2015年関東ミッドシニア優勝の小野賢司さん
競技ゴルフを始めて10年。65歳になって小野さんはスウィングを大きく改造した。実兄が米国で学んできたオースチン打法とは64歳で515Y飛ばしたギネス記録を持つマイク・オースチンの理論だという。「念願だった競技ゴルフをこれからも」小野さんはこれからも競技ゴルフを楽しみたいと話す
実兄は日本人唯一の
オースチン打法継承者
オースチン打法はフェースローテーションをしない。スウィングプレーン上をフェースがいつでもスクェアに動くから曲がる要素を排除できるメリットがある。
ボールに向けたまま上げてフォローで空を向く
左手首は左手の甲側にしっかり折る。バックスウィングでは左手首は甲側に折れて、フェースはボールを向いたまま。「思い切ってシャットに上げる意識が必要なんです」
フェースを返さずに
自分の顔に向ける
フェースはバックスウィングからインパクトまではボールに向けたまま。「フォローではターンさせずに自分の顔に向けるように振り抜きます」
フェースを返すのは
タイミングが難しい
一般的なフェースを返す打ち方は、確かに飛距離や球筋の打ち分けにも有利に働く。「この打ち方は習得にかなりの時間と努力が必要ですね」
継承者の実兄
小野克己さんに聞いた
右手の使い方は縦のコックは使わずにいわゆるヒンジを使ってフェースを同じ向きに保つ。
「前腕を回転させる動きは一切使いません。その場で甲側に折ってバックスウィング、インパクトで元の形に戻り、フォローでは手の平側に折れていきます、回転させないので動きはシンプルです」
左手の使い方
甲側にしっかり折りながら上げる
「左手も回転させません。右手首の使い方と同じなので邪魔をしません」どのショットでも同じ使い方をするのでショットによって違った動きを習得する必要がないのも上達の早さにつながります
体の使い方
左肩は回さずに下げる
肩を縦に使って回さない。体をねじることはしない。骨格を使ってテコの原理を利用するために縦に使う。バックスウィングでは右サイドを伸ばすと左肩は自然と下がる
ダウンスウィングでは、左に体重を乗せながら伸ばす。下半身を縦に使うことでパワーを生みだす。その際に左わきを締めて振り遅れを防ぐ
日本人唯一の継承者
小野克己さん
オースチン打法は体にやさしいスウィング理論なんです。体のねじりや回転を使わないから腰に負担が少ない。手首やフェースのローテーションを使わないから曲がるリスクも少ない。マイク・オースチンは2005年に95歳で亡くなっていますが、1974年の全米シニアオープンで515ヤード飛ばしたギネス記録があります。当時はパーシモンに糸巻きボールで現在でもその記録は破られていません。弟の賢司はこの理論を学んでからわずか半年で関東ミッドシニアに優勝し、この理論は短時間で習得できると実証してくれました。
月刊ゴルフダイジェスト 2016年3月号掲載
6月号では2015年東京都社会人ゴルフ選手権優勝の三上哲人さんのゴルフに迫ります!