持ち球を変えるのはプロといえども難しい。浜野治光プロは知る人ぞ知る『2000回素振り』鬼、森田道場を生還した数少ない一人だ。浜田プロはプロ入り当時尾崎将司の飛距離に触発されてフェードからドローへ持ち球を変更。そしてシニアで戦うようになると尾崎健夫の指摘を受けて再び持ち球をフェードに変更。困難な持ち球変更を可能にしたのは、やはり『素振り』だった。
ジャンボに触発されドローへ、四半世紀後ジェットに指摘されフェードへ変更
今でも素振りとウォーキングが飛ばしの原動力になっているという浜野プロは、250Y近く飛ぶドローから今年、プロ入り当時の持ち球であるフェードに戻した。「当時ジャンボさんと回った時に、僕のフェードでは飛距離的に戦えないなと感じたんです」
そうしてインサイド-アウト軌道へとスウィングを修正し、ドローを打ち続けて四半世紀。ふと尾崎健夫からかけられた言葉で、60歳前のスウィング大改造がはじまった。「インパクトでクラブが寝て、手が体から離れてしまっていたんですよ。『ドローが打ちたい』と思うがあまり、自然にそういう形の素振りをしてしまっていたんでしょうね」(浜田プロ)。
ジャンボに触発され、ジェットに指摘されたという浜野プロのスウィング変遷も面白いが、浜野プロが気を付けているのが、「インパクトで手を体の近くに通すこと」だ。
クセを直したいなら、球を打つより素振りがいい
「スウィングを直した経験のある方なら分かると思いますが、練習場で『悪いクセを直したい』と思って振っていても、実際に球を打っていると、実は全く直っていないケースはよくあります。『素振りだったらうまくいくのにな~』ってよく言いますよね。じゃあ素振りで直した方が手っ取り早い」というのが浜野さんの意見だ。
どうしても「素振りはつまらない、球打ちは楽しい」と思いがちだが、直せなかったスウィングの欠点が直せるとなると、続くものだ。あらためて素振りの有効性に気づかされた。
※月刊ゴルフダイジェスト2016年6月号より
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