小学生Vは世界ジュニア覇者
会場のサンコーカントリークラブ東コースは、1990〜98年に男子ツアー「サンコーグランドサマー」の舞台となった本格的なチャンピオンコース。現在もJGTOのサードQT会場となっており、プロも苦しむ難コースだ。
当日の天候は快晴。加えて上州名物、冬の”からっ風”もこの日は無縁で、冷え込みはしたものの12月中旬としては絶好のコンディションの中、総勢156名のジュニアたちが、午前7時のトップスタートから元気にティーオフしていった。
中学生・高校生男子は青マーク(6903ヤード・パー71)、中学生・高校生女子は白マーク(6284ヤード・パー71)、そして小学生男子・女子は赤マーク(5565ヤード・パー72)を使用して行われた今大会。各部門ともハイレベルな闘いを経て優勝者が決まった。

毎年、会場となるサンコーカントリークラブがジュニアたちの技量を試す
高校生男子の覇者は井上滉太さん(埼玉栄高2年)。部門唯一のアンダーパー(32・38=70)をマークした。24年全国高等学校ゴルフ選手権の団体戦7位に入賞した実力者だ。
「出だしのパー5でバーディが獲れ、4番のチップインバーディで乗っていけました。得意なウェッジも決まっていました。高3では日本アマに行って上位に入り、全国大会でも優勝を狙っていきたいです」
高校生女子を制したのは臼田藍さん(群馬・前橋育英高1年)だ。1オーバー72(36・36)にまとめ、2位を4打引き離す圧勝だった。
「先週の練習ラウンドで78を打ってしまったので、どこが悪かったのかを復習しながらできました。ショートパットを1つも外さず、1メートル以内は全部入りました。25年は日本女子アマに出場して、高3でプロテストに合格したいです」

高校生の部、男子は2年生の井上滉太さん(左)、女子は1年生の臼田藍さんが優勝
中学生男子は依田悠誠さん(長野・軽井沢中3年)が1オーバー72(35・37)で優勝した。
「グリーンをセカンドでこぼした時にアプローチでパーを獲れました」
25年春からは実家を離れ、練習環境に恵まれていることから選んだ開志国際高(新潟)で寮生活がスタートする。
「全国大会に高校1年生から出場したい思いが1番強いです」
中学生女子で勝利を飾ったのは佐藤陽花さん(東京・共立女子第二中3年)。36・35のイーブンパーで2位に6打差をつけた。
「前半はバーディを獲ることができなかったんですけど、後半にアイアンの方向性が調整できました」
24年は「東京都大会も優勝できて、そのまま関東中学校ゴルフ選手権も優勝できました」という成長株。高校に進学する25年は「学業とうまく両立して、全国大会に高校1年生から出場できたら」

中学生の部、男子は3年生の依田悠誠さん(左)、女子は3年生の佐藤陽花さんが優勝
小学生男子は山田空さん(東京・南平小5年)が37・30の2アンダー70という好スコアでチャンピオンに輝いた。
「アンダーを出してうれしかった。全体的に悪いクラブがほとんどなくて、パターもいろんなところから入りました」
23年に小平智カップ、24年は市原市ジュニアゴルフオープンでも優勝した伸び盛りの11歳。「プロになって、タイガー・ウッズを超えてランボルギーニを買いたい」と大志を抱く。
小学生女子優勝の高橋なつ希さん(東京・入新井第五小5年)は、24年7月の世界ジュニアを制した逸材だ。
「あまりバーディは獲れなかったけど、もったいないボギーを打たずに耐えられました」と、34・37の1アンダー71に納得の様子だった。
世界ジュニア優勝で「自分でもできるんだと自信がつきました」。「日本女子オープンで本戦に出る」「全米女子オープンで優勝を目指せる位置で戦いたい」を目標に掲げる。

小学生の部、男子は山田空さん(左)、女子は高橋なつ希さんが優勝。ともに5年生
各部門の優勝者は有賀園ゴルフ2万円の商品券と、翌年「ゴルフダイジェスト ジャパンジュニアカップ」推薦枠を獲得。また、中学生女子の優勝者には「リシャール・ミル ヨネックスレディス」、高校生女子の優勝者には「ヤマハレディースオープン葛城」のマンデートーナメント出場権が贈られた。