
菅楓華の初日の前半9ホールに密着
| 日にち | 1番(542・5) | 2番(377・4) | 3番(391・4) | 4番(164/156) | 5番(363・4) | 6番(390・4) | 7番(522・5) | 8番(213/193) | 9番(383・4) | 10番(533・5) | 11番(405・4) | 12番(402・4) | 13番(173/160・3) | 14番(381・4) | 15番(374・4) | 16番(515/450・5) | 17番(186・3) | 18番(403・4) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初日 | 〇 | ー | △ | △ | ー | ー | 〇 | ー | ー | 〇 | ー | ー | ー | ー | 〇 | 〇 | 〇 | ー |
朝練習で見えてきた、テンポ良く切り替わる怒涛のルーティン

ドライビングレンジへ向かう前は練習器具を使用したパター練習を入念にしていた菅楓華
初日の朝の練習場。ティーオフの約1時間前、8時54分にグリーンに姿を現した菅は、パターマットの両脇にティーを立てて2つのゲートを作り、その間を通す練習から開始。さらに「コ」の字型の練習器具も駆使して、基本を徹底的に確認していた。
驚かされたのは、その「切り替えの早さ」だ。

ドライビングレンジでは、ウェッジの片手打ちから練習を開始(左)。打つ前に低い位置に上げて確認する姿が見られた(右)
9時からアプローチを2カ所(花道とラフ)とバンカー練習を素早くこなし、ドライビングレンジに移動。その間わずか10分。そしてウェッジを握ると右手、左手の片手打ちから両手打ちへと移行し、番手を次々と変えていく。途中のアイアンだけやや数球が多かったり、齋藤優希キャディとの会話やボールの後ろにしゃがんで何かを確認する姿が見られたが、それ以外は本当にテンポ良く打ち込んでおり、ドライバーを打ち終えると一度ウェッジに戻ったことも特徴的だった。

青ペンで線を書きこむ菅
そして9時40分頃にパッティンググリーンへ戻ると、7カ所ぐらい場所を移動しながら35球程度打った後、ボールに青い線を書き込んだ。
「青で書くと覚えやすい、記憶に残りやすいというのを聞いていて。それから色として青が好きというのも理由です」(菅・以下同)
そしてまた、数球ずつとにかく細かく場所を変えながら練習を繰り返し、9時54分頃スタートホールへと向かった。
「いろんなラインで練習するようにしています。試合当日のいつものルーティンと思っています」
真剣勝負の中に見せる和やかな笑顔と、ピンチを救った「嫌な間」

初日は1番からスタートし、バーディ発進を決めた
初日は10時に1番ホールからティーオフ。齋藤キャディが何やらドローボールの軌道のようなジェスチャーを示し、放たれたティーショットには「ナイスショット!」の声援が飛んだ。菅は笑顔を見せ、見事バーディ発進を決めた。2番ホールでは、歩いてくる先輩の桑木志帆に対し、「ナイスバーディです」と穏やかに声をかけるなど、周囲への配慮も忘れずにプレーしていく。

基本的には隣同士で歩いているが、話をしている時間は意外と少ない(右)。ただ、強めの風が吹いていた3番など、番手の相談はヤーデージブックを確認しながら念入りに行っていた(左)
しかし風の影響もあったのか、3番、4番と連続ボギーを叩いてしまう。すると、続く5番では、一人で2打目まで歩いていく菅の姿があり、やや緊張感が漂うようにも感じられた。けれどさすがの実力でピン手前からのやや長めのパットを寄せ、「ナイストライ!」という大きな声援を受けることに。このホールはグリーン周りをギャラリーが囲えるようなレイアウトとなっているため、声援が周囲に響きわたったことで、空気感が変わったように見えた。

7番のティーグラウンドで待機する様子。なにやら手のひらを見せ合って笑っていた
さらに6番や7番のティーグラウンドでは、前の組のプレーを待つ時間があり、齋藤キャディや同組の選手たちと談笑。この時間が切り替えにつながったのか、7番でバーディを取り返して、イーブンパーへと戻していた。
「ちょっと待っている時間が長くて嫌な間だなと思ったんですけど、でもそれが逆に良かったのかな。いい休憩になったかなと思います」
気分転換の新兵器「白いパター」がもたらした後半の巻き返し

先週の「スタンレーレディスホンダ」の2日目から投入しているという特注パター
彼女の手元でひと際目を引いていたのが、ヘッドが真っ白い、特注のPINGのパターだ。
ツアーレップによると、「形は『アンサー』という典型的なブレードで、アルミ製のインサートが入っている」とのこと。
前週の「スタンレーレディスホンダ」の初日終了後に「パターが入らない」という話から、「気分転換に変えてみよう」という気持ちで実戦投入された。
この特徴的な色については、「本来、ブレードで細いタイプのパターって、ちょっと難しく思われがちなんです。けれど、あの白いヘッドだと膨張して見えるので、ちょっと優しく見えるっていう利点がありますね」と担当者は語る。

初日は6つのバーディを決めた
菅自身も「1番は気分転換に変えてみようかなっていうのがあって。ちょっと最近ボールの転がりが悪かったので」と変更の理由を語り、「据わりがいいので、構えやすい特徴が少しあるかなと思います」とその効果を実感。イーブンパーで折り返した後半は、15番からの3連続バーディを含む4バーディノーボギーとして、通算4アンダーの7位タイでフィニッシュした。
「後半はうまく立ち直れて、アンダーで回れてちょっとホッとしています。ボギーを打ちそうなところでしっかりパッティングが決まってくれた。それで流れが切れずにいけました」
「久しぶりに初日いいラウンドができたので、しっかり明日以降も伸ばして頑張りたいなと思います。やっぱりパター勝負かなと思います」
そう意気込んだ2日目は、10番(533ヤード・パー5)をパー発進でスタートして行った菅楓華。
練習のテンポ、プレー中の笑顔と真剣な眼差し、そして気分転換を理由にしたパターの変更。21歳という若さにして、すでに明らかになっている彼女の実力の裏側には、こうした“切り替えの達人”とも呼べる、天性のバランス感覚があるのかもしれない。
