皆さんは福井康雄というゴルファーをご存知でしょうか?

福井康雄プロは、日本のプロゴルファー第1号である福田覚治さんの長男であり、倉本昌弘プロなどを指導した名コーチとしても知られています。

画像: 福井康雄プロ 1914-1991年 30万人余りのアマチュアを指導し、亡くなった今も高い支持を得ている

福井康雄プロ
1914-1991年
30万人余りのアマチュアを指導し、亡くなった今も高い支持を得ている

大人になるとできなくなる“タメ”と“下半身リード”。その代わりに起こってしまう動きが“ひじ引け”と“腰引け”。なぜ子どものような動きができなくなり、してはいけない動きになってしまうのでしょうか。そのヒントがこれまでの福井プロの教えが記された文献から紐解いてみました。

福井プロが 提唱したのは、形にとらわれない「自然なスウィング」。まずは福井プロが唱えた“自然スウィング”五か条をご紹介します。

“自然スウィング”五か条

その壱 振っていればインパクトは向こうからやってくる
その弐 思うだけでいいんです。意識するだけで
その三 形とは正しい動きができた副産物にすぎない
その四 ミスが出ても直そうとしてはいけない
その五 ゴルフは歩くことと同じ

子どもの動きが理想のスウィング

「考えるクセがついたらゴルフを忘れなさい」。これは福井プロの教えですが、大人になると考えるなと言われても軌道やスウィングの形のことを考えてしまいますよね。

福井プロの代表的な言葉に“ゴルフは歩くことと同じです“という言葉があります。子どもの体でできる動きが最も正しいスウィングで、迷わずそのスウィングを反復練習して、熟練・洗練させればいいとも話しています。

子どもは、クラブをどう上げようとか、トップの位置はどこにしようとかを考えずに振っています。構えたらあとは振るだけで、スウィング中は何も考えていないのです。

これが73歳の時のスウィング!上げたら振り下すだけ

また大人になるとインパクトで腰が引けてしまうことについて、福井プロは「腰が回る」という表現が原因だといいます。腰が真円で回転していると思っているから腰が引ける。2本の足で立って、その上で回るのだから腰の回転は楕円になるのが正しい解釈とのこと。

腰は“楕円”に回る

福井プロは自らの著書の中で、スコットランドのことわざを例に話している部分があります。

“ゴルフはカエル以上の頭脳を必要としない”という言葉があります。カエルは条件反射的に同じ距離をピョンピョンと跳ねるだけ。一度ジャンプしたら空中で方向を変えることはできません。ゴルフスウィングも同じです。

福井プロが伝えたいことは、ゴルフのスウィングとはごくごくシンプルで単純なものだということです。そしてそれは、身長や体格などによって形は違って当たり前だということ。フォームばかり気にしていたら上達はしないということです。

皆さんも理論に縛られることなく、子どものように無心でスウィングしてみましょう!

※月刊ゴルフダイジェスト2013年11月号より

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