「ボクたちのジュニア時代」では、現在第一線で活躍するプロのジュニア時代の思い出をご紹介します。
第4回 藤田寛之
43歳で初めて賞金王を獲得するなど、「中年の星」として、同世代のファンから圧倒的な支持がある藤田プロ。どんなジュニア時代を過ごしたのか、本人に語ってもらいました。
工夫して考えること、それが自分を強くした
本格的にゴルフを始めたのは、高校生になってから
僕がゴルフと出合ったのは、12歳のときです。同級生が校庭でゴルフをしているのを見て、一緒に遊んだのが初めてでしたね。小、中学校と野球をやっていて、本格的にゴルフに取り組みだしたのは、高校生の頃。とにかくゴルフは楽しかったですね。夢中になって練習しました。日曜日はゴルフ場でキャディをやって、それが終わったら練習をしていました。でも場所は練習場じゃないんです。バイト代を練習場での球打ちに使うのは、もったいなくて、稼いだお金はボールやシューズなどに使っていました。(藤田プロ)
創意工夫して腕を磨いた
当時僕が練習していたのは、“近所の公園”なんです。他に練習できる環境がなかったので、どうにかその公園で上手くなろうと創意工夫の日々でしたね。たまたま生えた芝の上からアプローチをやったり、砂場でバンカーショットを打ったり。ゴルフ場まで遠かったので、平日にコースで練習することはできない。とにかくゴルフが楽しかったから、いろいろな手段を使いました。
ショートゲームも公園で上手くなった
クリスマスプレゼントはミズノのサンドウェッジをもらいました。そのクラブをひたすら公園で打ちましたね。ソールの印刻が見えなくなっちゃうくらい。ショートゲームが得意になったのもそういう練習ばかりしていたからじゃないかな。公園では自分で穴を掘って「ホール」を作ったりもしましたね(笑)。
子どもたちには「考えさせる」ことが大事
ヤマハのジュニアキャンプでジュニアに接することがあるんですが、親御さんから「この子がもっと上手くなるように、何か言ってもらえませんか」なんて言われることがあるんです。僕は親や指導者から手を差し伸べるのではなく、ヒントを与えることが大事だと思っています。できる人は自分で考える。できない人はすぐ聞きにくる。それでは本物になれないと思います。親や指導者が与えられるのはヒントだけ。自らの頭で考えられるゴルファーに育ってほしいと思います。
※月刊ゴルフダイジェスト2014年7月号