政府専用機のパイロットからリタイヤして競技ゴルフにハマった小野賢司さん。実兄から伝授されたオースチン打法で2015年関東ミッドシニアゴルフ選手権で優勝した。

競技ゴルフデビューはシニアになってから

 政府専用機のパイロットとして、進行や企画に携わっていた小野さんが、競技ゴルフに真剣に打ち込むようになったのは、56歳でその重要な任務をリタイアしてからだ。「55歳のときに、念願だった会員権を購入したんです。日本に政府専用機が初めて導入されたのが、平成3年で当時、私は41歳。運転教習のため、シアトルに4カ月滞在していたとき、教習の前後に一人でカートを引いて、毎日のようにゴルフを楽しんでいたんです。そのときからですね、いつか思う存分、ゴルフをやりたいな、と」 早く上達するためには、厳しい環境に身を置くのがいちばんと、近隣でもっとも難易度が高い、セベバレステロスGCを購入した。「パイロットをリタイアした後、航空機のパーツメーカーに勤めていたんですが、週末は航空ショーのアテンドなどがあり、クラブ選手権には出場できませんでした。ただクラブ対抗の選手になれたので、そこで技術とメンタルを学んだんです。個人戦にはないプレッシャーがあるし、叩けないのでマネジメントの勉強になりました」

”土の打席”があったから
ここに移り住んだ

茨城県つくば市にある「天川ゴルフ練習場」
「ここは昔懐かしい土の打席で練習ができる。もちろんマットも置いてあるのでご心配なく」

画像: ”土の打席”があったから ここに移り住んだ

土の上からダウンブローを覚えた

土の上に置いたボールを打つ練習といえば、永久シードの片山晋呉や宮本勝昌、横田真一を輩出した水城高校ゴルフ部が有名。「土の上からだと、ダフリやトップのミスがすぐにわかるし、手や体にもやさしいんです。マットのように直線がないから、目標に対して真っすぐ構える練習にもなりますよ」

画像: 土の上からダウンブローを覚えた

ボールに当たった後に
土を削るんです

ヘッド軌道の最下点の手前でボールをとらえるのがダウンブローの基本。「土の上からだとインパクトがシビアなので、少しでもダフるとボールがまともに飛んでくれません。ボールの先の土を削るイメージで打っっています。

小野さんの250Yドライバーショット

以前は230ヤードだったドライバーの平均飛距離が、オースチン打法を習い始めてから、250ヤードに伸びたという。「オースチン打法では、ねじれや回転運動、フェースターンを使わないので、飛距離が20ヤード伸びただけでなく、左右に大きく曲げるミスも激減しましたね」

競技ゴルフを始めて10年。65歳になって、小野さんはスウィングを大きく改造した。「私にゴルフを勧めた兄が、かつて米国で飛ばし屋として活躍したマイク・オースチンというプロのスウィング理論を学び、ライセンスを取得したんです。昨年の5月にそのレクチャーを受け、思い切ってスウィングを変えたんです。それまでは体のねじりや回転、フェースターンを使う打ち方をしていましたが、オースチン打法は回転もフェースターンも使わないので、体にもやさしいし、短期間で習得できる。これが私にぴたりとハマったんです」

マイク・オースチン

画像: In search of The Greatest Golf Swing Philip Reed著

In search of The Greatest Golf Swing Philip Reed著


64歳で515ヤード飛ばしたギネス記録保持者

サム・スニードに「ゴルファーを辞めてあんたのマネージャーになるよ」と言わしめたエピソードや試合中に515㍎を飛ばしたギネス記録など数々の逸話が残っている。テコの原理を使ったスウィング理論を説明する時には骨格がプリントされた衣装を着て教えていた。

その②に続く

月刊ゴルフダイジェスト 2016年3月号にて掲載
6月号では東京都社会人ゴルフ選手権優勝の三上哲人さんのゴルフに迫ります!

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