こんにちは。ケンジロウです。今日も藤田寛之プロのクラブの話をお届けします。
今回はパターについてです。
ケンジロウ 続いてはパターの話です。キャメロン歴は長いですけど、たまにこうモデルをスイッチするじゃないですか。ブレードだったり、マレットもたまに使ったり。
藤田 L字とかもね。
2年前の芥屋で勝ったときは、まったく今まで使ったことのないツノパターで勝ちましたよね。
あの時はマレットを使いましたけど、高麗グリーンに対してイメージを変えたかったのでね。去年は芥屋のグリーンのスピードが結構速くなっていて、そこまでイメージを変えなくても大丈夫かなっていう。変えるときはまぁ、基本的に今使っているパターの調子がいまひとつフィーリングが合わないときですよね。それ以外には自分がやりたいことがある時とかね。例えばアイアンみたいにして打ちたいんであればL字で行ったりとかね。
ショットの様にパターも打ちたいと。
そうですね、例えばアプローチみたいにして打ちたかったりとか、パターの打ち方にこだわらずアプローチ打ってるみたいにこうボールを打ちたいって時ってあるんですよ。そういうときはL字にしたりね。ストロークが気になってしょうがないときは、センターネックを使ったりします。
パターにあんまり不安を感じてないときは、エースのピンタイプを使うんですか?
んー、一概にそうは言えないですね。不安の要素もいろいろあるじゃないですか。ストロークなのか、道具なのか、感覚なのか。それによって違うんですよね。だからあえて調子悪いけど、ピンタイプをずーっと使ってるときってあるんですよね。
ああ、そうなんですか。
それはもう自分の打ち方自体がおかしいとか、打ち方をもっとこう追求していかないといけないっていうことなんです。パターをいろいろいじってると、打ち方が定まらないから。パターによって極端に言うと打ち方って違うはずなんで、体の動きがね。そしたらパターは変えずに動きは一緒にしておいて、打ち方を追求していきます。
あくまで拠り所はピン型になるんですね。
自分のこの感覚的なものというか、どうしてもそういうのが好きみたい。車でも2ドアが好きとか、4駆が好きだとか、なんだか知らないけど選んでしまうものってあるでしょ?単純にそういうレベルですよね。
なるほど。それで自然とピン型が出てくる場合が多いんですね。
生まれ育った環境というか、ジュニアの頃からずっとピン型でずっとやってきたので、その影響だと思うんですよね。
打感はどうなんですか?キャメロンの打感っていうのは、毎回大体そろってくるものなんですか?
いやー、そこまで完璧には揃ってないですよ。形状とか素材によって変わりますからね。構造によっても変わってくると思うし、フェースの厚さだったりで微妙に変わってくるんでね。
好きな打感というのはどんなイメージなんですか?
自分は軟らかさの中にちゃんとしっかりとしたヒット感があるものが好きです。素材で言えばそれはGSSだっていうことになるんですけどね。でもキャメロンのパターって最初打った感じってそんなにいい感じじゃないと思うんです。これをね、1週間、2週間、1か月、3か月使ってくるとなんとなくいい感じに変わってくる。
音もいい感じに変わってくる。最初はボコっとか、ガチッとかくる。鉄とボールを打ってる感じ。だけど、そこに少し高い音とか、弾く感じっていうのが出てきたら、本物のキャメロンユーザーですよ。
へぇー、そうなんですね。
例えばコーヒーひとつ取ってもね、要はコーヒーでしょ、最初の頃って。だけど、ずっと飲んでると、あ、豆が違うとか、味が違うとか、酸味がある、苦みがある、コクがあるとかわかってくるでしょ。キャメロンっていうのはそういうもんで、最初の時っていうのはあんまりいいと思わない。ほかのメーカーで弾きがよかったり、フィーリングがいいパターってこの世の中にいっぱいあるんですよ。
はい。
だけどそういうのとは違う、その本来のパターのよさのものがにじみ出ているのがキャメロンのパター。だから、それは本当はプレイヤーが感じなきゃいけない。今はそういうのじゃなくて、メーカーがセールストークでいろんな目玉を出して、それに飛びつく人達がいるけれども、本来ゴルフというとそういうとこじゃなくて、やっぱり一つのものに対してじっくりと会話するというかね、そういうのが大事。ワインなんかもそうでしょ。これはブドウの産地がコレですねとか。僕の好きなものはこんな味わいだとか。
でもヘッド自体は変えてくんですか?新しいのが出たら。
あぁトライしますよ。トライしている中で最近はヘッドがどんどん小さくなっていることに気づいたんですよ。最初はタイガーのニューポート2の似たようなのから始まって、どんどんと小さくなってきた。ま、キャメロン自体がちょっと小さくなったんですよ。ピンアンサー系が。
それでこのオフに、一度パターを見直しまして。まぁ去年はパッティングあんまりよくなかったからね。それで、その前のサーカ2とか見たらめっちゃ小さいんですよ。こんな小さいの打ってたのかって、思いましたね。あまりにもこれじゃあ厳しいじゃないみたいな。そのタイガーのモデルの前に一番使ったSSSのパターって結構大きいんですよ。それをオフにちょうど使ってたんですよ。今シーズンそれを使おうと思ってね。
昔のやつを引っ張り出してきたんですか。
そう。過去のね。その大きさが良くって、打感も良くて、しばらく使っていたんです。ところが新しいのが出来ましたって言って、タイトリストのレップの方持ってきてくれたのが3月の最初、葛城の合宿で。
それのサイズ感が大きかったんで、うーわ、これいいじゃないですかって。ドンピシャ、はまったんですね。今はそれがエースパターですね。
藤田寛之のクラブへのこだわり、もっと詳しくは、月刊ゴルフダイジェスト7月号に掲載しておりますそちらも合わせてご覧くださいね~(●´ω`●)
写真/有原裕晶