9月29日(木)から10月2日(日)まで栃木県の烏山城CC二の丸、三の丸コース(6505ヤード・パー71)にて日本女子オープンが開催された、優勝はなんと17歳のアマチュア畑岡奈紗選手! メジャーをアマチュアが制するのは史上初の快挙で幕を閉じた。今回は、何人もの選手がクラブを短く持つ姿が目に付いたので、その効果についてみんなのゴルフダイジェスト所属のプロゴルファー・中村修が解説する。
短く持つとクラブの特性が変わる
短く持つとどんな変化があるのか? クラブのバランスが軽くなる、シャフトが硬くなる、グリップが細くなる、など短く持つとクラブの特性が変わる。アイアンの場合、同じロフト、同じシャフトでクラブの長さが違うクラブを打ち比べると、長いクラブに比べて短いクラブは球が上がりにくくなる。それは、シャフトのしなりを使えなくなることと、短いクラブの方がインパクト時のロフトが少しだが立って当たる傾向になるからである。
その変化した特性上、スウィングにも影響が出る。クラブのバランスが軽くなるせいで、ヘッドの慣性モーメントが減少し、イメージした振り幅に振りやすくなる。トップやフィニッシュがコンパクトになって軌道も安定する。
逆に長く持つと、ボールは高く上がり、ヘッドの重さを利用した大きなスウィングが打ちやすくなる。林の中から低いボールで脱出する際には短く持ち、木を越えるようなショットが必要な時は長く持つことが重要になるのだ。
話を戻すと、日本女子オープンの舞台となった烏山城CCは井上誠一設計のタフなレイアウトに速いグリーンのセッティングだった。方向性も重要だが、ピンの奥につけると3パットも簡単に打ってしまう。速いグリーンでは特にショットの距離感が重要となる。
短く持つことで、方向性と縦の距離をコントロールできるとなれば、使わない手はない。アプローチ以外でも短く持って打つショット、ぜひ試してみては?
写真/大澤進二