「親父のおさがり鑑定団」では、過去モデルではあるものの、未来に継承したいそのクラブにまつわるエピソードをご紹介します。

リンクス「パララックス」

スライスを許さないやさしい設計

画像: リンクス パララックス 1992年

リンクス
パララックス
1992年

ハードヒッターが使うと、つかまりすぎて左へのミスが出るモデルであった。しかし、このモデルを使用していたフレッド・カプルスは独特のフェースターンとシャフトのマッチングで見事にこのヘッドの性能を生かしていた。

プロも気になったつかまり性能

愛嬌のある「オオヤマネコ」をトレードマークに据えるリンクスは、数々の名器を世に送り出してきた米国のメーカー。特にマスターモデルは後世に語り継がれる名器で、30年前にプロアマを問わず大ヒットを博したことで有名だ。

画像: マスターモデル 特にサンドウェッジは人気が高い

マスターモデル
特にサンドウェッジは人気が高い

リンクス製品のコンセプトは、アマチュアがゴルフを楽しめるクラブを、自分たちが持てる最先端の技術を使って仕上げることにある。この「パララックス」もそんなクラブのひとつで、アマチュアが陥りやすい悪性スライスを、クラブの面から退治しようという思いが根底に流れている。

このやさしいアイアンは、フレッド・カプルスが92年のマスターズを制したことで、一気に世界に轟くことになる。「トッププロがアマチュアのクラブを使っていいのか」。そんな論争さえ起こしかねない衝撃的な勝利だった。

カプルスはパララックスを長く愛用

「パララックス」はカプルスのプレースタイルに見事に合致。緩やかなフェースターンでつかまったフェードを打っていた。クラブのつかまり性能で右へのミスを減らしていたのだ。

「ツアープロだからって、難しいクラブを使わなくてもいいじゃないか。こんなにやさしいのがあるんだから」。パララックスを眺めていると、カプルスのそんな声が今にも聞こえてきそうだ。

※月刊ゴルフダイジェスト2013年11月号より

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