
今回から登場してくれるのは、さいたまゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】のクラチャン・吉田壮一郎さん
●吉田壮一郎さんのプロフィール
埼玉県入間郡毛呂山町にあるさいたまゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】で7回(うち4連覇を達成)、オリムピックカントリークラブで2回、オリムピック・スタッフ足利ゴルフコースで2回獲得しているクラチャンの常連。得意クラブは「ドライバー」。
ギスギスか、和気藹々か? 新参者が目撃したクラチャン大会のリアル

ボールを打った後に出るという「そうちゃんステップ」(右)。お茶目な一面がある一方で、強靭なメンタルを裏付けるエピソードにみやびさんも「ええっ!強すぎる」と驚いていました
吉田さんのメンタルが「鬼強!」って驚かされる話ばかりでしたけど、一番びっくりしたのは「ナイスショット!」って言ったら怒られたエピソード。
「初めてエントリーした競技で初めてお会いする同組の方々とご一緒させてもらった時のことですが、朝はそこそこに挨拶をさせてもらって、いざスタートして一人の方がまずティーショットを打ったんです。それに対して『ナイスショット!』って言ったら、『いつもの俺のナイスショット知らないだろ』って突っ込まれたんです。『え!』って思いました。っていうかほとんどの人がびっくりすると思いますけど、私も大人気なくて、そこに反抗的にしちゃったんですよね。そうしたらそこから永遠喧嘩状態のラウンドでした」(吉田・以下同)
吉田さんいわく「いろんな人がいるんですよ」って笑って話していましたけど、反抗しちゃうところが10回もクラチャン獲れる理由なんだろうなって思いました。普通は新参者だから、郷にいれば的な感じでヘコヘコしちゃうもんですけど、吉田さんにはそんな発想がなくて、しかもその後の競技で実際にスコアで負かしちゃうんですから、相手にとってはかなり天敵ですよね!
「でもそんなことは最初で最後だったんですよ。私にとっては洗礼みたいなものだと、今となってはいい思い出です。競技に出ていて本当に思うことは、さっき話したことと矛盾しますがいい人ばっかりなんです。調子が悪くて叩いてたら、『頑張りましょう』って声をかけてくれるし、自分がルール的に間違った処置をしてしまいそうだったら、ちゃんと訂正したり、アドバイスをしてくれるんです。競技によっては中学生と回ることもあるんですが、前に徳島で出た試合で中学生に『ファイト!』って励まされたりして。嬉しいこともいっぱいですし、やっぱり競技に出ることでいろんなことを一気に勉強できた感じはありますね」
競技ゴルフってギスギスした感じで、緊張感もありありなのかと思っていたので、アドバイスをくれたり、励ましたりって私にとっては意外でした。吉田さんいわく、結果的に競技は顔見知りが多いので、誰かしらと話をしているし、意外と和気藹々らしいんです。それを聞いてちょっと安心しました。
己だけでなく相手の心を見よ!クラチャン連覇を導く心理ゲームの極意

吉田さんは、「今こう思っているんだろうな」「このパターが入ると、こうなるんだろうな」と、常に相手のメンタルを考えながらプレーしているそう。「人間的に面白いゲームだなと思います」(吉田)
マッチプレーって未知の世界でまったくどんな感じなのか想像がつかないんですけど、吉田さんはクラチャンで勝てた要因を「マネジメント」って話していました。それってメンタルとどう関係しているのか? 聞いてみました。
「クラブ選手権(クラチャン)と普通の競技ってまったく別なんです。私が思うのは、競技って自分のベストを尽くしていくんですけど、クラチャンって逆に相手を見ながらやる部分があります。目の前の相手じゃなくて自分だっていう人もいるんですけど、僕は逆に相手を見て、メンタルの状態を感じながらゴルフするタイプなんです。『今こう思っているんだろうな』とか、『このパターが入るとこうなるんだろうな』とか。ちょっと将棋とかチェスに似ているのかもしれませんね。だからスコアだけでやる競技だったらそんなことは一切考えなくていいですし、自分が今のボールに対してベストを尽くすだけなんですけど、クラチャンってなるとやっぱりどうしても相手がいる。なんでちょっとマッチプレーになると、話は違うかなと思います。もちろん相手に結構いいのを入れられるとこっちも影響がありますし。いろいろ考えてやるのが、マッチプレーなんだと思います」
吉田さんの話を聞いていたら、興味がどんどん湧いてきちゃいました。
あと吉田さんの話のなかで面白かったのが同じパーでもマッチプレーだとちょっと感覚が変わるということ。自分がドライバーでナイスショット、相手が林に入れたというシチュエーションで、自分はきっちりパーオンしてのパー。相手は林から出して、そこからなんとかグリーンに乗せて、長いパットを入れてのパー。どちらも同じパーだし、引き分けなんですけど、ナイスショットしてパーを取ったほうがダメージを受けていると言うんです。「確かに!」って思ったし、それは心理ゲームだなと感じました。今はまだラウンドするので必死ですけど、そういう駆け引きをできるくらいに成長していきたいと思いました。
次回の記事では、吉田さんの強さを支える相棒である「得意クラブ」と「クラブセッティング」を拝見します。「ウェッジをこだわりの形に削っているというところが、さすがクラブチャンピオンだなと思いました」とみやびさんも唸った、トップアマならではのギアへの深いこだわりは必見です。ぜひ次回もお楽しみに!
≪今回の舞台≫ さいたまゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】

24年2月26日リニューアルオープンにしたさいたまゴルフクラブ(写真/提供:アコーディア・ゴルフ)
吉田さんとラウンドするのは、埼玉県入間郡毛呂山町にある「さいたまゴルフクラブ【アコーディア・ゴルフ】」。1980年に開場した浅見緑蔵設計のコース(18H・6806Y・Par72)です。
関東ゴルフ連盟(KGA)が主催する公式団体戦「関東倶楽部対抗」の決勝の舞台になる強豪クラブで、競技志向のゴルファーに好まれるレイアウトです。その一方で、2024年にリニューアルされた館内は女性施設が充実しているなど、落ち着きのあるカジュアルモダンな空間へと生まれ変わっており、プレーヤーにひとときの癒やしを提供する快適な環境が整っています。
【アクセス】
車:関越自動車道/鶴ヶ島ICより13km、圏央道/圏央鶴ヶ島ICより10km
電車:JR川越線・高麗川駅 ほか
撮影/大澤進二


