前回は、締まりやすい砂について、砂の専門家・砂山さんにお話をお聞きしました。つづきまして、難易度の高い『フカフカなバンカー』についてです。ちなみに上写真はリージャスクレストロイヤルコース18番、ガードバンカーの砂。手に乗せるとサラサラと落ちていく、粒子の細かい砂です。コイツが目玉になりやすくて怖いんだ…。
見た目に美しいけれど厄介な代表格が海砂。「白くて見た目が良いことから、リゾートコースなどで多く使われますね。ですが粒子が細かく揃っているので、砂が締まりにくい。大目玉になりやすいのがこのタイプの砂ですね」
というように、ひとことで『バンカー』と言っても、性格は対照的。ちなみに砂山さんは、柔らかいバンカーではバウンスのあるタイプを使い、締まったタイプのバンカーには、バウンスのないタイプと、2本のSWを使い分けているそうです。
「以前は、多くのコースでクロスバンカーは締まりやすい砂が、ガードバンカーは柔らかい砂が使われていました。でも最近、経済的な事情で、2種類を使い分けるコースが減ってきています。さらに砂の入れ替えはお金がかかるので、何年も同じ砂を使わざるを得ないコースも多い」
砂は時間が経つと粒子同士が噛み合って、固く締まってしまう。「何年かに一度、砂を総入れ替えするか、定期的にひっくり返して、粒子の間に空気を入れてやらないといけないんですが、砂は皆さんが思っている以上に高いんです。費用的な問題ですが、砂を入れ替えていなかったりメンテがされていないコースの砂は固く締まり、バウンスが跳ね返されやすいんですよ。よく言われる『砂がない』という状態は、砂の量が少ないのではなく、粒同士がこうやって固く締まった状態なんですよ」
ちなみに「固く締まったバンカーは、バウンスの少ないウェッジで、エッジから入れるのが良いですね。ベアグラウンドと同じく、エッジが突き刺さることなく滑ってくれますよ」と砂山さん。ぜひ試してみたい打ち方ですね。