めています。短い距離のパッティングにおいて最も重要なのは『素早い順回転への移行』です。一貫した順回転を生み出すことで、グリーン上のパフォーマンスを劇的に向上させているのです」

マキロイ実使用の「スパイダー ツアーX」
「また、最新の『トーチド』シリーズは、ローリー・マキロイが実際に使用するカラーに着想を得て開発しました。最大のメリットは『塗装の剥げ・欠けが起きない』ことですが、深いブロンズ色は太陽光の下で美しく映える質感があり、人気を博しています」
スパイダーに加わった「浅重心モデル」の意義
「スパイダー ツアー」と「スパイダー ツアーX」はツアーの定番として君臨してきたが、テーラーメイドはラインナップのさらなる拡充を図っている。
「PGAツアーで高い支持を得ているスパイダーですが、一方でブレードパターに代表される『浅重心』を求める選手たちのニーズにも応える必要がありました。そこで誕生したのが『スパイダー ツアーV』と『スパイダー ツアーF』です。ウェイト位置がフェース寄りに配置されており、ブレードパターのような操作性を保ちつつ、スパイダーの転がりの良さと狙いやすさをそのまま享受できるのです。これにより、浅重心と深重心を網羅した完璧なラインナップが完成しました」

左から「ツアー」「ツアーX」「ツアーF」「ツアーV」(撮影/三木崇徳)
重心位置の違いは、フィッティング現場でどのように生かされているのか。
「『自分自身でストロークをコントロールしたい』という選手には前重心の『ツアーV』または『ツアーF』を、『ある程度パターに任せてオートマチックに安定させたい』という選手には深重心の『ツアー』、『ツアーX』、『ZT』を推奨します。深重心はパター自体が安定し、浅重心はプレーヤー自身の感性でコントロールできるという明確な違いがあります」
同じクランクネックでヘッドの違いを感じる
自分に合ったパターを選ぶ際、テーラーメイドが提唱する手順は独特だ。
「ショップで選ぶ際に注目してほしいのは、全モデルにクランクネックが用意されている点です。まず全モデルを同じネックで試すことで、ネックの選択肢を一度除外して、純粋に『重心位置』の違いだけに集中して自分に合うヘッドを選ぶことができます」

ストロークがアークタイプのマキロイは、スモールスラントネックを愛用
「そして重心位置を決めた後に、自分のストローク軌道に合わせてネック形状を微調整していくのです。マキロイはアーク(開閉)の大きいストローク軌道のため、トウハングの大きい『スモールスラント』を愛用しています。一方、シェフラーはストレートに近い軌道のため、それに応じてクランクネックを選択しています。ストロークの軌道によって異なるネックを選択している好例です」
ゼロトルク系「スパイダー ZT」開発の裏側
昨今、ギア界で話題となっているのがゼロトルク系パターだ。昨年登場した「スパイダー ZT」は、テーラーメイドのゼロトルクパターとして注目を集めている。

「ゼロトルク」の市場を確立した「スパイダー ZT」(撮影/三木崇徳)
「『ZT』の構造の最大の特長は、フルミルドである点です。重量配分を精密にコントロールすることができ、フロントには重いステンレススチール、バックには軽量な鍛造アルミニウムを採用しました。これによりシャフトリーン(傾き)を極限まで抑えることに成功しました。他の多くのゼロトルク系パターはシャフトの傾きが大きく構えにくいとの声もありますが、『スパイダー ZT』のシャフト傾斜はわずか1.1度に抑えられており、極めて自然に構えられます。さらに3つのウェイトを最適配置することで、パターを置いた時にトウが上を向く。これによりアドレスからインパクトまでフェースがスクエアに保たれ、自然とフェースが閉じる動きをサポートしてくれるのです」

重心が浅めなことでシャフトの装着位置がフェース寄りになる。これにより構えにくさを解消している(撮影/三木崇徳)
「スパイダー ZT」はアマチュアから絶大な支持を得ている一方で、ツアープロの採用者は決して多くない。それはなぜなのか。
「トッププロは、バッグの中の13本すべてで『トルク』を感じながら打つことに慣れているため、あえてトルクがないクラブを選ぶ必要性を感じない選手が多いのです。一方でアマチュアゴルファーに『スパイダー ZT』が人気なのは、フェースが揺らがず安定するため、シンプルに打てるから。ドライバーでスライスが出るアベレージゴルファーは、パッティングでも右へ押し出す傾向がありますが、ZTは右へ押し出すミスを見事にカバーしてボールを自然とつかまえてくれます。店頭では『スパイダー ZT』が大ヒットし、ツアーの現場では『スパイダー ツアー トーチド』シリーズが席巻しています。この大きな2つの波には強い手応えを感じています」
今後のパターの伸びしろはどこにある?
最後に、今後のパター開発における進化の可能性について語ってもらった。パターフィッティングの常識を変えようとするテーラーメイドの挑戦は、これからも続いていくという。

「鋳造技術は日々進化しています。設計の自由度を生かし、理想の重心を追求していきます」(バクスター氏)(撮影/田邉安啓)
「私たちは『重心位置』がパター選びにおける最大の鍵であると考えており、今後はさらにラインナップを補完する最適な重心位置を追求していきます。そしてもう一つの鍵となる技術が『薄肉鋳造技術』です。現在のパターのボディの肉厚は1ミリ未満に抑えられており、生み出した余剰重量を自在に配置できるようになりました。中空構造と薄肉鋳造技術をさらに進化させ、美しく洗練された形状と理想の重心特性を追求していきます。私たちが目指しているのは、『パターフィッティングにおいて、まず重心から議論する』という新しい常識の変革です」
スパイダーの進化がもたらすもの
スパイダーパターは緻密な精密工学と明確なフィッティング理論に基づいて作られている。プロのシビアな要求に応える浅重心・深重心のバリエーションや、ミスの傾向をカバーするゼロトルク「スパイダー ZT」の誕生は、そのままアマチュアのスコアメイクに直結する。
自分のストローク軌道や癖に合わせて最適なスパイダーを選べば、3パットの恐怖から解放され、今まで感じたことのないグリーン上での絶対的な自信を手に入れられるはずだ。
『Spider』シリーズの最新作『Spider TOUR TORCHED』の特設ページはこちらから


