前回までのレッスンで、しっかりと”ぶ厚いインパクト”を実現するにはヘッドがスウィングプレーン上にあることが大切だと教えていただきました。

スウィングプレーンの下にヘッドが落ちてしまうとフェースは開き、ダウンブローでは打てないということでした。そのためにはダウンスウィングのシャフトとが地面と平行になった9時のポジションで右手が上、左手は下と解説してもらいました。

画像1: ”ぶ厚いインパクト”の左ひじは低く収まるVol.4

それでは、ここからはクラブヘッドが下がらないようにするコツをレッスンしていただきます。永井延宏プロお願いします。

2006年ゴルフダイジェスト「レッスンオブザイヤー」受賞 

フェース向きのキープは右手の感覚

試しにクラブヘッドを右手でトップブレードをつまんで左手をネック近くのシャフトを握ってみてください。

ゴルフクラブはフェースの付け根にネックがあるので、フェースは開く方向に動こうとします。右手首の角度でその開こうとする動きを打ち消す必要があります。それが、現代の大型ヘッド、重心距離の長い・深い重心のドライバーには顕著な現象なのです。そのためにスウィング全般としてフェースを一定に保つ意識が必要になります。

画像: フェース向きのキープは右手の感覚

アプローチイップスの人にも効果がありますので、このヘッドをつまむ握り方でクラブを動かしてみてください。右手が上になってフェースの向きをキープする感覚がつかめると思います。リーディングエッジのコントロールができるので、「プレーンに対してエッジを切りこんでいく」ような感覚がイメージできると思います。

この持ち方で5ヤードくらいのアプローチの素振りをしてみると、左右の手の位置関係とフェースの向きをキープする感覚がつかめます。そのまま通常の長さでグリップ部分を握っていただき、同じように小さいスウィングでフェースが開かないように素振りをしてみてください。

大型ヘッドのドライバーでは、もっと開こうとする

ヘッドが大型化したことによって、シャフトの軸線上からから“離れよう・離れよう”という力が作用しますので、フェースをスクェアにしようとすると「つかまえてる感」が増しているように感じます。

現代のドライバーは重心が長く深いのでドライバーも先ほどのアイアンのトップブレードをつまんだ感覚を、ドライバーでもつかんでおくことが大切です。単純に大きさが大きいのでアイアンをつまんだ時よりも手と手が離れていますよね。それによってヘッドがプレーン上よりも“下がる(“開く”)という動きになりやすいのが特徴です。

画像: 大型ヘッドのドライバーでは、もっと開こうとする

逆をいえば、重心が深いわけですから。ココをつかんでいけばプレーンにも入ります。“つかみどころがない”みたいな感じですが(笑)。上級者など正しい感覚をつかんでいる人は、フェースの向きを一定にしたままインパクトを迎えられています。

クラブをプレーン上に乗せて手元を低くするには、どんなドリルがありますか?

水平素振りでつかむ手元が低く入る感覚

画像1: 水平素振りでつかむ手元が低く入る感覚

水平素振りをやってみましょう。クラブを立ててヘッドを上に保ちます。こういう使い方をすると左ヒジが下がります。左ヒジを下げていくと、プレーン上にに入ってきます。これは非常にカンタンで“天秤理論”と言っていますが、左ヒジが下がればクラブが上がるんです。

クラブヘッドが上にあれば、水平素振りでヘッドがプレーンに乗る感覚をつかめます。クラブにまかせて振ると、ヘッドの重みで下がろうとするので左ヒジが浮きやすくなります。天秤のどっちが傾くか、という単純な仕組みです。ヘッドを下げずに左ひじが上がらないようにしっかり意識しましょう。

このドリルをアドレスの形で前傾してやってみてください。そうすると、左ひじが低く抜けていきます。それがJ・スピースの形ですね。「ヘッドの返りを抑えてる」とか「左をイヤがってる」とかいいますが、実はそうではないんです。

画像2: 水平素振りでつかむ手元が低く入る感覚

ゆっくりと水平素振りをやってみると分かると思いますが、体の回転に対して「左ヒジが低く収まる」のが今のプレーヤーの特徴です。フェースの返りを抑えて左ヒジを引いてるのではなくて、左ひじを下げてるんです。

スピース以外でも左ヒジを下げるプレーヤーも多いです。藤本佳則もそうですね。現代的なプレーヤーの中では、必ずこういう動きが出てきています。フィニッシュのヒジの低さというのが特徴ですね。

手元を低く体の近くを通す

「体の近くを通る」というのがポイントですね?

そうですね。切り返しで手元が体から遠くへ離れてしまうとヘッドが下がってプレーンから外れてしまいます。切り返しはゆっくり、軌道に乗せてからスピードが上がることが重要です。左に踏み込んで、手元が近いところに落ちる、軌道に乗せて、最後にスピードを出す。切り返しからスピードを出そうとすると、クラブが体から離れてしまいます。

体は「グ~ッ」というエネルギーを貯めているのですが、手元は力を抜いて使うということです。体がかなり“エネルギー感”を作らなきゃいけない。それに対して、手元の力が抜けて、体の近いところにタテに「ストン」って入ってくる。そうすると力強いインパクトを作れます。

クラブを立てて下す感覚でしょうか?

水平に振ってるから立てて下ろわけではありませんが「立てて下ろす」という表現になりますよね。クラブヘッドを手元より上にキープして手元を下げると結果的には「体の近くで、手が低いところに入る」、クラブが顔のかなり近くを通る感じになります。そうすると切り返しから正しい軌道に入り、軌道に入ってからリリースする感じですね。

手首とシャフトで作る角度をキープする感覚を意識してください。切り返しからクラブを立てたままにして下すと手元は自然と体に近く低い位置に降りてきます。プレーン上にクラブを乗せた状態で体の回転でスウィングすると「球を押す」感じが出てきます。イメージでいうと「左に踏み込んで近いところ」を通す感覚です。

永井延宏プロ、ありがとうございました。4回に渡ってお届けしました。ヘッドの大型化でプレーン上をダウンブローに打ちにくくなっているのですね。切り返しからフェースを開かないようにしながら、クラブを寝かさないコツを教えてもらいましたね。クラブヘッドつまんで動かすとわかりやすですね。早速やってみましょう!

月刊ゴルフダイジェストダイジェスト8月号から一部抜粋。カメラ/姉崎正

Vol.1~3はコチラから↓↓

月刊ゴルフダイジェスト10月号 巻頭特集”脱”カット軌道おススメです!

This article is a sponsored article by
''.