さて、問題です。どっちのラインが速いと思いますか?

模型A 山あり谷ありのまるで3段グリーン

画像: 模型A 山あり谷ありのまるで3段グリーン

模型B 小さな下りが1回 あとは平坦

画像: 模型B 小さな下りが1回 あとは平坦

どれが速いと思いますか?

  • 模型Aの方が速い

    正解!

  • 模型Bの方が速い

    残念!

  • 模型Aも模型Bも同じスピード

    残念!

  • 模型Aの方が速い
    40
    172
  • 模型Bの方が速い
    30
    131
  • 模型Aも模型Bも同じスピード
    30
    127

重要なのは、ボールの止まり際

どうしてアマチュアはロングパットが下手なのか、パット名手の真板潔プロに聞いたら、「練習不足!」と厳しいお答え。それは認めますけど、なんとか教えてくださいよー!

解説してくれた人

画像: パットの名手 真板潔プロ

パットの名手 真板潔プロ

「距離感が合わないのはラインやボールが転がるスピードのイメージができていないからだよ」

スピード?それはボールの打ち出しのことなのかと聞いたら、大きく分けると3つあるとプロ。ボールの止まり際、ボールとカップを結んだ中間点、そしてボールの打ち出し。

「要するに、逆算だよ。グリーンの形状や速さなど、いろんな要素が混在するグリーン上では、想像力をいかに働かせるかが重要。だから今日のグリーンだったら、カップの周りに止まるにはこれくらいなんだと想像し、そのためには中間地点はこれくらいのスピード、さらにそのスピードで中間地点を通過するのはこれくらいの強さで打たなくちゃいけないと決まっていくわけ」

え?模型Aと模型Bって同じスピードじゃないの?

上のVOTEでどちらが速いかをお聞きしました。模型Aと模型Bって同じスピードだと思いがちですが、ボクらが参考したいのが重力の原理。

模型Aは、「2回目の下り坂で加速した分だけ、上り坂で減速するので、結局Bと同じ速度になって、同時にゴールする」と思いがち。

画像: 模型A:2つ目の段の加速感がポイント。加速する箇所が2ヵ所あるから最後の下りも速く駆け上がれる

模型A:2つ目の段の加速感がポイント。加速する箇所が2ヵ所あるから最後の下りも速く駆け上がれる

実は2回目の下り坂で加速した分だけ、Bよりも速く平坦部分を走り抜け、Aが先にゴールする。これは地球の引力、つまり重力があるためだと物理に詳しい八木一正教授は話す。

画像: 模型B:上り部分が無いから加速する一方かと思いきや、加速する箇所は一ヵ所しかないので、それほど転がらない

模型B:上り部分が無いから加速する一方かと思いきや、加速する箇所は一ヵ所しかないので、それほど転がらない

Q.どうしてこんなにスピードに差が出るんですか?

A.「″重力″が影響しているんです」
スピード感は重力が影響を及ぼしてくるため、Aのように見た目には上がっていても加速が強くなる分、Bよりも早く転がるという現象が起きるのだ(八木一正教授)

これが頭に入っているだけで、重力のイタズラに惑わされず、真板プロの言うスピード感が見えて、正しいイメージが上がりそうだ。

真板流!ロングパットを成功させる4つの手順

ステップ1 距離感を見る

カップまでボールが転がるスピードをイメージして、どれくらいの強さのインパクトが必要かを決める

ステップ2 ラインをしっかり読む

打ち出していく方向を決める。カップの周りでのラインをイメージして、そこに乗せるためにはどこに打ち出すが、目印を決める

ステップ3 振り幅を決める

イメージしたボール初速に必要な振り幅を素振りでイメージ固め。振り幅が決まれば、振るスピードが見えてくる

ステップ4 インパクトの強さをストロークの強さを決める

振り幅と振る速さをリンクさせることで、転がりの良し悪しが出る

傾斜やラインってどう読むの?
グリーンを読む手順

「アドレスまでのルーティーンをちゃんと持っている人って少ないんだよな」

手順1:花道からグリーン全体を把握する

画像: 手順1:花道からグリーン全体を把握する

グリーンに上がっていく途中の花道で、グリーン全体の傾斜を見る。グリーン奥の景色なども入れながら、全体を見ることで、大きな傾斜を把握できる。できるだけボールから離れた場所から見ること。

手順2 目線を低くして球の後ろからラインを見る

画像: 手順2 目線を低くして球の後ろからラインを見る

ボールの後ろから見るのは外せない。加えて目線はできるだけ低くすること。カップまでの微妙なアンジュレーションが見えやすい。しゃがまず上から見ても平坦に見えてしまうことがほとんど。

手順3:カップとボールの中間地点に立って傾斜を確認する

画像: 左:カップ 右:ボール

左:カップ 右:ボール

ピンとボールを結んだ線を底辺としたできるだけ正三角形に近い頂点に立って真横からラインを見る。上り下りがわかりやすく、ボールが転がるイメージを作りやすい。

手順4:余裕があればピンの後ろからもチェック

ラインを読むのに時間をかけ過ぎるとスロープレーになってマナー的によろしくないので、時間に余裕があればピンの後方から最後に確認すると全体のラインのイメージが固まりやすい。

なるほど。ロングパットの距離感は、こうやってやれば正しいイメージがつくんだ。今回は、ここまで。Vol.2では、真板プロはこっそり振り方を教えてくれたぞ!

出典/2010年月刊ゴルフダイジェスト10月号

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