女子ゴルフ界のレジェンド、アニカ・ソレンスタム(LPGA通算72勝・メジャー10勝)が設立した「ANNIKA Foundation」が主催し、B-R サーティワン アイスクリーム株式会社が特別協賛、The R&A公認のもとで開催されている「アニカ・インビテーショナル・アジア」。本シリーズは、メジャー覇者の古江彩佳や笹生優花をはじめ、渡邉彩香、蛭田みな美、2018年本大会覇者の稲垣那奈子らを輩出してきた世界最高峰のジュニア登竜門。昨年、日本で初開催された2025年大会を制した長澤愛羅が、その後「日本女子アマ」を制覇し、ブレイクを果たしたように、アジアの頂点から世界・プロへの扉を拓く架け橋として絶大な注目を集めている。富士山を望む静岡県裾野市にあるファイブハンドレッドクラブ(6492ヤード・パー72)で開催中の大会第2ラウンドは、澄み渡る秋空の下で行われた。

15mロングパット炸裂!道上稀唯が有言実行の単独首位奪取

画像: 道上稀唯(滝川第二中学校2年)

道上稀唯(滝川第二中学校2年)

54ホール・ストロークプレーの折り返しとなる第2ラウンドは、最終日の優勝争い、そしてフロリダ行きチケット獲得圏内(上位3枠)を大きく手繰り寄せる重要な「ムービングデー」である。山裾特有の複雑な風と傾斜を読む緊張感の中、アジア各国から集結したトップジュニアたちがピンを果敢に攻める強気のバーディ合戦を展開した。

その中でスコアを伸ばし、通算7アンダーで単独首位に躍り出たのが、2026年世界ジュニアゴルフ選手権(13〜14歳の部)覇者の道上稀唯である。

前日の第1ラウンドで多くのチャンスを逃した悔しさをバネに臨んだ道上は、14番で約15メートルのロングパットでバーディを奪うなど、5バーディ・1ボギーの「68」をマーク。「去年大会、第2日にスコアを伸ばせなかったから、今日は絶対いいプレーをしたい、と気合を入れてスタートしました」と振り返り、後続に2打差をつけて首位を奪取した。最終日に向けて「チャンスでしっかり決める。優勝? 自信はあります」と言い切る姿には、世界王者としての強い自負が滲む。

連続猛爆パットの仁科優花、ノーボギーのシン・フェイユーが2打差追走

画像: 仁科優花(第一学院高等学校2年)

仁科優花(第一学院高等学校2年)

その道上を2打差(通算5アンダー)の2位タイで猛追するのが、同じく2026年世界ジュニアゴルフ選手権(15〜18歳の部)を制した仁科優花だ。

仁科は序盤の2番で20メートル、続く3番でも15メートルという圧巻の連続ロングパットを沈めてバーディとし、一気に波に乗った。首位の道上(13〜14歳の部女王)と2位の仁科(15〜18歳の部女王)による「世界ジュニア覇者同士の直接対決」は、今大会最大のハイライトである。「あすはスコアなどを気にしないで、目の前の1打に集中してプレーをします。そうすれば、結果はついてきますからね」と語り、冷静沈着に逆転のチャンスをうかがう。

画像: オーストラリア・メルボルン在住の15歳、中国のシン・フェイユー

オーストラリア・メルボルン在住の15歳、中国のシン・フェイユー

同じく2位タイには、オーストラリア・メルボルン在住の15歳、中国のシン・フェイユーが浮上。このタフなコンディションの中で見事ノーボギーのラウンドを演じきった。「ホテルの窓から富士山が見えてラッキーな気分。ボギーフリーのラウンドは富士山のおかげだったかもしれません」と笑顔を見せ、アジア屈指のスケール感あふれるプレーで逆転圏内につけている。

画像: 井澤優(岡崎城西高校3年)

井澤優(岡崎城西高校3年)

さらに1打差の通算4アンダー・単独4位には井澤優がピタリと追走。後半14番から圧巻の3連続バーディを奪って急浮上を果たし、「今月は誕生月。この大会で優勝したい。カギはパッティング」と気迫を漲らせている。

「More Than Golf」――世界へ羽ばたくパスポートを掴むのは誰か

画像: アニカ・ソレンスタムによる「アニカ・ゴルフクリニック」を月曜に開催した

アニカ・ソレンスタムによる「アニカ・ゴルフクリニック」を月曜に開催した

本大会が特別なのは、単なる勝敗を競う競技会にとどまらない点にある。大会理念に掲げる「More Than Golf」の精神に基づき、開幕前日にはアニカ本人による直接指導「アニカ・ゴルフクリニック」を開催。第1ラウンド後にはサーティワン共催のワークショップが行われ、第一印象を高めるスマイルレッスンやアイスクリームを使ったサンデー作りなど、人間形成や国際交流、ライフスキルの育成が図られている。

明日10月29日、富士の麓で繰り広げられてきた熱戦はいよいよ運命の最終ラウンドを迎える。

通算7アンダーで単独首位を走る道上稀唯が逃げ切るのか。それとも2打差で追う仁科優花、シン・フェイユー、そして2位グループと1打差(首位と3打差)の井澤優ら猛追陣が劇的なドラマを巻き起こすのか。

そして何より、上位3位タイまでに授与される2027年米国フロリダ開催「Hilton Grand Vacations ANNIKA Invitational presented by Rolex」への出場権と旅費補助(1500ドル)を手にするのは誰なのか。アニカ・ソレンスタムの薫陶を受け、心技体を研ぎ澄ませたアジアの若きヒロインたちが挑む運命のラスト18ホールから、最後の最後まで目が離せない。

写真/大会提供


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