前回ご紹介した赤羽「OK通り」が、おじさまとOLさん入り乱れる現代版・呑兵衛横丁とすれば、今回ご紹介する大宮駅・南銀座通りは、さらなるカオスな歓楽街。
一番近いコースは、若き日の尾崎将司プロが低い球を磨きにたびたび現れたという「ノーザン錦」。荒川河川敷に広がる全43ホールの巨大ゴルフ場です。
近所の「ノーザン錦」でプレーした後は、ゆっくりとお風呂に浸かってネオン輝く「ナンギン」へ。延々と追いかけてくる呼び込みを潜り抜け、1本わきの路地へ逃げ込むと、表通りの喧騒とは裏腹に、強烈な引力を発する赤提灯が軒を連ねます。そして、なぜかホッとする…。
良い香りとオーラに誘われ、細い路地を奥へ奥へと進むと、「もつ焼」と書かれた魅惑の赤提灯が。これは入らずにいられまい…。
値札を見るに、余裕のセンベロ。入口で炭火を起こす旦那にお好みを4本頼んで、ハイボールをグビリ。この瞬間を天国と言わずして、何と言おう。
「煮込みもウマいよ~」の声に負け、煮込みも追加。こういうお店の煮込みで外したことのある方は、そういないのではないでしょうか。
さらにカウンターの上にはセンベロ横丁の代名詞、おでんが。どれも味が染みてそうで、頼みたくなっちゃいますが、こういうお店は腹六分くらいで抑えておいて、再訪するのが呑兵衛のお約束ですね。
「ゴルフ雑誌なのですが…」とお伝えすると、「ウチは紹介するほどのお店じゃないですよ」とはにかみ顔の大将。こんな奥ゆかしさも、昭和の香り残る「ナンギン」の横丁には似合います。ちなみにヒントは南銀座通りをすすみ「来々軒」のある横丁の奥、とだけ。ぜひ、探しに行ってみて下さい。