「ツアークオリティのクラブ工房」は、27年間にわたり国内大手メーカーでトッププロ、トップアマ、トップジュニアのクラブをサポートしてきた今井正人氏が、ゴルファーのクラブに関する悩みを解決する連載企画です。「他の工房で無理と断られた」「買ってみたもののまったく合わない」「もう少し飛ばしたい」といった課題に対し、問題点の抽出から解決策の提案、そして「ツアークオリティ」の1本に仕上げるまでのプロセスをレポートします。

90台女子のアイアン不振、原因は「シャフトの軟らかすぎ」

GD:今日の作業はアイアンのリシャフトですね。

今井:レディースアイアンのリシャフトになります。ご主人から「妻のアイアンに問題があるのではないか」とご相談を受けました。

GD:持ち込まれたのはキャロウェイの「レガシー」ですが、これは2010年モデルですね。初代の2008年モデルは上田桃子プロが長年愛用したことで知られていますが、この2010年モデルもネックに「R」の刻印があるように、著名なクラブデザイナー、ロジャー・クリーブランド氏が監修した由緒あるアイアンです。

今井:古いモデルではありますが、まだアイアンのストロングロフト化が始まる前のクラブなので、ロフトが立ちすぎず、非力な女性でも楽に球が上げられるヘッドだと思います。

GD:ご主人はどこに問題があるとお感じになったのでしょうか?

今井:コンスタントに90台で回れるようになってきたものの、アイアンを握るとミスを連発してしまう。「スウィングではなくクラブに問題があるのではないか」と感じたそうです。実際に測ると7番アイアンの振動数は「211cpm」しかなく、純正シャフト(Lフレックス)はかなり軟らかいものでした。ここまで軟らかいと、ある程度、クラブが振れるようになってきた際、かえって芯に当てるのが難しくなってきます。

GD:トウダウンが大きくなるとか?

今井:かなり大きくトウダウンするでしょうね。シャフトが軟らかすぎると、振れば振るほどタイミングが合いづらく、芯にも当てにくい。芯に当てるためにクラブをやさしく振らざるを得なくなり、自分のスウィングをさせてくれないクラブになってしまいます。

GD:まさに上達の妨げでしかありませんね。

今井:今回はアイアン本来のポテンシャルを使い手が超えてしまっているので、リシャフトをご提案しました。長さ、バランス、重さを大きく変えずにシャフトの性能を上げるため、グラファイトデザインの「ツアーAD 50」をおすすめしました。

GD:このシャフトの特徴は?

今井:グラファイトデザインの最軽量シャフトで、フレックスは「L」のみの展開ですが、カスタムらしいしっかり感があります。ドライバーのシャフトが「ツアーADSL4(RR2)」でお気に入りとのことでしたので、振り心地を統一するために「ツアーAD 50」を選びました。

画像: 7番アイアンの振動数は、純正シャフトの「211cpm」から「243cpm」になり、しっかり振ってもクラブが暴れなくなりました

7番アイアンの振動数は、純正シャフトの「211cpm」から「243cpm」になり、しっかり振ってもクラブが暴れなくなりました

GD:「ツアーAD 50」は「L」ワンフレックスなので、硬さは選べないわけですよね。「L」より硬い「A」は選べない。

今井:今回は「標準」のままリシャフトしましたが、「A」にしたい場合は番手をずらします。ツアーAD 50は番手別設計なので、7番アイアンに8番用のシャフトを入れれば硬くすることができます。逆に軟らかくしたい場合は、7番に6番用のシャフトを入れることで、フレックスをコントロールできます。

GD:硬くしたいときは「先詰め」(チップカット)するのかと思っていましたが、そうではないんですね。

今井:番手別設計されているアイアン用シャフトは、先詰めではなく番手ずらしですね。先端をカットしてしまうと、シャフト本来の性能を失ってしまうのでおすすめしていません。

GD:今回は「標準」とのことですが、振動数はどうなりましたか?

今井:7番で「243cpm」になり、ほどよい硬さに仕上がりました。バランスも7、8、9番は「C3」で、PWはヘッドが重かったので「C4」ですが、PWをウェッジと考えれば打ち急ぎを防ぐ意味でも問題ありません。逆に8番はヘッドが軽かったので、ホーゼル内に2グラムの錘(おもり)を入れて調整しました。

画像: 8番アイアンのヘッドが軽かったため、バランス調整のための錘を2グラム、ホーゼル内に入れました

8番アイアンのヘッドが軽かったため、バランス調整のための錘を2グラム、ホーゼル内に入れました

GD:1グラム単位でしっかり仕上げられたクラブを使う安心感は、信頼できるクラブ工房ならではのものですね。

今井:持ち込まれるクラブは何かしらの問題を抱えているものです。それを知らずに使ってミスショットを招いていたらもったいないですよね。リシャフトする、しないに関係なく、一度クラブを組み直して安心して使えるものにすることをおすすめします。

GD:組み直しをする際は、バランスだけでなくライ角やロフト角の調整もするんですか?

今井:もちろんです。曲げられるクラブに限定されますが、0.5度単位で調整してお戻ししています。今回のアイアンも7番のロフトが1度立って、8番が1度寝ており番手間にバラツキがあったので、きっちり4度ピッチになるよう調整しました。

画像: リシャフト、組み直し作業の仕上げはライ角、ロフト角のチェック&調整です。0.5度の精度でロフトピッチを整えていきます

リシャフト、組み直し作業の仕上げはライ角、ロフト角のチェック&調整です。0.5度の精度でロフトピッチを整えていきます

GD:公差で1度ずれることはあると聞きますが、今回のケースでいったら7番と8番で6度差になっていたわけですね。

今井:ほとんどの人は気にしないのかもしれませんが、道具である以上はしっかり仕上げられたクラブを使ってほしいと思います。特に女性やジュニアゴルファーは、合わないクラブを使っているケースが多いので、クラブに違和感や疑問が生じた際は、お気軽にご相談いただければと思います。

【ツアークオリティのクラブ工房からのお知らせ】

東京・赤坂の「ツアークオリティのクラブ工房(ゴルファーズラウンジ by tantanto.)」では、ウェイト調整などの軽微な作業から他店で断られた特殊加工、本格的なリシャフトまで幅広く対応しています。「工房は敷居が高い…」と感じている方も、ぜひお気軽にお越しください!

【ウェッジ1本から大歓迎!「リシャフト&調整」キャンペーン実施中】
・料金:6,000円〜(1本・税込)
※組み直し作業、長さ・ライ角・ロフト・バランスなどの各種調整込み。
※グリップ代別途(再利用可能な場合は無料対応)。選定シャフトにより料金が異なる場合があります。

【フィッティング料金】
・料金:5,000円(40分・税込)
※キャンペーンご利用者限定の特別料金
※フィッティング後にシャフトを発注するため、作業は別日となります。

【工房へのアクセス・ご利用方法】
所在地:東京都港区赤坂2-13-18 コリンズ33 B1F(バーディ赤坂24内)
※「作業立ち合い」をご希望の方は事前予約をお願いいたします。
※全国からの郵送(送料別)でのご依頼も承っております。

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