アヤコさんに学ぶリズム学その4。今回はバックスウィングからトップオブスウィングまでを江連忠プロの解説でお届けします。
「フルショットするクラブは、
左右5対5の感覚で体重を配分してる。
これはアイアンも同じです」(アヤコ語録)
アマチュアゴルファーの皆さんはバックスウィングに注意を払う。なぜって、バックスウィングには時間がかかる。スピードが遅いから。時間がたっぷりあるから、いろんなことを考えたり、試してみたりもできる。ですが、たいていの場合、その結果は良くない場合が多いようです。
バックスウィングをあまり重要視しない方がいいと思う。確かにバックスウィングがよければ、ダウンスウィングもいい所から降りてきやすいのは事実ですが、でも必ずいい結果になるとは限りません。大事な部分ではあるけれど、これがないとボールが打てないというような、絶対に必要なものではないのです。
バックスウィングでエネルギーを消費するな
だから「バックスウィング名人」にならない方がいい。バックスウィングなんて、要するにダウンスウィングのための調子付けと考えた方が楽だと思う。なんといっても、バックスウィングでボールが打てるわけじゃないんだから。
いいかげんに、イージーにバックスウィングしてはいけない。でも、イージーな「気持ち」でバックスウィングしよう。アヤコさんのバックスウィングなんか、いかにも軽い気持ちで拍子をとるためだけのバックスウィングに見える。実際の気持ちは、もちろんわからないけど、でも、そう見えるということが大事じゃないかな。バックスウィングでエネルギーを使い過ぎないようにしよう。
そんな感覚だけの話しでは納得できない、という人には、とにかくオープンにだけは上げない方がいいよ、とアドバイスしておこう。オープンに上げると、その後がいろいろややこしくなってしまう。トップ辺りで修正したり、ループを描いたり、ダウンスウィングでまた修正したり、することが多くなる。だから、できれば正しくスクェア。なんなら多少はシャット気味でもいいと思う。スクェアかどうかは、クラブが腰の高さ辺りに来たところで判断できるから、簡単にチェックできますよ。
体重配分は5対5に立とう
立ち方でバックスウィングは変わる
プロはドライバーショットのとき、右6対左4くらいに構えることが多い。これで軸を崩さずにバックスウィングすればトップで8対2。ちょうどいいバランスになってくれる。しかしアマチュアの場合は、バックスウィングをオーバーにやりがちなため、つい完全右体重(つまりスウェイ)になりがちだ。最初は5対5のバランスで構えた方がスウィングがシンプルになり、やさしくなる。
「プレッシャーで硬直するとトップで
肩や腰のひねりが浅くなってしまう。
するとリズムも早くなってしまうわけですね」(アヤコ語録)
トップの形もあまりこだわり過ぎるとよくない。このトップだ!という形が自覚できるのなら最高だけど、難しい。ぼくにも、これだ!というところが、まだわからない。肩は90度で腰を45度とか、いやそうじゃないとか、いろんなレッスンがある。
でもトップのひねりには個人差があってもいいと思う。体の硬い人なら腰も一緒に回さないと無理だし、体の柔らかい人なら腰を止めておいても肩をひねることができる。要するに腰の回転と肩のひねりで、計80度から90度くらいのトップのねじれが作れればいい。
本当を言うと、80度も90度もねじる必要だってない。バックスウィングの途中で左の腕が地面と水平になったくらいの位置でも「もうダウンスウィングに移れるぞ」という十分なねじれができていれば、それが最高だ。
実際には水平で止まらないし、クラブの慣性でトップ風の形になるけれど、すれはなりゆき。わざわざ作るべきじゃない、と思います。
形の上で、80度回ったとか90度回ったとかいうことより、そのトップで「張り」の感覚があるかどうかが大切だ。張り、ねじり、テンション・・・どう表現してもいいけど、ここからならダウンスウィングに移れる、という感覚だ。
だからトップがコンパクトでも構わないけど、あまり大き過ぎるのは感心しません。まわり過ぎの方が問題です。また、クラブがオープンになるのも感心しませんね。スクェアかややクローズが正解。女子プロ達を見ていてもフェースがオープンな選手は皆無で、だいたい女子プロに通用することは一般アマチュアにとっても正しいセオリーだと考えましょう。