コースの目利きとして上司から一目置かれるようになったところで、またまたリクエストが入った。
今回は松山英樹が参戦以来PGAツアーの大ファンとなり、池あり、バンカーありのアメリカンコースでのラウンドを希望している大事なお客さんとのラウンドだそうだ。
アメリカンコースという言葉は、1980年代後半からちらほら聞かれるようになり、日本の元祖は昭和50年に開場した栃木のニューセントアンドリュースGCジャパンじゃないだろうか。今や世界中にジャック・ニクラス設計のコースはたくさんあるが、日本の、栃木のニューセントがミュアヘッドとの共作ではあるが“設計第一号”として知られている。
次は?となると、ゴルフ場に恐怖を持ち込んだ男、ピート・ダイの真里谷ゴルフリンクス(現在のきみさらずゴルフリンクス)の印象が強い。平成4年開場当時はラフの両サイドに胸ほどの高さのヒースが生えていた。
ボールをちょっと曲げたら、ロストボールもあったため数年後にはヒースは姿をけしてしまったが、それでもピート・ダイが作った骨格は、日本のゴルファーに恐怖を与えるには十分だった。
やや打ち上げの1番パー4を終えると、2番パー3(チャンピオンティ/203ヤード)で早くも池が登場する。左サイドがすべて池となっていて、グリーンまわりでは池が喰い込んでくる。花道に逃げるのか、ピンを狙うのか、ピート・ダイは早くも勝負を挑んでくる。
2番の池の対岸は6番パー3(チャンピオンティ/161ヤード)。2番、6番で往復ビンタを食らう人も多いらしい。
10番はチャンピオンティからでも493ヤードと距離の短いパー5だが、ここで日本のゴルフ場との大きな違いを感じる。ピンの位置をご覧ください! 通常営業日だというのに、段の上のさらに奥(写真参照)。1打目、2打目にプレッシャーを与えず、3打目で「さあ、このピン狙えるか」と挑戦してくるのだから。
きみさらずといったら、名物は17番パー3(チャンピオンティ/183ヤード)。米国TPCソーグラスを彷彿とさせるアイランドグリーンです。グリーン手前に「デビルズアスホール」と呼ばれるポットバンカーがあるだけで、グリーンのまわりはすぐに池。日本にいながらPGAツアーの雰囲気を体験できる貴重なホールです。
場所はアクアライン経由圏央道、木更津東ICから5キロ。電車ならJR内房線木更津駅で下車し、タクシーで30分、5000円です。
栃木のニューセント、兵庫のゴールデンバレー、そして千葉のきみさらず。この3つは日本の3大アメリカンコースとして、一度は回っておくべき必須コースです。
部長!今回は「きみさらずゴルフリンクス」を取って起きました。余計なことかもしれませんが、いつもよりボールは多めに持っていかれたほうがよろしいかと・・・。