井上誠一が1973年に設計した烏山城カントリークラブ。起伏と変化に富んだ『本丸』『二の丸』『三の丸』という名の3コース27ホールからなるこのコースは、日本女子オープン開場として知られますが、歴史好きからは別の意味でよく引き合いに出されます。
『烏山城』と言えば、那須与一でおなじみ那須氏の居城として歴史マニアの間では知られますが、実際の城址跡はゴルフ場より3~4㎞南、むしろ風月カントリークラブの南斜面にあります。ということは…『烏山城カントリークラブ』というネーミングは単に名前だけなのか…? と思いきや、ちゃんとした由緒をコース内に見ることができます。
石碑には『大桶根古屋城』とあります。後日調べてみると、面白い事実を見つけました。
このお城は応永22年(1415年)に那須一族の大桶備前守義康が居城として築いたようです。現在はコース造成のため大部分が切り崩されてしまっていますが、曲輪(くるわ・城を守る構築物)の大部分は現存しています。ということは、本来「大桶根古屋城カントリークラブ」という名称が正しいのでしょうが…マイナーすぎますし、本家名前をお借りしたと言うことで…。
名前については置いておくとして、驚くのが当時でも珍しい地下道が遺されているとのこと。劣勢時に用意された抜け穴という説もあり、これは次回ラウンド後に調査の必要がありますね。
ちなみに烏山城カントリークラブにはホテル並の宿泊施設があり、さらに敷地内の焼肉レストラン 「粋虎」はウマいと評判。井上誠一設計のコースを楽しんだ後は焼肉を楽しむか城跡探検をするか…個人的に悩ましい所です。