皆さんこんにちは。地獄耳のケンジロウです。
本誌7月号(松山君が表紙です!)では、私が取材した藤田寛之プロのクラブのこだわりを紹介していますが、その誌面で伝えきれなかった話を、ここで何回かに分けて紹介します。いろいろしゃべってもらったのに、皆さんにご紹介できないのはもったいないですからね!(^^)!
誌面と合わせてご覧いただくと、藤田プロのギアに対する考え方、その哲学がよーくわかるはずですよ。今回は本人との対話形式でお伝えします。
プロV1との出合いは
衝撃的だった
ケンジロウ タイトリストのボールとウェッジって、もう何年ぐらい使っているんですか?
藤田 そうですね、2008年から契約していますから、もう9年経ちますね。タイトを使う前はずっとブリヂストンのボールを使っていました。
その当時、プロV1に替えた理由は何だったんですか?
実はずっと使いたかったんですよね。練習場ではタイトリストのボールがあったらいつも打ったりしていました。そのフィーリング、独特の柔らかさがすごい好きだったんですよ。でも正直に言うとね、最初に替えたときは打感が柔らかいんで、ドライバーで230ヤードぐらいしか飛んでいないような当たりがしていたんですよね。練習場のボールだと飛ばない感じすることあるでしょ。あの感じが、あったんですよ。
でも実際タイトリストのボールをコースで打ったら、着弾点に行ってみると、まぁ他のボールとそん色ないぐらい飛んでいるっていうか、むしろ飛んでた。ほんと不思議なボールだったんですね。ドライバーに関してはそんな感じなんですけど、でも決め手はショートゲームですよね。その打感の柔らさっていうのが、非常にボールの引っ付き感だったり、距離感だったり、そういったものにすごくプラスに作用してる感じで、何とも言えないフィーリングがあるんですね。自分は基本的に柔らかい感覚が好きっていうのがあってね。
それってプロV1ですか?
そう、V1。自分はもう、迷わずいつもV1を選ぶんですよ。ドライバーだと、X(V1x)の方が5ヤードぐらい飛ぶんですけどね。キャリーで。だから本当はドライバーだけXを打たしてもらって、あとはV1で打ちたいっていう、そんな感じなんですよね。
新しいボールが出るたびに、「V1」を選ぶ理由は?
やっぱり柔らかさですよね。でもタイトリストのV1xとV1っていうのが、いろんな硬さ、フィーリングでこう、2年に1回リニューアルして出てくるでしょう?そんな中でXが柔らかくなる時とか、V1がX寄りになったりとかね、微妙に変化してくるんですよ。V1がちょっと硬めになったりね。ちょっとこうボールが強めにいったり、スピンが多かったりっていう、そういうのがあって。それでXに変えようかなって思った時期もありました。
実際に替えた時期はあったんですか?
ありました。
それは何年ぐらい前ですか?
それはね、2013年かな?
賞金王取った翌年…?
マット・クーチャーとやったのは、骨が折れていたときだから、2013年ですね。
2013年のシーズン。
2013年の2月のアクセンチュアマッチプレーですね?
そう、賞金王とった翌年のオフ明けがアクセンチュアのマッチプレーでしたね。そこでボールがちょうど2013年のバージョンのボールに入れ替わって。それで、自分必ずトラックマンで測定するんですけど、Xのほうが数値がよかった。
どこの数値を見るんですか?スピン量ですか?
まぁスピン量だとか、弾道の放物線とかを見るんですね。自分の感覚だけではわからない領域だったりするんで。
それはドライバーもアイアンも全部見る?
全番手じゃないですけどね。まぁドライバーとアイアンと。アイアンは大体5番と7番。距離がどうなっているのかとか、今年のXの特徴は何なのか、V1の特徴は何なのかというのがデータでわかるじゃないですか。自分の打った感覚も大事なんですけど、数値として知りたいっていうのがけっこうあるんですよね。
Xを選んだ時期もあるけど、使うとなるとV1を選ぶことが多いんですね。
んー、ですね。まぁやっぱりショートゲームのフィーリングですよね。ボールが新しくなってすぐの時って、オフシーズン使うことが多くて、オフは自分、葛城で練習するじゃないですか?葛城って風が強いんですよ。
えぇ、そうですね。2月、3月は特に強い。
そんな中で練習していると、Xの方が球が高くて、自分の感覚ではスピンが多いんですよ。それで、ちょっと潜っていくようなボールっていうのはV1の方が強いというか、風の中ではV1の方がコントロールできると。
なるほど。
まぁ一番はフィーリングですよ。フィーリングはもう最高ですから。軟らかいのに飛ぶっていうのが最高じゃないですか。ほんとはこの軟らかさだったら飛ばないはずなのに飛んでてっていう。
V1の良さはそこですよね。
硬いと、ショートゲームなんかは球離れが早いんで、どうしても縦の距離感っていうのが自信がなくなってくると思うんですよね。くっついてる時間が長いほど距離も合いそうだし。
この軟らかさって、なかなか他のボールでは……。
んまぁ、あんまりないですよね。もしくは軟らかいボールだとしても、今度は飛ばないとかね。
なるほど。
ちょっと硬いハード系の球でスピンがかかるのっていうのが、ちょっと前までの時代のボールの流行りっていうイメージがありましたが、これからは、柔らかいのにスピンが抑えられて飛ぶっていう風に変わってくるんじゃないかなと予想していますよ。
藤田プロが快進撃を始めるのが38歳ごろから。ちょうどタイトリストのボールを使い始めて2年ぐらい経ったころ。プロV1との出合いがなければ、「ひょっとしたら今の強さはなかったのでは」と思うのは、僕だけじゃないでしょうね……(-_-)/~~~ピシー!ピシー
藤田プロのクラブへのこだわりは、本誌7月号に詳しく載っています。そちらも合わせてご覧ください
写真/有原裕晶