7月14日~17日、ロイヤル・トゥルーンで行われた全英オープンのオフィシャルスポンサーのマスターカードが、関東、関西で行われたチャレンジカップの勝者4人を招待。4人が驚いたメジャーの戦い。
ヘンリック・ステンソンの強さ、そして、日本選手の戦いをデータから見てみよう!勝つための条件、そして、日本選手の課題が、データから見えてくる。
飛距離ナンバー1はやっぱりバッバ・ワトソン
まずは飛距離のナンバーワンを見てみよう。PGAツアーイチの飛ばし屋と言われているバッバ・ワトソンは全英の風の中でもやはり一番。341ヤードという数字をたたき出している。次点のジェイソン・デイはバッバに劣らず336ヤードの記録。ちなみに優勝したステンソンの平均飛距離は9位だった。
1位 バッバ・ワトソン 341ヤード(1R)
2位 ジェイソン・ディ 336ヤード(1R)
9位T ヘンリック・ステンソン 320ヤード(1R)
日本選手
市原弘大 307ヤード(1R)今平、松山、谷原が304ヤード(1R)宮里301ヤード(1R)池田295ヤード(1R)
※計測値は6番ホールと13番ホールの各ラウンドの平均飛距離(1R)は1日目に記録。
70%近いフェアウェイキープ率が必要
続いてフェアウェイキープ率。これは意外や意外、エミリア―ノ・グリージョが1位で78%。アルゼンチン生まれの23歳で同国出身の選手として6人目の米ツアー優勝者。全英王者のステンソンは5位で73.2%、最終日まで健闘していたミケルソンは67.9%で15位タイだった。
日本選手は池田勇太が57.1%で56位タイ、市原弘大が53.6%で68位タイだった。上位に食い込んでいくためには、風の中でもフェアウェイキープ率が70%近くないといけないということが分かった。番外編だが予選落ちした松山英樹は28ホール中21ホールで75%。
※パー3を除く4日間54ホールで計測
パーオン率が優勝を争う必須条件だった
4日間、72ホールの集計でみてみると、パーオン率の高さが優勝を争う必須条件だということが分かる。
1位ヘンリック・ステンソン 72ホール中56ホール 77.8%
2位ダスティン・ジョンソン 72ホール中54ホール 75%
3位フィル・ミケルソン 72ホール中53ホール 73.6%
日本選手
75位タイ 池田勇太 72ホール中35ホール 48.6%
78位タイ 市原弘大 72ホール中34ホール 47.2%
スコアの決め手はパット数
各日のベストのパット数を統計(1Rは1ラウンド目)するとトップはなんと今平。今平のこの日のパーオン率は22%、寄せワンで最少パット数を記録。ステンソンは初日31、2日目以降は、28、24、27、ミケルソンも26、29、27、28と安定したパッティングだった。
1位 今平周吾 23パット(1R)
4位 ヘンリック・ステンソン 24 パット(3R)
28位T フィル・ミケルソン 27パット(1R)
スクランブル・懸命のパーを拾った池田勇太
※パーオンを逃したホールでパーをセーブしたホール数のランキング
予選落ちした松山英樹は8ホール(36H中)となっている。パーオン率が高ければスクランブルのホールは少なくなるが、ステンソンは72ホールで56ホールパーオンし、11ホールでパーを拾い、ミケルソンはステンソンよりパーオン率は低かったが、16ホールでパーをセーブしている。
1位 ザンダー・ロンバート 25
2位 リッキー・ファウラー 24
日本選手
6位タイ 池田勇太 21
44位タイ 市原弘大 15
ステンソンはバーディ数でフィルを圧倒
72ホールでのバーディ数はステンソンが2位と大きく差をつけて25。荒天候の中でのこの数字で文句なしの優勝を勝ち取った。
1位はステンソン 25
2位ミケルゾン 19
日本選手
41位タイ 市原弘大 11
59位タイ 池田勇太 9
ショットの精度を上げれば世界の扉を開ける
全英オープンは、午前中、風が吹いても夕刻からやんだり、一概に数字のみを比較することはできないが、優勝したステンソン、2位のミケルソンの数字をみれば、2人が群を抜いていたことがお分かりになるはず。日本人選手を見てみると、飛距離はともかく、世界で勝つためには、フェアウェイキープ率を高め、同時にパーオン率を上げていく。ショットの精度を上げることで、トゥルーンのような厳しいコースセッティングでも戦うことができる。そして、常に戦う心をもていれば、勝利の女神も、必ず微笑んでくれるはずだ。