①グリーンの旗竿はなんで『ピン』と呼ばれる?
ルールブックを見ると、ピンの正式名称は『旗竿』。英語でも『フラッグスティック』となっている。ピンというのはあくまでも俗称である。
その語源は、昔スコットランドで裁縫で使う留め針のような旗竿が使われていたことから。この形にはもちろんワケがあり、スコットランドの強風に耐える構造を追求した結果、上部の丸い部分は藤などで篭のように編まれたものが棒に差し込まれている。これなら風の吹き抜け飛ばされることがないということだ。
②1ラウンドが18ホールっていつどこで決められたの?
もちろん起源はセントアンドリュースだが、理由は、まだ22ホールあった頃、とある名物ゴルファーが冬、1ホールごとにキャップ1杯のスコッチを飲みながらプレーしていたところ、必ず18ホール目で瓶が空になり、残り4ホールが寒くてかなわない。
そこで18ホールに短縮することをクラブに願い出た――というのは単なる作り話。実際は1764年に決議された改造によるもので、18ホールは偶然の産物なのだ。
③社団法人のゴルフ場って他のコースと何が違うの?
一般のゴルフ場は株式会社が経営しているが、全国31コースだけ非営利の公益法人である社団法人が運営するゴルフ場がある。関東では霞ヶ関GC、東京GCはじめ、程ヶ谷、鷹之台、我孫子など。関西では茨木、宝塚、神戸GCなど『名門』と呼ばれるコースが多い。
これらゴルフ場は各道府県の教育委員会により「ゴルフの普及振興」や「正しいゴルフの伝統を保つ」といった公益性が認められ、1923年開場の茨木CCから1965年の周南CCまで、31コースが認可されており、それ以降、社団法人として認可の下りたゴルフ場はない。
④アップダウンのあるコースでヤーデージはどう測る?
表示される距離は地面に沿って測った実測でも図面上の距離でもない。測量と同じような方法で、ポイントに光波を当て、その跳ね返りで直線距離を測る。さらにそれから高低差を修正、水平距離に直している。たとえば打ち下ろしのパー3ならピンを真上、ティと同じレベルになるまで伸ばし、ティから水平にピンまで測った数値となる。
またパー4やパー5では途中、直線で落とせる位置に『IPポイント』というプレー線の基準点が設定されており、ティからIPポイント、IPポイントからグリーンを直線で結んだ数値の合計が距離となる。
⑤2グリーンのシステムって日本だけ?
1つのホールにグリーンがあるのは日本と韓国だけ。もともと砂を固めたサンドグリーンを使用するコースの多かった(後に野芝も使われた)昭和初期までは1グリーンが主流だったが、アメリカのベント芝『エバーグリーン』でプレーした先駆者たちからベント芝を要望する声が高まった。
それを受け多くのコースが採用したものの、夏の高温多湿で壊滅。やむなく夏場に強いコーライ芝とベント芝の併用となるケースが多かったようだ。ちなみに現在は高温多湿に強い芝も多く開発されたことから、2つのグリーンをつなげ、1グリーンとするコースが主流。
余談だが、セントアンドリュースのように1つのグリーンを往復でプレーするグリーンは『ダブルグリーン』と呼ばれる。
皆さんが知っている雑学はあっただろうか? きっとどこかで役に立つに違いない。