テーラーの「SLDR」は“打感”、“打音”ともに好感触!
2013年に発売されたテーラーメイド「SLDR」(エス・エル・ディ・アール)。前作の「R1」から1年も経たないうちに新モデルが登場したことになる。なんでも、2014年のPGAツアーの開幕が前倒しになった関係で、「SLDR」の投入も早めたらしいが......。いったい、どんなクラブなのだろう?
今回のモデルから白ヘッド路線を一転し、シブさがある「ガンメタ」にチェンジした。白いヘッドよりも、こっちのほうが落ち着いて構えられる。しかし、テーラーらしい丸形。ヘッド後方の銀色のデザインも主張しすぎず、それでいてターゲットを意識しやすくなっている。
「R1」を試打したときも感じたが、打球を目で追ったときにはイメージよりも先に言ってるかのような弾き感の強さがある。「SLDR」は重心位置が低く浅いため、スピン量が少なく、飛距離が伸びると言われているが、まさにその通り。少々下目に当たっても、スピン量が増えすぎず、飛距離の落ち込みが少ない。
もちろん、芯や芯よりちょっと上目に当たれば、低スピンの強い球で飛ぶのは言うまでもない。そして、なによりも聞いて欲しいのが「打音」。打球音は「R1」よりもおとなしくなって、中~上級者好みになっている。そのせいか、打感もマイルドで、球のコントロールもしやすくなっている。
試打したときのヘッドスピードは約43m/sだが、ロフトは10.5度で「若干球が高いかな」という印象。ただ、9.5度のヘッドだと、スピン量が減りすぎて球が上がらなかったり、コントロールできなくなる可能性がある。なので、ロフト調整機能を使い、角度を立てると自分に合ったポジションを見つけることができるはずだ。
重心の低く浅いドライバーはロフト多めを選び、そこから調整するのが失敗がない。そして「SLDR」のもう一つの特徴は、ソールに設置されているウエイト(18g)をトウ・ヒール側に動かせることだ。最大で6ミリも重心距離が移動するとのこと。
それぞれマックスにウエイトを動かすと、素振りしただけで、違うクラブに変わったことが分かるはずだ。トウ側にウエイトを寄せるとヘッドが「重く」、逆にヒール側にすると「軽く」感じる。実際打ってみると、想像以上に弾道が変化した。トウ側に寄せると、ややフェード気味の弾道。ヒール側に寄せると強いドローがかかる。可変式ドライバーでここまで球筋が変化するのは初めての経験。ウエイトの位置次第で自分の思った通りの弾道で飛ばすことができる。
ちなみに一番力強い球を打つことができたのは、ウエイトをトウ側に寄せてフェースがしっかり返ったとき。ツアープロでさえも「SLDR」の低スピンに驚いて、ロフト角を10度以上に設定している場合も多いようなので、我々アマチュアゴルファーはロフトが立ったのを選ばない方がベターだろう。それが、このドライバーでぶっ飛ばす最大のポイントだ!