今回は世界一のスウィングリズムの秘密に迫ります。どうすればアヤコさんのスウィングリズムを真似できるのでしょう? 江連忠プロにアドレスから解説してもらいました。
「足の指は絶対に浮かさない。
親指の付け根と土踏まずの間の部分で、
グイッと地面をグリップする感じ」
重心をどっしり落としてへそ4センチに集中
アヤコさんの外見だけでなく、内面の気持ちを真似よう
アヤコさんのアドレス、立ち姿は実にいい。どっしりとしている。しかも硬くなってはいない。柔らかい。こういう構えを作りたいから、みんな入念にワッグルをしている。
いいアドレスっていうのは、大きく見える。つまり、体重が下に落ちている。体重が落ちるわけない、というんなら重心と言ってもいい。あるいは「気」でもいい。へそ下のいわゆる「丹田」というところ、ここに全身の「気」が集中している。「気」という考えかた、大切だと思います。
古臭いと思うかもしれないけど、合理主義の塊みたいなアメリカでも、最近は東洋哲学が人気を博しているくらいで、単純な物理学だけじゃとらえ切れないものが人間にはあるということだろうな。
上半身が自由に動ける形 それが本当のアドレスだ
アヤコさんの場合、体重の80%くらいが下半身に落ちてる感じかな。下半身が重くて、まったく動かないイメージが感じとれると思う。微動だにしない感じ。これだけ重心が下に落ちているから、上半身が自由に動ける。存分に叩ける。いくら振っても間違いがない。それだけ 上半身から抜けている。凄いね。
普通のアマチュアは反対のスウィングをしている。上体を上手く使おうと考えて、上体に力が入る。 重心が上に上がってしまっている。上半身に力が入って重心が上に上がっている人が、無理やり上体を使ったって、ヘッドが走るわけがないんだ。
具体的には、例えばわきを締めすぎないとか、ひざをX型に固め過ぎないとか、いろいろあるけど、でもアヤコさんのスウィングの外見だけを真似ようとしてもダメだよ。内面というか、フィーリングを感じとって真似ないと意味がないんだ。形じゃなく感性が必要なんだ。
上下のワッグルで重心を落とす。自分の重心位置を再確認
重心を下に落とすためには呼吸の工夫も大切。また中島常幸プロがやっているように上下のワッグルもいい(ひざを使って上下しているうちに、重心が落ちてくれる)。あるいは馬に乗った気分をだしてゆったり構えるのもいい方法だ。緊張すると、上体に力が入ってしまうぞ。
そのグリップは、右手でバランスよく叩ける?
グリップの時の親指と人差し指の付け根でVができる。このV字が体のどこを指すか、けっこういろんな本に書いてある。でもアヤコさんは「形にあまりこだわらない。その人が肩に力の入らない握り方でいいと思う」という言い方をしている。雑誌なんかで皆さんも読んだことがあるでしょう。
こういうところがアヤコさんのいいところですね。細かいことや難しいことを言わない。当然なこと、絶対に必要なことしか言わない。アヤコさんが手の難しい動きのことなんか言ってるの聞いたことないと思いますよ。
それで、グリップで何が重要かというと、何よりもまず力加減。どんなにいい形のグリップでも、力いっぱい握っていたらリズミカルなスウィングなんて不可能だから。なるべく柔らかく握った方がいい。グリップの強さを10段階に分けたら、せいぜい3~4レベル程度の強さが限度だと思う。ぼく自身はレベル1~2くらい。アヤコさんもたぶん同じくらいだと思いますよ。
そしてスウィング中、その強さを変えないこと。バックスウィングのスタートで急に力が入ったり、あるいは逆に緩んでしまう。それではダメ。コンスタントな力加減で最後まで振り切ることが大切なんだ。右手で振るか左手で振るかというのも大切だ。なるべくなら、右手で振るスウィングをマスターできるといいとぼくは思う。だから、グリップの形も右手を主体に考える。右手を下から握る形ができるといい。その方がやさしいと思いますよ。
右手で叩けるスウィングを最初に覚えると、ゴルフが簡単になる。そのためには、右手は下から握る感じにするといい。いわゆるストロンググリップだ。そして左手グリップさえしっかりしていれば、存分に右手でボールを叩くことができるようになる。ただし、左が不在で右手だけのスウィングは論外です。右手に負けないだけの左手を鍛えておかないとダメ。